この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100ヶ所の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

観光客のお目当ては、1日限定50食のランチメニュー「四季の散歩道御膳 」
塩分が気になる中高年でなくても、江戸町風情が漂う白壁土蔵の倉敷で食事をするなら、「和食」がいいと思うのはしごく当然の成り行きだ。
この「旅館くらしきレストラン」は、その景観のまさに「ど真ん中」に位置する町家で、外見からは想像できないほど中は広い。
だが、どのガイドブックにも出ているだけあって、予想通り休日は11時の開店とともに満席になる。
大半の観光客のお目当ては、この1日限定50食のランチメニュー「四季の散歩道御膳 」だろう。
お値段は1850円。税込みでも1998円(2018年2月現在)と2000円を割る価格設定にしているのは、雑誌やネットのビジュアル戦略上、このうえない効果を発揮しているに違いない(笑)。
そこで予約を入れて行くことに。この店は「11時に来店すること」を条件に、ランチの予約を受け付けている。このあたりも、なかなか「したたか」だ。

目の前にした印象は、想像したよりも量が多くて立派(笑)。味も上品で、ランチとしては申し分のないものだった。
もちろん細かなことを言い出せば、多少のケチはつけられる。刺し身がマグロで、実は一切れしか入ってないとか、煮物、汁物がぬるいとか、一歩間違えば「おばんざい」だとか…(笑)。
これらは全て「食べログ」に書かれている話だが、確かに「事実といえば事実」であった。
しかし1850円というプライスに秘められた、「コストと使える素材、さらには一気にやってくるお客の数とのせめぎ合い」を考えれば、筆者は板さんの工夫と努力を評価する。
いくらプロでも、物理的な問題解決には限度がある。
それに、店内の落ち着いた雰囲気と柔らかい接客を加味すれば、さらにコスパは高くなる。この日もそういうお客さんを何組か見かけたが、なるほどここは、お昼の接待に最適だろう。
「上げ膳据え膳」からは縁遠い車中泊の旅だけに、たまには1850円で奥方を「接待」してみるのも悪くはあるまい(笑)。
旅館くらしき
〒710-0054 岡山県倉敷市本町4-1
086-422-0730
11:00~14:30(ランチタイム/オーダーストップ14:00)
14:00~17:00(カフェタイム)
月曜定休(祝日の場合は営業)
「旅館くらしき御膳」の注文に限り、希望のお時間で予約可能。それ以外のランチメニューは11:00のみ
クルマで旅する倉敷


車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門

この記事がよく読まれています。




