この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 こもち」は、伊香保温泉にいちばん近い道の駅
「道の駅 こもち」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第16回
登録日/2000年8月18日
開駅日/2001年4月21日
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2011.10.27
2021.05.15
2022.06.23
道の駅 こもち【目次】
「道の駅 こもち」のロケーション
「道の駅 こもち」は群馬県渋川市にある国道17号の道の駅で、伊香保温泉街から約16キロ・20分ほどのところにある。
伊香保温泉めぐりの際の車中泊スポットとしては、5分違いのところに温泉併設の「道の駅 よしおか温泉」もある。
翌日に伊香保温泉に行く人には「道の駅 よしおか温泉」がお勧めだが、伊香保温泉からの帰りで、もう温泉は済ませてきたという人には、隣にローソンがある「道の駅 こもち」のほうが居心地は良さそうだ。
「道の駅 こもち」は、2000年(平成12年)に旧子持村によって登録され、まちの駅(白井宿の駅)にもなっている。
多少古めかしさは感じるものの、宿場町の情緒が残る落ち着いた道の駅だ。
「道の駅 こもち」の施設
まず「道の駅 こもち」の特筆すべきところは、駐車場の広さだろう。
マップの通り、駐車場は3ヶ所に別れており、24時間利用可能な駐車場は、普通車用の第1駐車場と、大型車対象の第2駐車場で、第3駐車場は営業中の9時~19時までの利用となっている。
第1駐車場は一方通行になっており、普通車も最初は面食らうが、大型トラックは侵入しづらく、まず夜間でもここには駐めに来ない。
路面には多少傾斜はあるものの、車中泊に支障はない。
ただ横長のレイアウトなので、場所によってはトイレがずいぶん遠くなる。
ベストスポットはトイレに近いこのあたりだが、クルマが背中合わせに停まるため、ツメツメ感は免れない。
気になるトイレは、ウォシュレットに改修されている。
道の駅の模範になりそうな情報コーナー。
かつてはこれが「当たり前」だったが、近頃は「こうでないのが当たり前」みたいな道の駅が多いだけに、その「真面目さ」が逆に新鮮に思える(笑)。
ただ共用になった休憩室は、昔ながらのお座敷付きで、アールのかかったベンチは当時の流行だったのかも。
そもそもこのレイアウトで休憩しろと云われて、落ち着けると思う?(笑)。
持て余しているのなら、ここはいっそ、このフェリーのようにコンセントを配したモバイルスペースにしてやれば、バンライフを自称する若者たちが、喜んで宣伝してくれるに違いない。
電気代はその宣伝費に比べたら「屁」みたいなものだと思うし、炊飯器やドライヤーに使われるのが嫌なら、上限を100Wにしてしまえばパソコンくらいしか使えなくなる(笑)。
さて。
その代わりと云ってはなんだが、休憩スペースは屋外にも用意されており、虫の出ないいい季節なら、調理をしなければここで食事をしても問題はない。
しかも屋根付きというのは、この猛暑のご時世にはすこぶるありがたい。
近くにはちゃんと可燃物のゴミが置かれている。
「道の駅 こもち」は、トイレの前にも可燃物のゴミ箱が置いてある。
歩いて行ける隣に24時間営業のローソンがあるので、これもありがたい。
もう一軒の伊香保温泉の車中泊スポットといえる「道の駅 よしおか温泉」が、24時間利用できる可燃物のゴミ箱を撤去してしまっただけに、ロングランで群馬県をまわりたい旅人にとって、このありがたさはひとしおだ。
さらに敷地の中には水場もある。
「道の駅 こもち」の売店は19時まで営業しており、店内には特産品のこんにゃくがたくさん並んでいた。
ただ群馬県渋川市と云えば、全国的には「水沢うどん」が有名だ。
「水沢うどん」は登録商標なので、どこでも置けるわけではないのだろうが、ご当地で目立たないのはさすがにちょっと寂しく感じた。
もっとも地元の人は、高級品なのであまり食べないのかもしれない。
かわりにリーズナブルな「おっきりこみ」が並んでいた。
「道の駅 こもち」の売店は、近隣地域に住む人たちを対象にした品揃えのようだ。
「おっきりこみ」は、「ほうとう」あるいは「きしめん」に似た幅広の麺を、野菜やきのこなどとともに煮込む上州の家庭料理で、麺の太さや野菜の種類、さらに味付けに細かい決まりはないという。
なお上州豚のモチモチかつ丼890円が人気という食事処「食創庵」は、丼ものと麺類中心で、食事の営業時間は11時~19時、ラストオーダーは18時30分(12月~3月の間は17時30分)になる。
「道の駅 こもち」の車中泊好適度チェック!
【プロの寸評】
残念に感じたのは、伊香保温泉に最寄りである利点があまり活かせていない点だ。
「道の駅 こもち」は基本がしっかりしているので、オープン後20年を経ている施設に少し手を加えれば、遠方からの車中泊旅行者に人気の道の駅に化ける可能性は大いにあると思う。敷地も広く、リニューアルが楽しみだ。
道の駅 こもち オフィシャルサイト
金島温泉 富貴の湯
※道の駅から約4.5キロ。
なお最寄りだった「白井温泉こもちの湯」は2021年3月で閉館
☎0279-23-0001
大人400円(2時間)1時間延長ごとに100円追加
10時~21:30分(受付最終21時)季節によって変動
毎月15日定休
コンビニ
隣にローソンがある
スーパーマーケット
「ベイシア渋川こもち店」まで約0.7キロ