車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、車中泊で京都に泊まり、叡電の展望列車「きらら」で貴船と蔵馬を訪ねるモデルコースをご紹介します。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
~ここから本編が始まります。~
ベストシーズンは、紅葉の秋
下の記事で書いている通り、駐車場が少なく道幅の狭い貴船や鞍馬に、マイカーで乗り付けるのは、自ら進んで渋滞に巻き込まれに行くようなもの。
「京の奥座敷」へは、もっとスマートに行ける方法がある。
そこで、そのまま車中泊もできるコインパーキングから、パーク&ライドでアクセスする「とっておきの貴船・鞍馬攻略法」を紹介しよう。
車中泊と叡山電車で行く、紅葉の貴船と鞍馬

車中泊旅行者にお勧めなのは、「三条京阪」からのスタート
理由は、駅に隣接する素晴らしい車中泊スポットがあるからに他ならない。
トイレと銭湯、さらにレストランや居酒屋まで歩いて行けるうえに、1日最大の料金設定があるので、ここにクルマを停めて貴船と鞍馬を堪能し、そのまま戻って車中泊をすることができる。
なお日帰りなら、叡山電車の出町柳駅にほど近い、「京都市営出町駐車場」がもっとも便利だ。
利用時間は早朝の4時30分~深夜1時までで、全日とも料金は30分/150円、最大料金1250円になっている。
ただし地下駐車場なので、以下のサイズまでの車両しか入れない。
幅:1.90m
高さ:2.30m
長さ:5.00m
最低地上高15cm以上
【ルート概要】
※電車の乗り換え時間は含まず
◆三条京阪(京阪電車 三条駅)
⇓ 京阪電車・約5分
◆出町柳駅(叡山電車に乗り換え)
⇓ 叡山電車・約30分
◆貴船口駅
⇓ 徒歩・約30分
◆貴船神社
⇓ 本殿から奥宮までの観光込みで約60分
◆鞍馬寺西門
⇓ 西門から鞍馬駅までの観光込みで約90分
◆鞍馬駅
⇓ 叡山電車・約30分
◆出町柳駅(京阪電車に乗り換え)
⇓ 京阪電車・約5分
◆三条京阪(京阪電車 三条駅)
モデルルートの所要時間は、単純計算で4時間10分。
これに休憩と昼食、さらに乗り換え時間を加味すると6時間近くは必要で、午前9時に出発しても三条京阪に戻れるのは午後3時になる。
なお写真のイラストマップは、出町柳駅で手に入る。
叡山電車「もみじのトンネル」
市原駅から二ノ瀬駅の間に「もみじのトンネル」ができる紅葉の時期は、展望列車「きらら」への乗車がお勧めだ。
普通列車と料金は同じだが、窓側からパノラマで景色が楽しめる。
詳しくは叡山電車のオフィシャルサイトを参照。
さて、ここからは散策コースのガイドとアドバイスになる。
貴船口駅から貴船神社
所要時間は徒歩でおよそ30分。
貴船川沿いの一本道を歩く。駅からは市バスも出ているが、途中には紅葉の美しいポイントが点在するので、写真を撮るなら歩くほうがいい。
ちなみにバス停は叡山電車「貴船口駅」を出てすぐのところにあり、貴船までの所要時間は渋滞がなければ5分ほど。
道中のバス停は、料理旅館「栃喜久」と「河鹿」の間の観光バス駐車場にある。
なお貴船口⇔貴船間は停留所以外の場所でも乗降が可能。停留所以外では早目に手を上げて合図しよう。
時刻表は京都市営バスのウェブサイトを参照
貴船神社の見どころ
貴船神社から鞍馬寺
貴船神社に着く少し手前に鞍馬寺の西門があり、そこから「鞍馬山自然科学博物苑」内の未舗装の山道を通って境内に抜けることができる。
ただご覧の「木の根道」は足をくじきやすいので、女性もウォーキングシューズで出かけよう。
貴船から鞍馬寺の奥の院「魔王殿」までは、ひたすら上り道で所要時間は約20分。ただし、そこから先は鞍馬駅まで下り道が続く。
逆から来ることも可能だが、貴船から鞍馬に抜けるほうが精神的には楽だろう。
鞍馬寺の見どころ
なお帰りは鞍馬駅から乗車する。運賃は貴船口と同じだ。
PS
貴船・鞍馬ともに食事処の軒数は少なく、特に紅葉シーズンは混雑することが予想される。平日は日本人が少なくても、最近は外国人が多く土日と混雑具合はさほど変わらない。
そのため、お弁当とお茶を持参されることをお勧めする。