車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、高尾にある神護寺の歴史と見どころ及び、周辺のお勧め駐車場の紹介です。
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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
平安京遷都の立役者「和気清麻呂」を開基とする「神護寺」は、「空海」と「最澄」ゆかりの古刹

神護寺 DATA
神護寺
〒616-8292
京都市右京区梅ヶ畑高雄町5
☎075-861-1769
拝観料:800円
拝観時間:9時~16時(閉門17時)
周辺駐車場
※専用駐車場なし
無料/高尾観光駐車場
約50台
※11月のみ有料
※参道入口まで約1キロ・徒歩15分
有料/高雄観光ホテル案内所駐車場
約50台
※参道入口まで約0.1キロ・徒歩2.3分
普通車500円/1回
紅葉シーズンは特別料金
11月のみ土・日・祝に限り11時〜16時まで車での出入りは不可。
神護寺の筆者の歴訪記録
※記録が残る2003年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2003.11.23
2024.05.30
※「神護寺」での現地調査は2024年5月が最新です。
神護寺 目次

神護寺の歴史と概要

京都市の北西に連なる愛宕山(924メートル)山系の、高雄山中腹に位置する「神護寺」は、350段もの長い石段が続く参道を登った先に、ようやく山門が姿を現す生粋の山岳寺院だ。

「高野山真言宗」の遺迹(ゆいせき)本山だけあって、参道手前の清滝川に架かる高雄橋のすぐ横には、かつての「女人禁制」の名残が見える。

さて。
「遺迹」とは、わかりやすく云うと「ゆかり」の同意語で、後に「東寺」と「高野山」に真言宗の道場を開く「空海」が、唐から帰国後にこの地に入り、正当な継承者となるために必要な「灌頂(かんじょう)」の儀式を行ったことから、そう呼ばれている。
まさに日本のレジェンドと呼ぶに相応しい「空海」のプロフィールはこちらで。

また同時期に遣唐使として海をわたり、帰国後に「比叡山延暦寺」を開いた「最澄」も、ここで法華経の講義をしているなど、「神護寺」は日本仏教史上における極めて稀有な歴史を誇る寺院とされている。
なお最澄のプロフィールについても、「比叡山延暦寺」の記事で簡単に紹介しているので、興味があれば合わせて参考に。
というわけで、
その由緒からすれば、「神護寺」が世界遺産に登録されなかったのが不思議なくらいと思えるのだが、その話には続きがあるので、後ほど記すとしよう。

「神護寺」の広々とした境内には、金堂・多宝塔・大師堂などの堂宇が並んでいるが、残念ながら「空海」の時代の伽藍は、平安末期の火災で焼失している。

その後、勧進僧のひとりであった「文覚上人」が、「後白河法皇」や「源頼朝」からの寄進を得て復興したが、それも「応仁の乱」で再び焼け落ちてしまった。

伽藍は江戸時代中期にも再興されたが、明治維新後の「廃仏毀釈」によって解体され、現在見られるのは1935年(昭和10年)に再建・整備された建物になる。

それでも長い歴史を誇るだけに寺宝は多く、現在も国宝16点、重要文化財2,372点を収蔵しており、毎年5月初旬に行われる「宝物虫払い」行事で、これらの主要なものが展覧されるほか、東京国立博物館などでも特別展が行われている。

なお「神護寺」は「かわらけ投げ」の発祥地と云われており、境内奥の地蔵院から錦雲渓の深い谷に向けて、厄除けの「かわらけ」を投じることができる。
神護寺の紅葉

京都をある程度知る人なら、「神護寺」が紅葉の名所であることは周知だと思う。
「高雄山」の中腹にある「神護寺」は京都市内でも紅葉が早く、例年10月末ぐらいから徐々に色づき始め、早い年は11月上旬に見頃を迎えることもある。

筆者も若かりし頃の2003年に一度撮影に来ているのだが、欲張って市内の名所と抱き合わせた為にピークを外してしまい、境内まで登るのを断念したことがある。
また機会があれば、オリジナルの写真をお見せしたいと思うが、350の石段を登るのは年々辛くなりそうだ。

出典:京都の紅葉ガイド
ということで、半ば諦めの境地で上記のサイトを紹介しておくことにする(笑)。
和気清麻呂ってどんな人

続いては、「神護寺」を開いたと伝わる「和気清麻呂」についての話になる。
「神護寺」は、和気氏の私寺であったとされる「神願寺」と「高雄山寺」の2つの寺院が「空海」によって結ばれ、平安時代初頭の824年にひとつに統合されているのだが、その歴史から「神護寺」境内の奥に「和気清麻呂」が眠っている。

「和気清麻呂」は、奈良時代末から平安初期にかけて活躍した高級官僚で、「桓武天皇」の信任を得て数多くの業績をあげているが、とりわけ有名なのは、至誠を貫いた「宇佐八幡宮神託事件(道鏡事件)」と「平安遷都」だろう。
その詳細は、以下の記事をご覧いただければよく分かる。

出典:千代田区観光協会
二度にわたって国家の窮地を救った「和気清麻呂」は、南北朝時代に「後醍醐天皇」に忠義を尽くした「楠木正成」とともに、皇居前にその銅像が立てられている。
こういうところから京都を掘り下げて見ると、平安時代初期に建立された古刹には、俗っぽい観光ガイドには書かれていない”日本のリアル”な歴史が息づいている。
粋も甘いも味わい尽くした中高年が、本当に見るべき京都はそこなのでは?
世界遺産「高山寺」との関係

世界遺産に名を連ねる「高山寺」は、元々は「神護寺」の別院だったが、鎌倉時代初頭の1206年に、「明恵(みょうえ)上人」が「後鳥羽上皇」よりその寺域を賜り、寺名を「高山寺」として再興されている。
そのきっかけになったのが「お茶」だ。

「明恵上人」は、臨済宗の開祖で茶祖でもある「栄西」から禅の教えを受けており、その際に贈られた茶種をこの地に播いて栽培を始めたことから、「高山寺」には日本最古の茶園がある。
つまりお茶は最初に「神護寺」に持ち込まれ、敷地のある「高山寺」でその栽培が始まったわけだが、今はなぜ「宇治」が産地で有名なんだ?
もちろん両者は無関係ではないが、然るべき理由からそうなっていく。
この続きは以下の記事でどうぞ。

京都でも指折りの由緒を持つ「神護寺」を、世界遺産に指定できなかった代わりといっては何だが、逆に「世界遺産にするほどなのかな」とも思える「高山寺」が選ばれている背景には、「神護寺」の別院であったことが無関係ではないように筆者には思えた。
ちなみに「高山寺」は、「高雄観光駐車場」のすぐ近くに裏参道の入口がある。
ただしこっちも、ため息が出るような登り坂が待っている(笑)。
神護寺へのマイカーアクセスと駐車場・車中泊事情

出典:高雄観光ホテル
京都市内から「神護寺」へのアクセスは、「周山街道」の名で親しまれている「国道162号」でアクセスするのがお勧めだ。

ちなみに「仁和寺」から、マップにP「市営駐車場」と記された無料の「高雄観光駐車場」までは約7キロ、渋滞がなければ15分ほどで到着できる。

出典:嵐山・高尾パークウェイ
もうひとつのアクセスルートとして、有料道路の「嵐山・高尾パークウェイ」があるが、この道は普通車も軽自動車も1800円とかなりお高めで、ドライブというよりレジャーを楽しむ場所になっているので、筆者は利用したことはない。

続いて駐車場だが、写真は無料の「高雄観光駐車場」で、24時間出入りができて場内にトイレもあるので、多少の傾斜は気になるものの車中泊は可能だが、紅葉シーズンは有料になる。

奥に見えているのがトイレで、中はウォシュレットはないが洋式にはなっている。
近くには入浴施設はもちろん、夜も開いている食事処やコンビニもないが、紅葉シーズンに「ライトアップ」を狙いたい人や、空いている時間帯に「神護寺」を撮りたい人には好適だろう。
とはいえ、筆者はどのみち朝9時まで「神護寺」が開門されないので、車中泊は約12キロ・30分ほど離れた、日帰り温泉が近くにある壬生のコインパーキングを利用する。
なお「周山街道」を福井県方面に17キロほど北上したところには「道の駅 ウッディー京北」があるのだが、ここも近くに入浴施設がなく、旅の宿にお勧めとは云い難い。
車中泊はさておき、「神護寺」の拝観で重要なのはここからだ。

実は「高雄観光駐車場」からだと、この「神護寺」参道の350段の石段が始まるところまで、約1キロの道のりを15分ほどかけて歩く必要がある。
ネットには「神護寺」まで1キロと書かれたサイトが見受けられるのだが、同じ1キロでもゴールといえる「山門」までなのか、スタートにあたる「参道入口」なのかは大きな違いだ。
こういう細かなところまで記載するのがプロというもの。だてに筆一本で飯を食っているわけじゃない(笑)。

いずれにしても、「神護寺」はここからが大変なので、健脚でないと辛いと思う。
そこでお勧めなのが、この「高雄観光ホテル案内所駐車場」だ。

ここから先ほどの参道入口までは、たったの120メートル!
紅葉シーズンは1000円になるようだが、普段は500円で終日停められるし、管理人のおじさんはとても歴史に詳しく、筆者が行きたいと思っていた「和気清麻呂」の墓所も親切に教えてくれた。

筆者は少しでも「神護寺」に近いようにと、屋根付きの場所に誘導されたが、手前には平面の駐車場があるので、ハイエースのスーパーロングやジルクラスのキャンピングカーなら停められると思う。
難点は若干場所が分かりにくいことだが、Googleマップでちゃんと行けた。
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