この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
高知県の攻略ルートは、4つに分けて考えるべし。
難攻不落の高知県を「一筋縄」で周るには
日本には、効率よく主だった見どころを周ることが難しい都道府県がいくつもあるが、その中でも高知県は際立って旅がしづらいところだと思う。
そこで、まずは高知県の旅路を4つのルートに分け、それぞれの攻略法をマップとともに紹介しよう。
高知県の観光ルートは4つあるが、基本は①の「足摺岬周回ルート」になる。
それに②③④のルートを、AとBの「連絡ルート」つないで辿りながら走れば、ほぼ「一筋縄」の高知県一周が完成する。
ただし四国には驚くような「酷道」もあって、なかなか思うようには進めず、踏破には1周間近くかかると思う。
なお、この話は「四国」ではなく「高知県」だけ(笑)。
ゆえに西日本在住の旅行者には、できれば③と④を別の機会に旅されることをお勧めしておこう。
ここで問題になるのが、「高知タウン」とも呼ばれる高知市内だ。
さて、ここからは各ルートの概要になる。
高知県の攻略ルート 目次
① 足摺岬周回ルート
高知市内から太平洋沿いに足摺岬を目指し、そこから宿毛まで北上する。
② 四万十川遡上ルート
高知市内から中村に出て、そこから国道441号・381号で四万十川沿いを遡上する。簡単に云うと、①の帰路の「寄り道ルート」になる。
③ 仁淀川・四国カルストルート
高知市内から仁淀川を並走し、梼原から四国カルストに進む。そのまま愛媛県に抜けてしまうほうが面白い。
④ 室戸岬周回ルート
高知市内から太平洋沿いに室戸岬を目指し、そのまま徳島県を北上する。
① 足摺岬周回ルート
高知城から、ミシュラン・グリーンガイド・ジャパンで★★の評価を得た足摺岬までの距離は、途中の「四万十町中央インター」まで高知自動車道を利用して約150キロ、時間にすると単純計算で3時間だが、実際は4時間近くはかかる。
しかも、おおかたの予想に反して、このコースの最大の見どころは「足摺岬」ではなく「竜串海岸とその一帯」だ。
② 四万十川遡上ルート
ただし道中はカーブが多く、けして走行しやすくはない。中高年や女性は疲労が蓄積しやすいので、休憩は多めにとるほうがいい。
さらに「道の駅よって西土佐」からは国道381号に進み、そのまま四万十川に沿って走れば、最後は海岸線を走る国道56号に戻って来られる。
足摺岬から高知市内方面に戻る人は、帰路にこのコースを走るとロスがないので、筆者は「①足摺岬周回ルート」との組み合わせを推奨している。
③ 仁淀川・四国カルストルート
④ 室戸岬周回ルート
高知城から室戸岬までは、約80キロ・2時間。高速道路はなく、主に国道55号で太平洋沿岸を走ることになる。
途中の見どころは、安芸市にある「モネの庭」。
フランスの印象派を代表する画家・クロード・モネが暮らしたジヴェルニーにある「モネの庭」を、現地顧問の指導を受け、北川村の自然の中に再現している。
他には坂本龍馬の盟友で、のちに三菱財閥を創業する「岩崎弥太郎」と、龍馬とともに京都の近江屋で暗殺された「中岡慎太郎」の生家があるのだが、こちらは歴史に興味がなければ、あえて行く必要はないだろう。
弘法大師ゆかりの地として知られ、世界ジオパークにも認定された室戸岬。先端部は断崖絶壁ではなく、岩礁が散らばる海岸になっている。
弘法大師が「空海」の悟りを得た御厨人窟(みくろど)。一時期、落石により立ち入り禁止となっていたが、2019年4月に解禁されている。