この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
車中泊に適しているのは、美観地区から離れた場所にある3つの無料駐車場。
倉敷の駐車場&車中泊事情【目次】
倉敷の観光事情
本論の前に、まずは倉敷美観地区の所要観光時間を説明しよう。
倉敷観光に要する時間は、美術館や博物館などの「ミュージアム」をいくつ周るかにかかっている。
中高年の場合は、オーソドックスに、江戸・明治・昭和の象徴的な見学施設である「大橋家住宅」「大原美術館」「倉紡記念館(倉敷アイビースクエア)」を観る途中でランチを楽しみ、本町通りをブラブラしながらお土産を買うくらいで、ちょうど1日。
朝9時に美観地区に到着して、午後4時前に駐車場を後にする感じになると思う。
無料のボランティアガイドツアーに参加したり、それ以上の数のミュージアムやショップをゆっくり周りたいのなら、1泊2日の予定で行くのが望ましい。
幸か不幸か…
美観地区は狭くて平坦なため、歩き疲れる心配はないと思うが、かわりに人で溢れ、どこに入るのにも「順番待ち」が発生する。
ゆえに行き先をあらかじめ決めて場所を確認し、効率よく周らないと時間と体力の無駄遣いにもなる。
休日の倉敷を「何の下調べもなく、手ぶらで歩こう」というのは、そもそも「無謀」な話ということだろう(笑)。
倉敷の駐車場事情
車中泊のクルマ旅で倉敷を訪れたい人間にとって、観光やグルメ情報以上に知りたいのはここからの話だと思う。筆者も他にあるなら、真っ先に見てみたい(笑)。
現地に行けばよくわかるが、美観地区内をクルマで周ることはできない。
そのためクルマを近くの有料駐車場に停め、歩いて観光することが前提になるのだが、美観地区に専用駐車場はない。
また前述したように「本気で倉敷美観地区を観光する」なら、駐車時間は7時間近くになる。
それを考えると一番のお勧めは、どのサイトにも書かれている通り、倉敷市営中央駐車場(175台/30分100円/最大料金820円)になる。
もちろん立地が良いので、午前10時までには満車になる可能性が高い。
ただし問題は、「車高2メートルまで」という制限があることだ。
つまりキャンピングカーやハイルーフ車、あるいは屋根にルーフボックスを載せているクルマは、この駐車場が使えない。
いっぽうこちらは高さ制限のない、倉敷アイビースクエアの駐車場。
ただし、この駐車場は30分200円で上限なしと料金は高い。ただリピーターの筆者は2時間ほどの滞在なので、今は主にここを利用している。
もちろん周辺を探せば、ハイエースが停められるコインパーキングも見つかるだろうが、写真の通り、ここはアイビースクエアの目の前にあり、中を通り抜ければ美観地区は目の前だ。
倉敷の車中泊スポット
次は車中泊スポットについて。
倉敷を観光するなら、確実に駐車場が抑えられる午前9時前には現地に入りたい。幸い、ほとんどの見学施設は9時から門を開けている。
となると、車中泊は倉敷まで1時間以内に到着できる場所が好ましい。
その条件にマッチする無難な場所は、「道の駅みやま公園」だ。ここは休憩室が24時間開放されており、ゴミ箱も完備している。
また気候の良い季節なら、鷲羽山展望台の無料駐車場も悪くない。
ここからは瀬戸大橋の夕景が眺められる。
逆に暗くなるまで倉敷を観光したい人には、美観地区から5キロほどしか離れていない酒津公園でも車中泊ができる。
駐車場にはトイレがあり、24時間利用できる。