車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 奈良井 木曽の大橋」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド

この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 奈良井 木曽の大橋」は、マイカーで「奈良井宿」を訪れる人の無料駐車場を兼ねた道の駅

道の駅 奈良井 木曽の大橋 DATA
道の駅 奈良井 木曽の大橋
※公式サイトなし
〒〒399-6303
長野県塩尻市奈良井1346-3
☎0263-52-0280
営業時間
9時~17時・水曜定休
「道の駅 奈良井 木曽の大橋」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第1回
登録日/1993年4月22日
2011年7月リニューアル
奈良井駅の近くに駐車場と休憩施設が増設され、同時に国道からのアクセス道路が整備された。
「道の駅 奈良井 木曽の大橋」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.07.21
2013.09.22
2015.04.13
2020.10.31
2022.11.22
2024.07.21
※「道の駅 奈良井 木曽の大橋」での現地調査は2024年7月が直近になります。
道の駅 奈良井 木曽の大橋

「道の駅 奈良井 木曽の大橋」の
最寄りの温泉&周辺買い物施設
「道の駅 奈良井 木曽の大橋」のロケーション

ロケーションの話は、ここからわずか3.7キロしか離れていない、「道の駅 木曽ならかわ」と重複するが、「木曽の大橋」の前を通る国道19号は、いわゆる「木曽路」と呼ばれる、岐阜県・恵那市から長野県・塩尻市にかけての「旧中山道」をトレースしている主要幹線道路だ。

道中には「馬籠宿」「妻籠宿」を筆頭に、かつての宿場町が点在しているが、「奈良井宿」は長野県側の終点となる「塩尻」にもっとも近い場所にあるうえに、後ほど詳しく紹介する通り、江戸時代の風情がしっかりと残されている。
そのため、岐阜県から「木曽路」を北上して奈良井宿を歩き終えた後、最後にここで車中泊をしたいと思う人は少なくない。
確かに「奈良井宿」まで歩いて行けるところに建つ「道の駅 奈良井 木曽の大橋」は観光に便利で、そのうえ標高約900メートルの高地にあるので夏は涼しい。
ただ残念なことに、近くに日帰り入浴施設がないため、汗をかく季節の車中泊に適しているとは云い難い。

いっぽう、2022年に大きなリニューアルを受けたばかりの「道の駅 木曽ならかわ」は、垢抜けした「木曽くらしの工芸館」で、400年の伝統を誇る木曽漆器の展示販売と地元農産物の直売が行われており、信州でもっとも施設が充実している道の駅のひとつに挙げられる。
そのため道の駅に泊まり慣れた旅人には、簡素な「道の駅 奈良井 木曽の大橋」より、はるかに興味をそそられることだろう。
普通なら、”こんな近くに2件も道の駅は要らない”と一刀両断に切り捨てたいところだが(笑)、両者には誰の目にも明白な違いが分かる「存在理由」と「一長一短」があるので、両方見てから自分に合う方を選んでいただければいいと思う。
なお、本来ならここで「奈良川宿」の紹介を入れるところだが、そうすると道の駅の紹介がずっと後回しになってしまうので、先にその話をしよう。
昔の「道の駅 奈良井 木曽の大橋」

「道の駅 奈良井 木曽の大橋」は、1993年4月22日に行われた、道の駅の第一回登録時に認可された、全国にある103件の”日本で最初の道の駅”のひとつだ。

上の案内板のレイアウト図を見れば分かるが、当時は道の駅の駐車場が奈良井川を挟んだ国道19号沿いにしかなく、大半の観光客はそこから徒歩で「木曽の大橋」を渡って公園を横切り、「奈良井宿」にアクセスしていた。

つまりかつては、この橋脚を持たない総檜作りの太鼓橋が道の駅のシンボルで、「道の駅 奈良井 木曽の大橋」の名前の由来にもなっていたわけだ。

実はこの橋は裏側がかっこいい(笑)。

ただ昔からクルマで奈良井川を渡る道はあったので、ベテランの車中泊旅行者は、公園の端にあった駐車場を利用していた。

ここはペットを連れて散歩をするのに適していて、トイレはイマイチだったが、それなりに車中泊がしやすい道の駅だった。

だが現在の「道の駅 奈良井 木曽の大橋」は、この橋を通ることはないし、それどころか探さなければ、あることに気がつくことすらない。
当時は売店など商業施設がまったくなかったうえに、「木曽の大橋」が冬季閉鎖になるため、その間は対岸にあるトイレや奈良井宿まで、道の駅の駐車場から行くことができず、国道または堤防等で奈良井川を迂回する必要があった。

それゆえに2011年に大規模なリニューアルが行われ、この現在の姿に変貌しているのだが、本当はこの時に名前も「道の駅 奈良井宿」にすれば良かった。
ここまでお見せしたのは、リニューアル以前の様子がわかる貴重な記録で、長くこういう世界に携わっていると、意図せぬところで役に立つ日もやってくる(笑)。
いずれにしても、
この前提なしに、Google検索の上位に並ぶ、「木曽の大橋」の話をメインした道の駅の紹介サイトを見た人が、現地で違和感を覚えるのは当然だろう。
現在の「道の駅 奈良井 木曽の大橋」

「道の駅 奈良井 木曽の大橋」には公式サイトすらないため、航空写真で道の駅のレイアウトを紹介すると、Aが現在の乗用車用の駐車場で、Bが24時間トイレのある大型車用駐車場、そしてCがかつての道の駅の駐車場になる。

したがって、大半の人が車中泊に利用しているのはこのAになる。
路面はフラットで車中泊に支障はないが、24時間トイレまで遠いのが難点だ。

24時間トイレと情報コーナーは、B駐車場の中に建っているこの建物の中にある。

ただトイレにウォシュレットはなかった。

ただ近年になって、奈良井川の向かいに昔からあるC駐車場に、真新しいトイレが新設されている。

そしてこちらは中に、ウォシュレットも完備している。

国道に面しているので騒々しいとはいえ、駐車場からも近く、グリーンシーズンにはこちらの駐車場のほうが、車中泊に適している人もいるだろう。

さて。
問題は売店とレストランだが、正式な道の駅の施設としてはリニューアル後も無いままだが、Bにある駅舎と道を挟んだ「奈良井宿」側に、「奈良井宿市場」という店舗ができており、お土産品や五平餅、おやき等を販売していて、実質的には道の駅の売店の役割を担っている。

店内の雰囲気はそれなりだが、品揃えは可もなく不可もない(笑)。

晴れた日は、入口のテイクアウトショップ前がカフェテラスのようになる。

その裏側にある地下道で線路をくぐれば、「奈良井宿」の通りに出られる。

すぐ隣にある「カフェ深山」。

ここは3日間かけて作る「100年前のライスカレー」が好評のようだ。
ここで改めて「奈良井宿」の紹介を入れたいと思う。

なぜなら筆者は、「道の駅」を車中泊で日本各地をめぐる際の、”旅の宿”と割り切っている。
ゆえに「奈良井宿」がどんなところで、”行く価値ありかどうか”は、道の駅の車中泊好適度より優先順位の上にランクされる。
奈良井宿の概要と見どころ

「奈良井宿」は木曽路にある11の宿場町のひとつで、「馬籠宿」「妻籠宿」、あるいは「木曽福島」に比べると知名度は低いかもしれない。
だが国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された古い町屋が、約1キロにわたって続く”日本最長の宿場町”の景色は壮観だ。
難所の鳥居峠が控えていることから、江戸時代には多くの旅人で賑わい、「奈良井千軒」と呼ばれていたのも頷ける。

そんな「奈良井宿」には、6つの「水場」が残されている。
江戸時代にここで、中山道を行き交う旅人が喉の渇きを潤していたかと思うと感慨ひとしおだが、それだけでなくこの水場は、「奈良井宿」で暮らす人々が野菜を洗うなどして、生活の場としても活用していた。
インバウンドのリピーターもそうだが、旅慣れた人は”いかにも用意された観光地”より、そこに暮らす人々の「息遣い」が感じられるところのほうが楽しい。

その意味では、この「鍵の手」も同じ類の見どころになる。
「鍵の手」は城下町によくある「枡形」と同じ構造で、宿場内に道をクランクさせた場所を作り、敵の直進と見通しを防ぐ防衛機能のひとつだ。
参勤交代でお殿様が利用した宿場には、あっても不思議なものではないと思うが、他ではあまり目にしない。

それはさておき、
もちろん現在の「奈良井宿」は、往時のイメージを損なわないよう配慮された、観光ストリートとして整備されており、食事や買い物も楽しめる。

食べ物でユニークだったのは「五平餅」。

一般的に知られている「五平餅」は楕円形をした串付きのものだが、奈良井宿では丸くて平たいかたちをしたものが多く、「駒屋」ではふき味噌、エゴマ、黒ごまの3種類セットを300円で販売している。

また記念に蕎麦をご希望の人には、その丸くて平たい「五平餅」と、喉越しのいい「九割蕎麦」が食べられる「相模屋」という店もある。

筆者はここで新そばをいただいたが、雑味のない「さらしな」のそば粉を使い、手打ちの技が伝わる、細切りでよく冷えた麺にいたく感激。
さすがは信州という思いを強くした。
少し余談になるが、
Google検索では、ややもすれば”こういう話は要らないから、道の駅の車中泊事情だけが知りたい”人向けの、あらかさまな広告収入狙いの拙いブログや動画が上位に登場してくるのだが、筆者はそれが「車中泊」そのものの品位を貶めている原因のひとつだと思っている。
というのは、筆者は旅の宿泊手段として車中泊をしている。
車中泊スポットを「旅の宿」と呼んでいるのはそのためだが、それゆえ道の駅の情報には「ロケーション」を盛り込み、その道の駅が「旅の宿」としての要件を満たしていない場合は、個別記事を書いていない。
だが「道の駅のことしか書いていないサイト」の情報発信者は、「車中泊」がしたいがために旅に出ている。
ゆえに「トイレ」と「食堂・売店」のことには詳しく触れるが、周囲の観光情報は眼中にないわけだ。
しかし「国土交通省(道の駅)」が、「そういう車中泊=宿泊目的」を歓迎してはいないのは、もはや周知の事実。ゆえにそれを大々的にPRされたら、しかめっ面にもなるわけだ(笑)。
おかげで今は、目的を問わずに「車中泊」を容認してくれる「オートキャンプ場」や「RVパーク」のような施設が、彼らの車中泊の最適地とされている。
しかし「国土交通省(道の駅)」は、旅が目的でその途中に日が暮れて道の駅で車中泊をするのは、長距離輸送トラックと同じ「仮眠」の範疇とみなし、容認している。
たしかに見かけでは両者の区別はつかないかもしれないが、記事にしてネットで情報発信すれば、そのスタンスがどちらであるかは一目瞭然だ。
「道の駅 奈良井 木曽の大橋」の車中泊好適度
「道の駅 奈良井 木曽の大橋」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:不明
「道の駅 奈良井 木曽の大橋」 最寄りの温泉&周辺買物施設
10キロ圏内には日帰り入浴施設は見当たらない。最寄りと思われるのは約21キロ・25分のところにある
みはらしの湯
☎0265-76-8760
おとな600円
営業時間:10時~21時(受付最終20時)
第1・第3・第5火曜 定休
コンビニ
セブンイレブンが約5キロのところにある
スーパーマーケット
「スーパーマーケットまると」まで約7キロ
「道の駅 奈良井 木曽の大橋」のアクセスマップ
長野県の道の駅
車中泊好適度チェック!

日本全国の道の駅
車中泊好適度チェック!

































