この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
コインシャワーとお風呂がある「多賀サービスエリア・下り線京都方面行き」は、北陸、名古屋方面から京都観光に訪れる人の前泊地にお勧め
多賀サービスエリア【目次】
「多賀サービスエリア」のロケーション
名神高速の「多賀サービスエリア」は、国宝指定された井伊家の名城が残る滋賀県の「彦根インター」から、西に7キロほど進んだところにある。
「京都東インター」まではまだ約60キロ、45分ほどはかかるのだが、東方から来る車中泊の旅人には、ここを京都観光の前泊地としてお勧めしたいワケがある。
「多賀サービスエリア・下り線(京都方面行き)」の施設
多賀サービスエリアの下り線には、現在の「EXPASA」になる以前の1984年から「レストイン多賀」があり、東名高速道路の「足柄サービスエリア」に次ぐ宿泊・入浴施設を持つサービスエリアとして、多くのドライバーに親しまれてきた。
「レストイン多賀」には大浴場があり、現在も営業している。
【入浴のみ1時間未満】大人550円
【休憩込み】大人850円
12時~翌朝10時
またそれとは別に、EXPASAの一画にもコインシャワーとコインランドリーがある。
コインシャワー
200円/9分
24時間(清掃時間:6~8時 ※清掃15分前より受付休止)
コインランドリー
洗濯機200円/1回 ・乾燥機100円/30分
24時間
さてここで、たびたび登場する「EXPASA」について説明しよう。
EXPASAとは
「EXPASA」は、NEXCO中日本がサービスエリアに展開する商業施設のこと。
サービスエリアが積極的に利用したくなる施設になることを目的に、デパ地下や駅ナカにあるようなテナント(飲食店等)を多数取り入れている。
ネーミングは、現在のSA・PAの概念を超えるという意味を込めたEXCEED・EXCELSIOR(語源が外へ、超越等)の「EX」と、パーキングエリアの「PA」、サービスエリアの「SA」を組合せた造語だ。
多賀SAで一際目を引くのは、単独出店している「(京都)王将」だ。
関西人ならご承知の通り、王将には「大阪王将」と「京都王将=餃子の王将」があり、餃子が本当においしいのは、この「京都王将」と云われている。
たしかに評判通り餃子はおいしく、ランチのボリュームも満点。おまけに25時(ラストオーダー24時30分)まで営業しているのもありがたい。
ただし困ったことに、この店にはビールが置いてなかった!
ゆえに車中泊には、餃子のテイクアウトがお勧めだ(笑)。
こちらはフードコートだが、「CoCo壱番屋」があるのは珍しい。
さらに、大阪の人気たこ焼き店「道頓堀くくる」のテイクアウト店もある。
加えて、「吉野家」じゃないみたいな「吉野家」も(笑)。
そのうえコンビニの「ファミリーマート」まで揃っており、リーズナブルに車中泊をしたい旅人には、まさにうってつけの環境になっている。
そんな多賀サービスエリアの難点は、夜間は大型トラックの巣窟になること。
大型車用のレーンが少ないからとはいえ、さすがにこれは許されない。しかも、ほぼ全ての車両が春夏秋冬にかかわらず、一晩中エンジンをかけたまま寝る。
エンジンが切れないのは、たしか「冷凍車」だけじゃないのかな。
NEXCO中日本には、少なくともこの足利SAのようにポールを立てて、トラックが普通車の区域に侵入できないようにしていただきたい。
なお新名神高速道路で来る人は、「多賀サービスエリア」よりも京都寄りで合流するため利用できない。
ただ現在は「大津サービスエリア」にシャワーとコインランドリーの施設ができており、以前からシャワーステーションがある「草津パーキングエリア」よりも新しいし、休憩室も充実しているのでお勧めだ。
ちなみに「多賀サービスエリア」には、上下線ともに高速道路ではなく一般道からアクセスできる「ぷらっとパーク」が用意されているが、下り線の駐車場は写真で分かるほどの傾斜があり、車中泊には適していない。
幸いにも約2キロ、クルマで5分ほどのところに「道の駅せせらぎの里こうら」があるので、そちらの利用がお勧めだ。
多賀SA下り線 オフィシャルサイト
「多賀サービスエリア・上り線(名古屋方面行き)」の施設
仕事柄、筆者は日本全国の主要な高速道路を走ることが多いのだが、そのたびに首都圏と地方のサービスエリアの違いに驚かされる。
それは京阪神に近い名神高速道路といえども同じで、シャワーとお風呂が用意された「多賀サービスエリア」と「大津サービスエリア」があるとはいえ、それは下り(京都方面)線だけの話で、上り線側は未だEXPASAに改装されていない昔のままだ。
いくら陸橋で通じているとはいえ、EXPASAとの違いは大きい。
とはいえ、駐車場はフラットで車中泊に支障があるわけではない。
フードコートはいたってオーソドックスで、こっちのほうが馴染める中高年も少なくないと思う(笑)。
「多賀サービスエリア」の上り線では、中でも外でも「いきなりステーキ」が幅を利かせているが、若者にはこちらのほうが嬉しいのだろう。
ちなみにこちらは、「多賀サービスエリア」の上り線側に設けられた「ぷらっとパーク」だが、普通車は3台ほどしか駐められない。
下り線側と同様で、車中泊に適しているとは思えなかった。
多賀SA上り線 オフィシャルサイト