この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「東京湾フェリー」の魅力は、渋滞を避けて「いいとこ取り」ができるだけじゃない。
東京湾フェリーと東京湾アクアラインの使い分け【目次】
1.東京湾フェリーの航路

出典:東京湾フェリー
「東京湾フェリー」は、神奈川県の横須賀市久里浜と、千葉県富津市金谷を結ぶ貨客フェリーで、東京湾の入口にあたる浦賀水道を横断し、三浦半島と房総半島を約40分で結んでいる。
2.東京湾フェリーの魅力
マップを見れば一目瞭然だが、「東京湾フェリー」は渋滞する首都圏を避けて房総半島に渡れる最短経路。
まさに「渡りに船」って奴ですな(笑)。
ただ歴史が好きな旅人にとって、「東京湾フェリー」が就航する浦賀水道は、それとは別の「付加価値」を秘めている。
幕末の1853年7月、江戸を守る海の要とされてきた浦賀水道に、米国のペリー提督率いる4隻の軍艦が出現した。
後に「黒船来航」と呼ばれるこの出来事は、その後の開国から明治維新にいたる歴史転換の、まさに「導火線」とも呼べる事件で、吉田松陰や佐久間象山などの知識人に加え、多数の武士や庶民も見物に訪れたという。
さすがに陸地の景観は違うだろうが、170年ほど前にペリーが見た浦賀の景色を、今でも同じように洋上から眺められるというのは、ちょっと心がトキメク話なのでは。
この話に興味がある人は、横須賀の記事にもう少し詳しい内容を記載しているので、あわせてどうぞ。特に坂本龍馬のファンは必見かと(笑)。
3.東京湾フェリーの料金と便数
2021年3月時点の料金は以下の通り。
軽自動車(4メートル未満):片道3200円
普通車(6メートル未満):片道4100円
中型車(7メートル未満):片道6500円
同乗者片道:大人800円
便数は1日14便で、乗船時間は約40分。6時台から19時台まで、ほぼ1時間に1本の割合で往復している。
乗船される時の最新情報は、以下のオフィシャルサイトで確認を。
東京湾フェリー オフィシャルサイト
4.東京湾フェリーと東京湾アクアラインの使い分け

出典:東京湾フェリー
さて、興味があるのはここからだろう。
関西・東海方面から関東地方をクルマで旅する場合、房総半島に行く人の大半が「東京湾フェリー」か「東京湾アクアライン」を利用すると思うが、その使い分けの決め手は「横浜」をどうするか… になる。
「横須賀」は久里浜港から10キロほどしか離れていないので、仮に三浦半島を一周しても、さほど重荷にはならないが、さすがに「横浜」まで行ってしまうと、もう戻る気にはなれない(笑)。
まして初めての関東旅なら、知名度の高い「横浜」「横須賀」をスルーするのはもったいなく思え、筆者も「横須賀」から「横浜」を経由し、「東京湾アクアライン」の途中にある「海ほたる」で車中泊をした。
「海ほたる」は、首都圏ではナンバーワンといえる車中泊スポットだ。
ただし「横浜」と「横須賀」に予習なしで行くと、たぶん”雲をつかむような思いをすると思う。
ゆえに行くからには、このくらいの情報を事前に用意してから望みたい。
ただ、そういうことは面倒で、北海道のような自然のほうが好きという旅人が、都会を避けて一気に房総半島に渡ってしまうのは、悪くないというよりむしろ「正解」。
フェリーが到着する金谷の裏手には、房総半島随一の絶景を誇る「鋸山」がある。
ちなみに、この写真のAuto-Packerのロゴの下にある断崖絶壁に、上の写真の「地獄のぞき」がある。
それにしても、よくこんなところに手摺をつけたものだね~(笑)。
さらに、房総半島ナンバーワンの呼び声高い「道の駅 保田小学校」もすぐそこだ。
5.「東京湾フェリー・久里浜港」のアクセスマップ
湘南&三浦半島 車中泊旅行ガイド
房総半島 車中泊旅行ガイド


車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門

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