スポンサーリンク

上高地スノーウォーキング 準備編 コースガイドと必需品

ネイチャーフィールド
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
クルマ旅専門家・稲垣朝則の主な著書
車中泊の第一人者と呼ばれる稲垣朝則が、これまで執筆してきた書籍・雑誌と出演したTV番組等の紹介です。

冬の上高地でも「備えあれば憂いなし」。

上高地スノートレッキングは釜トンネルからスタートするが、河童橋までは往復約15キロの道のりで、昼食休憩を挟むと、所要時間は6時間ほどになる。

釜トンネルから先は、アイゼンやスノーシューを利用してひたすら歩くことになるが、 トンネル内は乾いており、靴のまま快適に歩くことが可能だ。

出口まではおよそ1.3キロほどだが、延々と緩やかな登りが続くので、最初はゆっくりめにスタートするほうがいい。

スノーシューは写真のようにリュックにぶら下げて行くと安全だ。

ただし、トンネル内は照明が落とされているので真っ暗。ヘッドライトかコンパクトな照明器具の持参をお勧めする。

筆者のイチオシは、1000円ほどで買えるパナソニックのネックライト。釜トンネルで使うだけなら、これで十分だった。

トンネルから先は、大正池まで写真のように除雪されたバス道路を歩く。

最初のカーブを曲がれば、もう焼岳が見えてくるので、天気が良ければさっそくカメラを構えたくなる光景に出会えるだろう。

ただし路面はツルツルに凍結している可能性が高く、おまけに上って下る道のりなので、簡易滑り止めか軽アイゼンがないと危険極まりない。

筆者が使用している簡易滑り止めは、滑りはしないが、耐久性に欠ける感がある。そのため以下のようなゴムタイプのほうが良さそうだ。

こちらは軽アイゼン。写真はスノーピーク社のトレックシックスという製品で、雪がくっつかないスノーシャット付きで1セット2000円ほどで手に入る。

特にこの日はかなりアイゼンを使う場面が多かった。

大正池の手前で除雪路は終わり、そこからはたっぷりと雪の積った道をスノーシューで歩く。

ただ数日間雪が降らず、踏み固められた道が残っていれば、アイゼンだけで辿ることも可能だ。まあこればっかりはお天気次第。行って見なければわからない。

大正池と焼岳。

大正池から河童橋までは自然探勝路を歩くが、トイレは大正池と小梨平に冬でも利用できるところがある。

道標はこんな感じで埋もれる寸前… もし、吹雪で何も見えない状況に置かれたら、上高地でも道に迷い遭難する可能性は十分にある。

なので多少は食糧と飲み水を持参しておく方が安心だ。もちろん、河童橋の店やホテルは営業していない。

吹雪の日の田代池。ここは晴れた日よりも雪のほうが似合う。

田代橋から見る穂高連峰。ここまでくれば、河童橋はもう近い。

そして、無事に目的地の河童橋に到着。

さて。当然だが、昼食は持参しなければいけない。

ただしゴミは持ち帰りになるので、器のかさばるコンビニ弁当などは不適切だ。

おにぎりやパンと、お腹が減ればスグに食べられるエネルギー補給食品などがここでは役立つ。特に、ゼリーは喉の渇きも癒してくれるので重宝する。

人が少ないこの時期の上高地は、動物観察には絶好のチャンス。

双眼鏡があればアカゲラやゴジュウガラ、ヒガラなどの山の鳥と、梓川で捕食するカワガラスの姿などを見ることができる。運が良ければ本土リスやカモシカにも出逢えるだろう。

最後に…

このようにお天気が良ければ、山の経験がさほどなくても楽しめる上高地だが、冒頭にも書いたとおり、天候が崩れれば状況が一変し、危険ゾーンに早代わりしてしまう。

きちんとした装備と知識があっても、100%安全という保証がないのが冬山だが、明らかにそれは無謀…と思えるスタイルでの入山は、事故に会いやすいだけではなく、今後もそういう人々がどんどん上高地にやってくるのではないか…という不安感を、警察や警備隊の人々に与えてしまう。

例えば、真昼にもかかわらず周囲に足跡のないこのテントの主は、中で凍えているのか、このテントをベースキャンプにして、さらに奥まで進んだのか、それとも寒さのあまり町まで逃げ戻ったのか… いくら自己責任といっても、こういう疑心と不安を他人に与える行為を肯定する気にはなれない。

釜トンネルも、実は昨年まではちゃんとトンネル内を明るく照らしていた。

しかし、一説ではヘッドライトも持参しないような人は、「ここでは論外」ということで、灯りが消されるようになったという。

それついては、さすがに賛同しかねるが、意図は十分汲み取れる。 

Ps

2016年2月、3度目となる上高地スノー・トレッキングを楽しんできた。

その時の様子は「上高地スノー・トレッキング パーフェクトガイド」として、「ドット・ヒャッケイ」というアウトドアのウェブ媒体に寄稿している。

タイトルとURLをコピーしました