【2023年1月更新】
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、本州と九州を結ぶ8つのフェリー航路と、その概要です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
本州ー九州間を運行しているフェリーの航路は8つある。
筆者の九州歴訪記録
※記録が残る2008年以降の訪問回数です。
2009年05月
2010年05月
2011年04月
2013年02月
2013年10月
2014年01月
2015年01月
2016年12月
2017年05月
2017年12月
2019年02月
2020年12月
2021年02月
2021年12月
2022年06月
2023年01月
※九州での現地調査は2023年1月が最新になります。
本州と九州を結ぶフェリー航路
この情報には幾つかのまとめ方があると思うが、ここでは「旅行プランを練る」という観点に立ち、九州の到着地を基軸に編集している。
なお、記載している運行時間・運賃(金額は全て片道)は、2023年1月現在のものなので、ご覧になられた時の最新情報は、リンクしている各フェリー会社の公式サイトでご確認を。
1.北九州(福岡県)
関門海峡を挟んだ門司と下関、天神と中洲の屋台でお馴染みの博多、さらにイカで有名な呼子などが最初のお目当てという人にお勧めのエリア。
またここは目の前にある関門橋で本州に戻り、下関や秋吉台、あるいは萩といった山口県の名所を巡る際にも便利な場所だ。
<東京~新門司>
オーシャン東九フェリー
東京(有明)〜徳島(寄港)〜北九州(新門司)間を運行。
●上り便(東京港→新門司港)
東京19時30分発(日・祝日は18時)、新門司5時35分着(日曜日は6時30分着)
●下り便(新門司港→東京港)
新門司19時発(日・祝日は18時)、東京5時30分着(日曜日は6時着)
往復とも2泊3日の行程で、所要時間は32時間。なお休航日があるので、ホームページで確認要。
5メートル未満の車両運賃47,380円、旅客運賃20,030円、2名個室のルームチャージ15,000円。夫婦で利用すると合計82,410円になる。
※個室は1部屋あたりの料金(ルームチャージ制)で、個室料金のみでは利用できず2等洋室運賃・自動車航送運賃が別途必要。
※自走との費用比較は以下のページで。
<横須賀~新門司>
東京九州フェリー
神奈川(横須賀)〜北九州(新門司)間を運行。
●上り便(横須賀港→新門司港)
東京23時45分発、新門司23時55分着
●下り便(新門司港→横須賀港)
新門司21時発、東京20時45分着
所要時間は21時間。ただしいずれも日曜・祝日は運休。
5メートル未満の車両運賃40,000円、旅客運賃12,000円、2名個室のルームチャージ30,000円(ステートA)。夫婦で利用すると、合計82,000円になる。
※個室は1部屋あたりの料金(ルームチャージ制)で、個室料金のみでは利用できず旅客運賃・自動車航送運賃が別途必要。
料金はいずれも繁忙期を除く期間Aのもの。
<大阪~新門司>
名門太平洋フェリー
大阪南港〜北九州(新門司)間を1日2便が運行。
1便:大阪17時発、北九州5時30分着
2便:大阪19時50分発、北九州8時30分着
所要時間12時間30分。
なお2便は18時過ぎから乗船できる。
4m以上~5m未満の車両運賃24,930 円、旅客運賃 7,630円(エコノミー)、
1等(ファーストA)は14,140円。夫婦で利用すると、合計46,290円。
<大阪・神戸~新門司>
阪九フェリー
①泉大津航路(泉大津港~新門司港)、②神戸航路(六甲アイランド~新門司港)の2つの航路を運航。
①泉大津航路
泉大津17時30分発、新門司6時着
所要時間12時間30分
4m以上~5m未満の車両運賃24,090 円、旅客運賃 7,220円
1等室は14,560円。夫婦で利用すると、合計45,990円
②神戸航路
六甲アイランド18時30分(金・土は20時)発、新門司7時(金・土は8時30分)着
所要時間12時間30分
※運賃は同上
2.別府・大分
源泉数・温泉湧出量ともに国内ナンバーワンを誇る別府温泉と、若い女性に高い人気を誇る湯布院、さらに「やまなみハイウェイ」で九重高原から阿蘇へといたる九州屈指の景観を誇る観光エリア。
東九州自動車道の延伸で宮崎方面へのアクセスも向上している。
<大阪~別府・神戸~大分>
フェリーさんふらわ
大阪~別府
大阪南港〜別府国際観光港を運行。
日曜日~木曜日:大阪19時05分発、別府6時55分着
金曜日・土曜日:大阪19時55分発、別府7時45分着
所要時間11時間50分。
4m以上~6m未満の車両運賃 41,130円、旅客運賃 17,510円(いずれもA期間・スタンダード2名部屋利用時)。夫婦で利用すると、合計58,640円
神戸~大分
神戸港(六甲アイランド)〜大分港間を運行。
日曜日~木曜日:神戸19時発、大分6時20分着
金曜日・土曜日:神戸19時50分発、大分7時20分着
所要時間11時間20分。
4m以上~6m未満の車両運賃 40,130円、旅客運賃 16,510円(いずれもA期間・スタンダード2名部屋利用時)。夫婦で利用すると、合計56,640円
舟遊®割引
「舟遊®割引」を利用すると、太平洋航路(大阪↔志布志航路)と瀬戸内海航路(神戸↔大分もしくは大阪↔別府航路)にそれぞれ片道ずつ乗船しても、割引料金が適用される。
<徳山~竹田(国東半島)>
スオーナダフェリー
徳山港-竹田津港を、1日5往復(所要時間2時間)。
便 | 徳山 発 | 竹田津 着 |
1 | 02:00 | 04:00 |
2 | 07:20 | 09:20 |
3 | 12:00 | 14:00 |
4 | 16:40 | 18:40 |
5 | 21:20 | 23:20 |
5m未満の車両運賃 13,950円、旅客運賃 3,150円(燃料油価格変動調整金分を加算)。夫婦で利用すると、合計17,100円
ただしスオーナダフェリーは、けしてコスパがいいというわけではない。
自走との違いを調べてみると、陸路で徳山港から竹田津港まで走る場合、途中で高速道路を利用して235キロ・休憩なしで約3時間15分。
高速料金は平日の昼間で普通車は、4,960円(ETC休日割引3,360円)になる。
仮に燃費をリッター10キロ、ガソリン160円/リットルで試算した場合、燃料費は¥3,760円で、ETC割引なしの場合は全部で8,720円.
ひとりでもフェリー料金の6割ほどで収まる。もちろん夫婦であれば、フェリーはますます割高だ。
運転による疲労が軽減されるとはいえ、それを考えると、山陽地方の観光との兼ね合いがポイントになる。
筆者のお勧めは、呉・宮島・岩国だが、それでも現地で1泊2日は見ておきたい。
3.志布志(鹿児島)
志布志港は霧島温泉郷と指宿温泉、西郷隆盛や篤姫を育んだ薩摩藩ゆかりの史跡と桜島など、南九州の観光スポットのすぐ近くに直行できる貴重な港だ。
屋久島や沖縄などの離島にフェリーで渡る際にも便利。
<大阪>
フェリーさんふらわ
大阪南港〜志布志間を運行。
日曜日~金曜日:大阪17時55分発、志布志8時55分着
土曜日:大阪19時50分発、志布志9時40分着
日曜日:大阪17時発、志布志8時55分着
所要時間約15時間。
4m以上~6m未満の車両運賃 53,270円、旅客運賃 18,030円(いずれもA期間・スーペリアエキストラ利用時)。夫婦で利用すると、合計71,300円
別府・大分航路で前述した「舟遊®割引」の利用が可能。
4.宮崎
プロ野球のジャイアンツやソフトバンクがキャンプを行う日南や、霧島温泉方面をめぐる際に便利な航路。
<神戸>
宮崎カーフェリー
神戸(三宮)〜宮崎間を運行。
月曜日~土曜日:神戸19時10分発、宮崎8時40分着
日曜日:神戸18時発、宮崎8時40分着
所要時間13時間30分(平日)。
5m未満の車両運賃 30,250円、旅客運賃 22,000円(ファーストツイン利用時)。夫婦で利用すると、合計63,250円。