この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
一般的に云う「層雲峡」は、黒岳の麓にある温泉街と渓谷の総称
層雲峡の観光&車中泊事情【目次】
層雲峡の概要
「層雲峡」は旭川から道東方面に通じる大雪国道沿いにあり、富良野・美瑛を観光した後、サロマ湖や屈斜路湖方面に移動する途中の宿泊地として、クルマ旅でもお勧めしたい「宿場」だ。
「層雲峡」には、大型ホテルが立ち並ぶモダンな温泉街と、黒岳に通じるロープウェイ、そして名前の由来となった渓谷を結ぶ遊歩道が整備されており、手軽に大雪山麓の自然とふれあえる温泉地として昔から人気があり、ここを宿泊地にする観光ツアーは今でも多い。
層雲峡の主な見どころ
本来の層雲峡は、アイヌ語でソウウンベツ(滝の多い川の意)と呼ばれてきた、石狩川を挟んで約24kmの断崖絶壁が続く峡谷のこと。
とりわけ「大函・小函」と呼ばれる一帯は、峡谷美が最も素晴らしい場所といわれ、写真のような柱状節理の断崖を間近に見ることができる。
ちなみに、漢字で「層雲峡」と名付けたのは詩人の大町桂月で、北海道各地を旅行し、その魅力を1921年(大正10年)に紀行文で紹介した。
大函(おおばこ)
層雲峡温泉より北見方面へ約6キロ、新大函トンネルを過ぎるとすぐ左手に大函への入口がある。
駐車場:約50台(無料)
銀河の滝・流星の滝
落差90mの流星の滝は、水量の多い勇壮な滝で、別名「雄滝」とも呼ばれている。
いっぽう銀河の滝は、高さ120mから幾重にも分かれて落ちてくる女性的な滝で、雌滝と呼ばれている。
2つの滝は、あわせて「日本の滝100選」に選ばれているが、駐車場から両方の滝を同時に見ることはできない。
双瀑台
キャニオンモール 層雲峡温泉街
大雪山の一大観光拠点で、温泉旅館の他に、広い駐車場と宿泊施設やレストラン、そして無料の足湯と日帰り温泉「黒岳の湯」、さらには黒岳の7合目まで運んでくれるロープウェイ&リフト乗り場と、層雲峡ビジターセンターがある。
グルメスポット 登山軒(旭川ラーメン)
「登山軒」は、大雪山がまだ国立公園に指定される前の昭和5年(1930年)に、黒岳の登山口前で観光客や常連の登山者のために開いた食堂が始まりという老舗のラーメン店。
層雲峡の車中泊事情
層雲峡には、温泉街と双瀑台にトイレを併設する無料駐車場があるほか、すぐ近くに低料金で利用できる層雲峡オートキャンプ場がある。
ゆえに温泉と名瀑を観光するなら前者、黒岳登山や自転車で周辺をサイクリングするなら後者と、目的に応じた使い方をすることが可能だ。
温泉は「黒岳の湯」のほかに、日帰り入浴を受け付けている旅館・ホテルもある。
時には「温泉博士」や北海道のローカル紙「Ho」などに無料クーポン券が掲載されることもあるようだ。
ここでの問題は「食料の調達」。付近にはかろうじてセイコマートとセブンイレブンがあるだけで、スーパーはない。
キャンプ場を利用するなら、生鮮食品はあらかじめ用意していこう。なお、食事処はキャニオンモールに数軒あるが、閉店時間は早い。