車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、京都の「坂本龍馬ゆかりの地めぐり」のモデルコースをご紹介。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊歴史旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」がまとめた、「一度は訪ねてみたい日本の歴史舞台」を車中泊で旅するためのガイドです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
東山・木屋町、そして伏見に残された「坂本龍馬ゆかりの地」を1泊2日の車中泊で見てまわる。
京都の「坂本龍馬ゆかりの地」めぐり モデルコースガイド

京都市内に残る、主な坂本龍馬ゆかりの地
京都市内に残る坂本龍馬ゆかりの地は、大きく3つのエリアに集中している。
1.東山エリア
中岡慎太郎とともに永眠する「霊山護国神社」と、幕末ミュージアム「霊山歴史館」
2.木屋町・河原町エリア
暗殺されるまで、龍馬が暮らしていた地域。酢屋、近江屋ほか
3.伏見エリア
お龍と出会い、薩長同盟締結直後に伏見奉行所の襲撃を受けた寺田屋ほか
ここでは、それを1泊2日でめぐるモデル・コースをガイドしているのだが、その前に、まずは以下の話をご覧いただきたい。
モデルコースガイドの前提
この旅は「既に坂本龍馬の人生をあらかた知っている」ことが前提になる。
以前に小説か漫画で読んだことがある、あるいは2010年に放送された「龍馬伝」を見たという人なら問題ないが、思いつきで「この機会に坂本龍馬のことが知りたい」というのは時期尚早。
間違いなく途中でめげる(笑)。
なぜなら、坂本龍馬ゆかりの地とは、すなわち「日本の幕末ゆかりの地」を意味しているからだ。
人物であれば、西郷隆盛・桂小五郎・勝海舟、また時代背景では尊皇攘夷や公武合体、さらに京都守護職・新選組に至る、幅広い知識のリンクが必要だ。
とても「にわか仕立て」で間に合うものではない。
だが云い換えれば、それが分かれば分かるほど、この旅は面白い。
なお、この記事は概要を連ねながら、途中途中に関連する記事をリンクしているが、最初はそちらをクリックせずに最後まで目を通していただき、それから気になる記事をご覧いただくほうが、全体像を把握できると思う。
モデル・コースガイド初日
霊山護国神社(龍馬の墓所)
開門8時 入山受付9時
↓ 徒歩5分
霊山歴史館 9時開館
↓ 約2キロ・空いていればクルマで10分ほど
京阪パーキング三条駅前
↓ 徒歩約10分
近江屋
↓ 徒歩約5分
酢屋
↓ 徒歩約1分
坂本龍馬通り
↓ 徒歩約3分
岬神社(土佐稲荷)
↓ 徒歩約1分
土佐藩邸跡
↓ 徒歩10分
錦市場(ランチ)
↓ 徒歩10分
祇園四条
↓ 徒歩10分
祇園白川・花見小路
↓ 徒歩10分
木屋町・先斗町(夕食)
↓ 徒歩20分
京阪パーキング三条駅前
スタートは、龍馬が眠る「霊山護国神社」から
マイカーで朝8時の駐車場到着を目指し、龍馬が眠る「霊山護国神社」に参拝し、隣接する「霊山歴史館」を見学してから、木屋町に戻って界隈に残る遺構を散策する。
理由は次の2つだ。
その時間であれば、霊山護国神社付近のコインパーキングにクルマが停められる。
イチオシは隣接する高台寺の駐車場だ。
100台を収容し、7時から23時までなら1時間600円(以降30分300円)で利用できる。また、高台寺や圓得院の拝観を兼ねると1時間は無料になる。
ちなみに高台寺は、豊臣秀吉の正室・北政所(ねね)が、秀吉の菩提を弔うために建立した臨済宗建仁寺派の寺院で、本人もそこに眠っている。
また高台寺駐車場が満車でも、その下に写真の「下河原モータープール」がある。
なので、よほどのハイシーズンでない限り、ここはマイカーで行っても大丈夫だと思うが、油断は禁物。
必ず朝一番にでかけよう。
いかなる時でも京都を舐めると、とんでもないことになる(笑)。
2つ目の理由はこちら。
龍馬が最期を迎えた「近江屋跡」は、現在「かっぱ寿司」になっており、片隅に石碑と見慣れた写真があるだけ…
つまり行っても、木板の説明が読めるだけで「何もない」。
だが幕末維新ミュージアム「霊山歴史館」では、事件当日そこで何が起きたかを、近江屋の模型とともに知ることができる。
ゆえに筆者は、先にへそこに足を運ぶことを勧めている。
「霊山歴史館」を堪能したら、クルマで移動し「京阪パーキング三条駅前」に入庫しよう。
理由は後述するが、ここは車中泊環境がよく整っているので、できるだけフラットで三条通りから離れた静かな場所を探そう。
時間的には、11時に到着できるくらいでちょうどいい。
そこから近江屋跡までは、徒歩10分ほどで到着できる。
ちなみに近江屋と霊山護国神社の距離は約2キロ。
もし前日から「京阪パーキング三条駅前」に泊まっているなら、行きは「四条」まで京阪電車を利用し、帰りは「霊山歴史館」から歩いて戻るという手もある。
その後は、近江屋からまた三条方面に戻るかたちになるが、木屋町界隈で唯一、建物の中が見学できる「酢屋」を訪ねる。
当時はこの酢屋の二階に、海援隊の京都本部があった。
実は木屋町界隈も、酢屋以外は石碑と案内板程度しか残っていない。
ただコアな龍馬ファンなら、それなりには楽しめる(笑)。
ということで、これにて「東山・木屋町に残る坂本龍馬ゆかりの地めぐり」は終了。
木屋町から河原町の細かな見どころと解説は、以下のサイトにマップとともに詳しく紹介されているが、さすがにマニアックなので当サイトでは割愛させていただくことにする。
もし先を急ぐなら、午後から伏見に移動し、その続きをすることも可能だが、せっかく京都にいるのに、朝から晩まで「龍馬尽くし」では、旅というより「出張」みたいで、さすがに息が詰まると思う(笑)。
午後からは、プチな京都見物
そこでまずは、近くにある「錦市場」を案内しよう。
四条通の一筋北を東西に走る錦小路通の、約400メートルにわたる区間を占める「錦市場」には、およそ130の店舗が立ち並び、まさに京都ならではの食材が並ぶ「和食マルシェ」になっている。
また「錦市場」の中には、京都の家庭料理とされる「おばんざい」を、バイキングのランチで食べられる店もある。
続いて「祇園」。
ここは花見小路だが、今は大挙して訪れる外人さんのおかげで、こういう写真を撮ることすら許されないらしい。
祇園白川は、日が暮れると花街らしさが浮かび上がる。
車中泊地の選択肢はふたつ
さて。
実はこの日の車中泊候補地はふたつある。
ひとつはさきほどクルマを停めた「京阪パーキング三条駅前」だ。
ここは京都に車中泊で来たからには、夜は木屋町か先斗町に繰り出して一杯やりたい… という人にお勧めしたい、とっておきの京都「まちなか」車中泊スポットで、1日最大料金設定と公衆トイレ、さらに歩いて行けるところに銭湯もある。
もうひとつは京都の夜を楽しむより、ゆっくり温泉に入って休みたい人にお勧めの、スーパー銭湯「壬生温泉はなの湯」まで歩いて行けるコインパーキングだ。
モデルコースガイド2日目
【二日目】
BooBooPARK小倉山荘伏見店前
↓ 徒歩1分
寺田屋 9時開館
↓ 徒歩10分
坂本龍馬 避難の材木屋跡
↓ 徒歩10分
薩摩島津伏見屋敷(薩摩藩邸)跡
↓ 徒歩10分
坂本龍馬商店街
↓ 徒歩10分
龍馬とお龍、愛の旅路像
伏見は半日で十分周れる
朝からクルマで伏見に移動し、まずは寺田屋へ。
1866 年(慶応2年)1月24日午前3時頃、用心棒として長州藩が遣わした三吉慎蔵とともに寺田屋にいた坂本龍馬は、伏見奉行所の幕府役人に襲撃される。
その顛末は、以下のページに詳しく記している。
伏見における龍馬めぐりの秘訣は、「龍馬から目を逸らさないこと」だ。
寺田屋の次は、龍馬が逃げ込んだ「材木小屋跡」、さらに担ぎ込まれた「薩摩島津伏見屋敷跡」に足を運んでみるといい。
その後に、お連れがいる人は京都らしいランチを食べれば、十分な満足感と疲労感に満たされるはずだ。
また、おひとり様には斜め前にある「鳥せい」がお勧めだろう。
最後は龍馬通り商店街をちょっと歩き、クルマを駐車したBooBooPARKを少し通り越した「京橋」の下に作られた「龍馬とお龍、愛の旅路像」を見て予定終了。
るるぶやまっぷるなどのガイドブックは、月桂冠大倉記念や城南宮、さらには伏見稲荷や醍醐寺など「地域割りの見どころ」を盛り込んでいる。
午後からはそういう場所に足を運んでもいいのだが、総花的に紹介されても旅行者は迷うだけだ。
ちなみにこちらが、筆者が用意した本気の伏見を含む洛南のガイドになる。
伏見界隈の駐車場事情
最後に寺田屋周辺のコインパーキングを紹介しておこう。
スタート地点に設定した「BooBooPARK小倉山荘伏見店前」には、24時間最大700円で停められて、この見学ルートだと、もっとも無駄なく行動できる。
仮に満車の場合は、「寺田屋」を通り過ぎた少し先にある「KF-Park伏見南浜町」も同じ料金で停められる。
なお、かつて寺田屋には無料の駐車場があったが、今はもうない。
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