この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 三矢の里あきたかた」は、戦国時代の武将・毛利元就ゆかりの道の駅
「道の駅 三矢の里あきたかた」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第52回
登録日/2020年3月13日
開駅日/2020年6月1日
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2022.04.26
道の駅 三矢の里あきたかた【目次】
「道の駅 三矢の里あきたかた」のロケーション
道の駅がある安芸高田市は、戦国時代に中国地方を支配した毛利元就が、その生涯を通じて活動の拠点とした場所で、「吉田郡山城」を筆頭に、市内の各所に毛利氏ゆかりの史跡が残る。
ただ平坦でカーブが少なく、走りやすい山陽自動車道ができて以降は、中国地方を訪れる車中泊旅行者にとって、上のマップの中ほどに位置する安芸高田は縁遠い場所になった。
近くに中国自動車道が走っているとはいえ、山間部を縫うように走る古びた高速道路を通って、山口県の秋吉台や下関を目指す人は稀だと思う。
実は筆者も、前々から行きたいと思ってきた「吉田郡山城」に行き着くまでには、ずいぶん長い時間を要している。
その理由は瀬戸内沿いの山陽地方と、日本海沿いの山陰地方に、見どころが多く揃っているからに他ならない。
ご承知の方も多いと思うが、筆者のホームページのコンテンツには、「歴史舞台めぐり」という太い柱があり、「お城」はその重要な構成要素だ。
しかも「吉田郡山城」は日本100名城にその名を連ねる本格的な山城だけに、いつまでも外したままでは置けなかった。
「吉田郡山城」の駐車場から約4キロのところにある「道の駅 三矢の里あきたかた」は、そんな筆者の背中を押してくれるために誕生したような道の駅だ(笑)。
ここからは少し余談になるが、
元就亡き後も毛利家は躍進を続け、孫の輝元の時代には、本拠地を交通の便が開けた広島城に移している。
しかし関ヶ原の戦いの後、輝元は家康から濡れ衣のような仕打ちを受けて失脚させられ、嫡男の秀就が左遷先の山口県萩市に城を築いて、長州藩の初代藩主となった。
その絡みから、元就は長州藩の始祖としても位置づけられている。
そしてこの時に深く刻みこまれた、「徳川」に対する「毛利」の怨念が炸裂するのは、それから約260年後の明治維新。
舞台は下関から京都・江戸、そして会津若松へと北上していく。
とまあ、こんな感じで歴史舞台を辿っていけば、車中泊の旅も行き先が広がり、新たなルートが開けてくる(笑)。
筆者にとっての道の駅は、その旅を続けていくうえでの「旅の宿」あって、旅の目的地ではない。
「道の駅 三矢の里あきたかた」の施設
「道の駅 三矢の里あきたかた」は、広島市と三次市を結ぶ国道54号線沿いに、2020年6月にオープンした、まだ真新しさが残る道の駅だ。
この「休憩情報発信棟」を見れば、「道の駅 三矢の里あきたかた」が「毛利元就で有名な安芸高田市の玄関」という明快なコンセプトを持って、県外から訪れる観光客を迎えていることがよく分かる。
駐車場はフラットで車中泊に支障がない。
筆者のハイエースの前にある建物が24時間トイレで、このあたりが中高年には車中泊のベストスポットといえるだろう。
もちろんトイレはウォシュレット完備。
しかしトイレ棟は、ちょっとゴージャスすぎる気もした。
最近はNEXCOの影響を受けて、トイレに不必要と思えるほどお金をかけている道の駅を見かけるが、筆者のように40年以上も税金を収めてきた世代の目には、それがいいことのようには映るまい(笑)。
それはさておき、「道の駅 三矢の里あきたかた」は大型車の駐車場所をかなり離れた場所にセッティングしてくれているので、夜間の静寂性が高かった。
このあたりは多少は「車中泊」を意識してくれているのかもしれない。
ただ可燃物のゴミ箱は「休憩情報発信棟」の中にあり、営業時間外は利用できない。
さて。
もうひとつ「道の駅 三矢の里あきたかた」には、いい意味で気になった点がある。
それは物販飲食の施設が、「休憩情報発信棟」と離れたところにあることだ。
もともと直売所だった施設を、後に手を加えて道の駅に登録した経緯を持つのなら分かるが、ここはそうではない。
ということは、利用者のニーズに応じた「棲み分け」を、設計当初から想定していた可能性が高い。
それを不便と感じる人もあると思うが、道の駅を「旅の宿」と割り切っている人は、そもそも売店や食事処にさして関心があるわけではなく、朝から搬入でガヤガヤされるより、こうして離れた場所に駐められる方がありがたいはずだ。
季節柄、野菜売り場には多種の山菜が並んでおり、都会の広島市内から訪れる客を喜ばせていた。
店の一画には生鮮食品も置かれているので、旅人にはこういう品が狙い目だろう。
「道の駅 三矢の里あきたかた」の車中泊好適度チェック!
【プロの寸評】
道の駅としては申し分ないのだが、ここは唯一、近場に温泉もお風呂も見当たらない。そのため、到着前に入浴を済ませてから行くほうがいい。
道の駅 三矢の里あきたかた オフィシャルサイト
「道の駅 三矢の里あきたかた」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
天然ラドン温泉 岩戸屋
道の駅から約15キロ・20分
☎0826-54-0888
おとな700円
10時~21時30分(受付最終21時)・第3水曜・木曜定休
コンビニ
ローソンまで約400メートル。
スーパーマーケット
約1.8キロのところに「藤三 吉田店」がある。
「道の駅 三矢の里あきたかた」のアクセスマップ
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