「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。
人気の洞窟温泉を湯守りしているのは、旅館福元屋
日帰りで行きたい人のために、まずは情報を正しく整理しよう。
「壁湯温泉」とは「九重“夢”温泉郷」の中の「法泉寺温泉エリア」にある温泉地のひとつで、湯めぐりをする人向けには、実質的に有名な洞窟温泉を湯守りしている、町田川沿いの一軒宿「旅館福元屋」を指している。
つまり簡単に云えば、「壁湯温泉」イコール「旅館福元屋」なのだが、「壁湯温泉」には、そのほかに共同温泉がひとつ存在する。
しかし、この共同温泉は「旅館福元屋」の隣に位置しており、地理的には同じと考えていい。
共同温泉の浴室はひとつしかなく、半洞窟・半露天というユニークな造りになっている。つまりは混浴(笑)で、料金は200円。36℃ほどの温泉は、岩の隙間から自然湧出している。利用者の大半は地元の人だろう。
さて。お目当ての「洞窟温泉」に入湯するには、最初に温泉とは反対方向にある「旅館福元屋」で、金300円也を支払う必要がある。
それから来た方向に引き返し、20メートルほど進むと、この景色が見えてくる。
ここから先の話は、どの紹介サイトにも書かれているし、一番詳しいのは動画つきの福元屋のホームページだ(笑)。
それに補足するとすれば、湯殿は思っているより深く、長湯するには腰のすわりがいい場所を探す必要があるが、人が多いとなかなかそうはいかない。ちなみに福元屋では2時間入浴することを推奨している(笑)。
体温ほどのぬる湯だが、本気で入るならペットボトルくらいは持参したほうが良いと思う。
筆者が訪ねた日は、東京から来たという常連ぽいおじさんが、中でワインを飲んで酔っ払っていたが、運が悪いとそういう人と一緒になる。
こういう人気の温泉は、日にちと時間帯をよく選んでから行こう。
【営業時間】9:00~21:00 不定休
【料金】 おとな300円
【泉質】 弱アルカリ性単純泉 pH7.9
【問い合わせ】0973-78-8754
なお日帰り客は、道路挟んだ斜め前にある公共駐車場を利用する。