車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年4月現在の「長者原園地」の車中泊に関する情報です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
現在の「長者原(ちょうじゃばる)園地」の無料駐車場は、車中泊OK!
「長者原園地」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.05.03
2010.05.01
2013.02.12
2013.10.24
2017.05.04
2020.12.27
2022.06.17
※「長者原園地」での現地調査は2022年6月が最新となります。
長者原園地【目次】
「長者原園地」のロケーション
通称「やまなみハイウェイ」の名前で親しまれている「大分県道・熊本県道11号(別府一の宮線)」は、「日本百名道」のひとつで、湯布院に近い「水分峠」から熊本県にある阿蘇神社の「一の宮」に至る、全長約50キロの観光道路だ。
その「やまなみハイウェイ」で一番人気の場所と云えるのが、この長い直線道路で有名な、飯田高原にある「長者原」だろう。
標高約1000メートル地点にある「長者原園地」は、くじゅう連山の登山口として整備されており、ビジターセンターと温泉が併設するレストハウスがある。
「長者原園地」における、これまでの車中泊の歴史
施設の話に進む前に…
「長者原園地」では、一時期「車中泊禁止」の措置まで取られた、駐車場での車中泊の経緯について触れておきたい。
筆者が初めて「長者原園地」を訪れたのは、2009年のゴールデンウィークだったが、その時にはもうすでに「車中泊禁止」の看板は立てられていた。
にもかかわらず、これほどの数のクルマが朝から「長者原園地」の駐車場には停まっており、半数近くは車中泊をしていたように見えた。
2009年といえば「第一次車中泊ブーム」の最中で、標高約1000メートル地点にある「長者原園地」の無料駐車場は、長期滞在もできる格好の”別荘地”に見えたのだろう。
また、当時は今ほど車中泊に対する世間の目も厳しくはなかった。
それから月日が流れ、2022年に訪ねた時は、禁止している内容を記した看板が、こちらに変わっていた。
そもそも、この駐車場で看板に書かれた数々の悪事を働いてきたのは、「車中泊」なんて言葉も知らない、団塊の世代のまだ10歳ほど上の人たちが主だ。
中にはその悪い”伝統”を受け継いだ団塊の世代もいたと思うが、今はそのほとんどが既に80歳を超えており、キャンピングカーで出かけることも難しい年齢に達している。
であれば、もうその「とばっちり」を、マナーを学習した世代にまで食らわせる必要はないという判断は、実に正しく賢明だと思う(笑)。
この看板の通り、現在の「長者原園地」で禁止されているのはオートキャンプであって、「車中泊」ではない。
すなわちひとつ上の看板内容に抵触しなければ、ここでの車中泊は可能になったということだ。
そして、それは筆者の唱える「車中泊の定義」と合致しており、15年の歳月を経て、長者原に正しい認識を持つ人が現れたことは、このうえなく喜ばしい。
「長者原園地」の施設
「長者原園地」には、3ヶ所の無料駐車場があり、路面はどこも平坦で特に車中泊には支障がない。
トイレに近いAの駐車場。
前にこの看板があるのは、昔はここが長期滞在者の巣窟だった名残かも(笑)。
近年改修された感のあるトイレは、ウォシュレットこそないものの、洋式ですこぶるキレイだ。
ただ園地に近いので、日中は出入りも多く騒がしそうな気もした。
いっぽうこちらは、一番広いCの駐車場。
トイレや食事処から遠く、休憩に使うにはいまひとつ不便だが、見晴らしがよく開放感に満ちている。
ここに車中泊旅行者が多いのは、そのせいもあるだろう(笑)。
筆者が「旅の宿」としての車中泊場所にお勧めするのは、ビジターセンター前のあるBの駐車場だ。
Aと同様に24時間使えるきれいなトイレがあり、食事と入浴ができる「長者原ヘルスセンター」にも近い。
またこの駐車場は「くじゅうの山群」に通じる登山道と隣接しており、夜明けから山へと向かう人達も車中泊でやってくる。
そのため長期滞在者はここを避けているようなので、変に勘違いされる心配はない。
ただビジターセンターの営業時間中は、見学者のために駐車場を空けるようにしよう。到着が早い時は、BかCの駐車場に駐め、閉館後に移動してくるといい。
長者原ビジターセンター
入館料 無料
営業時間 9時 ~ 17時
(11月~4月 16時閉館)
休館日 12月29日 ~ 1月3日
なお、長者原から「道の駅小国」「道の駅ゆふいん」、そして「道の駅阿蘇」の3つの道の駅までは、いずれも40分ほどで行くことができる。
それを考えると、アウトドアに興味のない人が、なにも不便な長者原にこだわる必要はない。
このあたりは標高が高く、どこでも夜は涼しくなる。
「長者原園地」の最寄りの温泉&周辺買物施設
長者原ヘルスセンター
☎0973-79-2244
おとな500円
11時~17時30分
不定休
長者原には他にも温泉があり、ゆっくりドライブやハイキングの疲れを癒やすなら、この「九重星生ホテル 山恵の湯」に勝るところはないと思う。
コンビニ・スーパーマーケット
「食品スーパー 高原ショップ 小野」が約5.3キロのところにある。