「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
背割堤は、京都最大級の桜並木道
大阪市をはじめ近畿圏1700万人の水道水源となる淀川は、琵琶湖から流出する宇治川と、嵐山方面から流れくる桂川、さらに三重県の青山高原に端を発する木津川の3つの川が合流してできる大河だ。
その両岸は河川公園として整備されているが、背割堤(せわりてい)は淀川の発端である「三川合流域」に設けられた人工の堤で、洪水発生時に宇治川と木津川の両河川をスムーズかつ安全に合流させる役割を果たしている。
1970年代までは堤防にマツが植えられていたそうだが、虫害のためソメイヨシノに植え替えられ、1988年4月から桜並木の一般開放を開始した。
それから30年。
ソメイヨシノは成長し、満開時には見事な桜のトンネルが1.4キロにわたって続く桜の名所となった。
さらに2017年には、その桜並木を地上約25メートルの高さから一望できる「さくらであい館」がオープンし、話題を呼んでいる。
「さくらであい館」にも22台を収容する駐車場があるが、広いのは河川敷にあるこの158台が停められる駐車場だ。いずれも普段は無料で利用できるが、夕方5時に閉鎖されるため、車中泊はできない。
さて問題は、2019年のさくらまつりから、この駐車場が一般観光客には利用できなくなっていることだ。
あわせて「さくらであい館 」の展望台も有料になっている。
石清水八幡宮駅周辺の駐車場事情
背割堤の最寄りの電車駅は徒歩約10 分の京阪電車・石清水八幡宮駅(旧:八幡市駅)になる。
駅周辺の駐車場で収容台数が多いのは「八幡市営駐車場(72 台)」だが、背割堤さくらまつりの期間中、8 時~ 18 時は入庫不可(※それ以前はOK だが、週末は6 時までに満車になることが多い)。
他にも10 台程度が駐められるコインパーキングが何件かあるが、満車のリスクは大きい。ちなみにキャンピングカーが入庫できて比較的駐車台数が多いのは、キョウテク八幡市駅北パーキングだ。
しかしこうなると、土地勘のない旅行者にとって、背割堤はずいぶんハードルの高い絶景スポットに思えてくる。
だがクルマ旅のプロとしては、このまま引き下がるのはさすがに悔しい(笑)。
そこで地元の人間には思いつかない、車中泊旅行者目線からの画期的な打開策を紹介しよう。
打開策 1
中書島から セルフ・パーク&ライド
石清水八幡宮駅からわずか2駅離れた中書島駅の周辺には、駅まで歩いて行けるコインパーキングが何件もある。
なお「中書島駅」から寺田屋などがある伏見のメイン観光スポットまでは、歩いて10分ほどで行けるので、午後からそちらを観光して夜は伏見の酒を楽しみ、ほろ酔い気分のまま車中泊をすることも可能だ。

打開策 2
JR 山崎駅から 自転車でアクセス
JR山崎駅前のタイムズにクルマを置いて、自転車で行く方法がある。

出典:淀川河川公園
レンタサイクルはJR 山崎駅前で受付、9時~ 15時(最終返却16 時30 分)料金は1回につき500 円+保証金500 円。
問い合わせ:☎06-6994-0006
淀川河川公園管理センター
ちなみに山崎といえば、「マッサン」と2020年に放送される「麒麟がくる」のロケ地。NHK大好きの中高年には「ほってはおけない地域」だろう(笑)。
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