車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年9月現在の「道の駅 伊勢本街道 御杖」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 伊勢本街道 御杖」は、ススキと夕陽で有名な曽爾高原から30分ほどのところにある、温泉が併設している道の駅。
道の駅 伊勢本街道 御杖(みつえ) DATA
道の駅 伊勢本街道 御杖
〒633-1301
奈良県宇陀郡御杖村神末6325
☎0745-95-2641
●農産物直売所
10時~17時
※買い物1,000円ごとに「姫石の湯」の100円入浴割引券が1枚もらえる。
●姫石の湯(ひめしのゆ)
☎0745-95-2641
おとな800円
11時~20時(受付最終19時30分)
火曜定休
「道の駅 伊勢本街道 御杖」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第20回
登録日/2004年8月9日
「道の駅 伊勢本街道 御杖」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2021.02.13
2021.10.22
2023.09.23
※「道の駅 伊勢本街道 御杖」での現地調査は2023年9月が最新になります。
道の駅 伊勢本街道 御杖
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「道の駅 伊勢本街道 御杖」のロケーション
「道の駅 伊勢本街道 御杖」は、奈良県の橿原市と三重県の松阪市を結ぶ、国道369号の道の駅だが、”スタンプラリー”をしている人と、近畿在住の”車中泊・熱中症患者”以外で、この道の駅の車中泊事情が気になるのは、ススキのシーズンに「曽爾高原」に行ってみたいと思う人だけだと思う(笑)。
上のマップの通り、「曽爾高原」は大阪と名古屋方面のどちらからも、比較的アクセスしやすい場所にあり、確かに10月中旬から11月初旬には、晴れれば近畿とは思えない、スケールの大きな自然の景観を見ることができる。
だが見終わった後は、想像よりも大変だ。
「道の駅 伊勢本街道 御杖」は、日帰り温泉「姫石の湯(ひめしのゆ)・火曜定休」を併設しているが、営業時間が20時(受付最終19時30分)というのがネックになる。
10月中旬の「曽爾高原」の日没は17時30分前後。日没と同時に曽爾高原を後にしても、受付終了まで2時間しかない。
しかも道路マップで見ると近そうに見えるが、道がないため約21キロ、クルマで30分近くはかかる。
それでも「曽爾高原」から「野口駐車場」までの移動時間と、「野口駐車場」から「道の駅 伊勢本街道御杖」までの移動時間を合わせても、1時間まではかからないと思うので、間に合わなくはないだろう。
以下の記事には、そのあたりのことも含めて、他の曽爾高原紹介サイトには書かれていない、車中泊旅行者に向けた情報を記しているので、行かれる方はぜひ合わせて参考にしていただきたい。
「道の駅 伊勢本街道 御杖」の施設
「道の駅 伊勢本街道 御杖」の駐車場は、L字型にレイアウトされている。
こちらがメインにあたる❶の駐車場だが、写真の右から左に向かって、全体的になだらかな下りの傾斜がある。
それに対して、フラットなうえに24時間トイレにも近いのが❷だ。
車中泊にはここがベストだが、”常連”さんはそのことをよく知っている(笑)。
24時間トイレは、写真のすぐ右の自動販売機の奥にあるが、男女別の個室にウォシュレットはなく、多目的トイレにのみ用意されている。
「道の駅 伊勢本街道 御杖」の農産物直売所は、土曜日の14時過ぎでこの状態。
さすがに明らかに品薄に思えた。開店時間が10時というのも珍しい。
食事処は道の駅の駅舎にはなく、「姫石の湯」に併設の「レストラン山桜」が、2023年4月から休業しているため、館内のセルフコーナーを利用するが、メニューを見る限り庶民的で悪くはない。
なお「姫石の湯」の横側にテイクアウトの店がある。
最後は休憩スペースについてだが、駅舎の中にはなく、屋外に用意されている。
屋根付きでいいのだが、喫煙所を兼ねているため、かなりタバコ臭い(笑)。
今や都会では、”あり得ないシチュエーション”だった。
総じて云うと
「道の駅 伊勢本街道 御杖」は「道の駅」と云うより、”車中泊もできる日帰り温泉施設”といった感じ。
最低限のサービスレベルをクリアしているとはいえ、”温泉に入ってもらってナンボ”という、指定管理業者の腹のうちが露骨に伝わってくるようで、「道の駅」本来が持つ「道路利用者のための休憩施設」であるという意識は、あまり感じられなかった。
ホームページは立派なんだけどね(笑)。
「道の駅 伊勢本街道 御杖」の車中泊好適度
「道の駅 伊勢本街道 御杖」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:24時間トイレの自販機横に設置。
ここはライダーもよく利用する道の駅だけに、可燃物のゴミ箱を置いてあげると喜ばれると思うのだが…
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 伊勢本街道 御杖」の温泉&買い物施設
姫石の湯(ひめしのゆ)
☎0745-95-2641
おとな800円
11時~20時(受付最終19時30分)
火曜定休
コンビニ
ファミリーマートまで約10キロ。
スーパーマーケット
「JAみえなか スーパーみすぎ」まで約10キロ。
「道の駅 伊勢本街道 御杖」のアクセスマップ
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番外編/「道の駅 美杉」の車中泊事情
番外編として、「道の駅 伊勢本街道 御杖」から約10キロ・15分のところにある、「道の駅 美杉」についても言及しておこう。
「美杉」の名の通り、大半を山林に覆われた山深いこの地には、室町時代に伊勢の国を治めていた北畠氏が、その地形を活かして霧山城を築城し、3000戸を超える城下町が広がっていたという。
現在は津市に合併されているが、その約3割の面積を占めるという旧美杉村の山林は健在で、道の駅の売店には、木材を使った商品がふんだんに揃っていた。
「道の駅 美杉」の駐車場は、全体的に駅舎から緩やかな下り坂になっている。車中泊に困難をきたすほどではないにしても、横向きなので回避はできない。
24時間トイレは駅舎から独立していて、一番駐車場寄りに位置している。
ただ残念ながら、中にはウォシュレットは用意されていない。
〒515-3312
三重県津市美杉町上多気267
☎059-275-0399
9時~17時・年中無休
普通車59台
「道の駅 美杉」の前を通る国道368号は、かつては「伊勢本街道」と呼ばれ、江戸時代には200万人の人々の往来があったとも聞くが、険しい峠道がいくつもあり、道中は山賊に襲われる危険もあったようだ。
その難所ぶりは、ご覧の通り(笑)。
ゆえに国道368号を通って、これ以上東に進むのは勧めない。
奈良方面から来ると「道の駅 美杉」まではスムーズに走れるが、そこから「道の駅 茶倉」までの間は、ほとんど対向できない”酷道”が10キロ以上続く。
ただ、その南をほぼ並行して通る国道166号は、広くて走りやすい道なので、通るなら多少大回りでも、そちらのほうが時間的にも早いし安全だ。
また国道166号にも、日帰り温泉が併設する「道の駅 飯高駅」がある。