春の九州取材旅 長崎県・佐世保/2017.5<日本一周の旅:#18>

忘備録
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、原稿作成のためのメモ代わりに書き残してきた「忘備録」を、後日リライトしたものです。
クルマ旅専門家・稲垣朝則の主な著書
車中泊の第一人者と呼ばれる稲垣朝則が、これまで執筆してきた書籍・雑誌と出演したTV番組等の紹介です。
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ガッツリ!佐世保

この日は朝から予定が狂ってしまった。

「道の駅・くにみ」から、「道の駅・くにさき」に向かう途中に「開運ロード・とみくじ」がある。

地名の富来をもじり、招き猫を公園の片隅に置いただけの、いかにも後付臭い世俗的な観光スポットなのだが(笑)、それでも何かのタシになるかもと、一応立ち寄ることにしていた。

招き猫

と、ここまでは「折込済」の行動だったが、マップにあった富来城の紹介に「黒田官兵衛と宮本武蔵にゆかり」と書かれていたため、気になって追加で訪ねることにしたのだ。

筆者は大河ドラマにゆかりのある場所をコツコツまわっているが、官兵衛も武蔵もその主人公のひとりだ。ただこの両者に接点があったとは知らなかった。

富来城

なぜなら、武蔵は西軍の一兵卒として関ヶ原の戦いに参加していたとされており、その時に九州平定を目論み、大分で戦っていた官兵衛とは、まったく違う場所にいたはずだからだ。

だが、武蔵の伝記である「兵法大祖武州玄信公伝来」には、養父と共に九州で黒田官兵衛の配下として戦ったことが記されているという。

武蔵の養父である宮本無二之助が黒田家に仕えていたのは史実らしく、今はむしろその可能性のほうが高いらしい…

そんなこんなで、新たな事実を知ったことは良かったが、問題は富来城の場所の「わかりづらさ」だった(笑)。

この超マニアックでささやかな史跡を見つけるのに、なんと小1時間も費やしてしまった。

道の駅くにさき

おかげで、海岸に面した「道の駅・くにさき」に立ち寄ったあとは、高速で一気に佐世保を目指すことに。

最初の行き先は、2016年4月にオープンした「道の駅・させぼっくす99」だ。

道の駅させぼっくす99

名前の由来は、佐世保のものがたくさんつまった宝箱。99には西海国立公園九十九島と、たくさんという意味が含まれているという。

道の駅・させぼっくす99

この道の駅はサービスエリアに近い環境で、車中泊に適するかどうかは疑問だが、「佐世保バーガー」や「レモンステーキ」など、佐世保の名物グルメが一通り揃っており、「別に有名店に並んでまで食べなくてもいい」という人にお勧めだ。

蜂の家・ジャンボシュークリーム

ここで筆者は、ご当地人気グルメの「蜂の家・ジャンボシュークリーム」を目ざとく見つけてテイクアウト。おかげで本店まで足を運ぶ必要がなくなった。

クリームの中にバナナなどのフルーツが入った特大のシュークリームは、我々夫婦にすればスイーツどころか十分な朝食になる(笑)。

ヒカリの「佐世保バーガー」

ちなみに佐世保で一番有名なのは、ヒカリの「佐世保バーガー」だろう。

2013年に来た時には長蛇の列で食べられなかったため、満を持して平日の2時頃を狙って再チャレンジしたのだが、今回も「30分から45分待ち」と云われ、あえなくチン。

海上自衛隊佐世保資料館

そのヒカリの本店は、海上自衛隊佐世保資料館(写真の右側の大きなビル)のすぐそばにある。

この店の佐世保バーガーをうまく食べるには、まずヒカリで注文を済ませ、出来上がるまでの時間を利用して、無料の海上自衛隊佐世保資料館を見学することだ。

勝海舟が創設し、坂本龍馬らが切磋琢磨した神戸の海軍操練所から、現在の海上自衛隊の戦闘能力に至るまで、実に詳しく紹介されており、それなりに面白い。

今回、筆者はそのことにアタマが回らず、逆の順序を踏んでしまった。この年になっても、失敗から学ぶことは多い(笑)。

さて。せっかく佐世保に来たのだから、どこかで軍艦が撮りたいと思うながら走っているうちに、すこぶるいい場所を見つけた。

佐世保

しかも、まさかクルマとツーショットで撮れるとは、ラッキー!

その夜のニュースで、この軍艦がフランス海軍の強襲揚陸艦「ミストラル」であることを知った。

今回の入港目的は、自衛隊と米英仏の計4カ国で初めて実施される共同訓練への参加するためだという。とはいえ、時期が時期だけに、北朝鮮の不穏な動きと無関係ではないかもしれない。

佐世保 みなとエリア

こちらは佐世保駅前に広がるウォーターフロント「みなとエリア」。

ここから続く「五番街」にも、先ほど紹介した佐世保バーガー「ヒカリ」の支店がある。だが、それに気づいたのは「食後」だった。

どうやら「ヒカリ」には、とことん縁がないらしい(笑)。

ここで午後4時を迎えた。当初はこの時間からハウステンボスに入場し、ライトアップまで取材をする予定だったが、朝の時間のロスで「積み残し」が出ていた。

このままハウステンボスに行くべきか、計画通り九十九島の新しい展望台「展海峰」に行くべきか…

結論はスグに出た。

展海峰

この時間から広いハウステンボスを散策してしまうと、翌日のメインイベントに支障をきたす心配がある。

そもそも、この日に佐世保まで来た理由は、翌日のスケジュールに起因するのだ。

そこで少し早めに道の駅・彼杵(そのぎ)の荘に入り、カラダを休めることにした。

この日の夕食は、炊飯器でご飯を炊いて「納豆入りのとろろ飯」。

「山のうなぎ」とも呼ばれる山芋は、クルマ旅でビタミンを効率よく補給できる有効な食材で、こういうハードな日には適切だ。

明日は早朝に長崎市内に移動し、9時から「軍艦島上陸ツアー」に参加する。

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