このサイトでは、既に車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、20年以上の歳月をかけて培ってきた、オリジナルの車中泊ノウハウとそのアイデアを紹介しています。

10リットルタンクだから、常に清潔が保てる。
8ナンバーのキャンピングカーには、給水用と排水用のウォーター・タンクの搭載が義務付けられている。
食材や食器などを洗った後の汚水を溜めておく排水タンクは、グレータンクとも呼ばれており、一度は耳にしたことがある人も多いと思う。
キャブコンの場合は、70~100リットルサイズのタンクが設置されており、排水するのは自宅かオートキャンプ場のダンプステーションを利用するのがマナーだが、バンコンは8ナンバーの規定ぎりぎりの10リットルタンクを積んでいる場合がほとんどで、ハンドキャリーできるため、残飯が混じっていなければキャンプ場の炊事棟で処分できる。
だが、実際は臭いや汚れの心配から「使用していない」人が多いとも聞く。
しかし、筆者の考え方は逆だ。
10リットルタンクだからこそ使いやすいというスタンスに立ち、長期の旅ではシンクを大いに活用している。ただし、グレータンクの汚れを最小限に食い止めるために、幾つかの工夫は施している。
具体的には、洗い物は水だけで洗剤は使わない。
鍋や食器などの油汚れはキッチンペーパーで拭きとるようにしている。
またグレータンクに腐りやすい野菜の切れ端などが混じらないよう、ザルとボールを重ねてシンクに置いた上で洗い物をし、水だけをタンクに流している。
さらにグレータンクには、中がカビたり滑らないよう、事前に少量の水にハイターなどの漂白剤を混ぜている。
それでも旅の途中では、週に一度くらいの割合でキャンプ場で必ず洗う。
さらに帰宅後は、満タンに入れた水に漂白剤を加えて半日程度置いておき、除菌・除臭をしっかり行っている。
5年経った現在でも、グレータンクを違和感なく使うことができているのは、そういった細かなケアのおかげだろう。
いっぽう、給水タンク(上水用)の水は、飲料や料理には使っていない。
飲料水はイオン系全国チェーンスーパーの「マックスバリュー」のアルカリイオン水専用容器に入れて保管し、無くなればそこか、天然の湧き水、あるいはキャンプ場で給水している。
最後に。
タンクは使わないのでクルマから降ろし、そのスペースを物入れにしている人を時々見かけるが、タンクがないと車検は通らないので、くれぐれも紛失されないよう気をつけて。
というか… 厳密には、外すと8ナンバーのままでは公道を走れない(笑)。