この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

秋吉台・秋芳洞の概要と車中泊事情
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.05.09
2011.04.25
2011.12.23
2022.04.25
秋吉台&秋芳洞 車中泊旅行ガイド【目次】
秋吉台&秋芳洞のロケーション
ちょっと考えれば誰にでもすぐに分かることだが、地名を見ているだけでは、なかなかそのことに気づかない。
秋吉台は、地上と地下が楽しめる日本屈指の「カルスト地形」
カルスト地形とは、石灰岩のように水に溶けやすい岩石の大地が、雨水や地下水などによって侵食されてできた地形で、鍾乳洞などを含む総称として使われる。
秋吉台はその両面を併せ持つ典型的なところで、学術的価値も高い。
つまり2次元で説明すると「両者は同じ緯度経度」、3次元になると「秋芳洞は広大な秋吉台の一部分」ということになる。
秋吉台を「ハイキングコース」として紹介しているガイドブックは多い。
だがそれは、バスツアーや公共交通機関で訪れる観光客を意識したものだ。
現実は、このような単調な景色を長時間見て歩くのは苦痛でしかない。当時の筆者たちは、まだウブで若かった(笑)。
グルコサミンが気になる中高年車中泊旅行者には、もっといい楽しみ方がある。
秋吉台では、ドライブと展望台からの眺望がお勧め
あまりにも広すぎる秋吉台では、100メートルも1キロも同じようなもの(笑)。
すなわち北の大地と同じく、そのサイズスペックは「徒歩」ではなく、「ドライブ」にマッチしている。
クルマがある車中泊旅行者は、遠慮なく「カルストロード」の車窓から、そのスケールを体感しよう。
そして仕上げに、この「秋吉台カルスト展望台」に行けばいい。隣の「カルスター」では美味しいコーヒーもいただける。
秋芳洞は、徒歩で探検気分を味わうところ
いっぽう秋芳洞が広がっているのは、秋吉台の地下約100メートルの地点で、最大幅は100メートル、最大天井高は30メートル以上に及んでいる。
写真は有名な「黄金柱(こがねばしら)」。
この「百枚皿」こと、リムストーンプールと並ぶ秋芳洞のランドマークだ。
現在確認されている秋芳洞の長さは約10キロだが、歩道と照明が整備され、一般公開できているのはわずか1キロに過ぎない。
それでも見学には40分近い時間を要するので、余裕を持ってでかけよう。
オススメは黒谷支洞
ツアーは正面口から入って「黄金柱」で引き返すことが多いようだが、その先の黒谷支洞にも、見せたい自然の造形美がある。
まさに自然のアートと呼ぶに相応しい「巌窟王」は、幾つもの石筍が組み合わさって偶然生まれた人面岩。
「クラゲの滝登り」は、造形もさることながらネーミングもまたリアル。
このあたりに黒谷支洞の見どころが集中している。
なお、黄金柱の近くに降りられるエレベーター口と、黒谷口には無料の駐車場があるが、初めての人には秋芳洞の手前の1回500円の市営有料駐車場をお勧めする。
秋芳洞までは土産屋筋を歩いて10分ほどかかるが、秋芳洞はこの「正門」から入るほうが、エレベーターで行くよりずっと「ちむどんどん」できる(笑)。
それに道中で、こういうものを見ながら歩くのも、おっちゃんになればまた楽しい。
秋吉台&秋芳洞の車中泊事情と車中泊スポット
さて。
秋吉台と秋芳洞の観光は1日あれば十分だ。時間もさることながら、けっこう歩きまわるので、体力にも考慮すべきだろう。
となると、前日あるいは翌日にどこと抱き合わせるのがベターかを、事前に考えておく必要がある。
お勧めは、風光明媚な日本海側の北長門海岸国定公園との組み合わせ。
北長門はこの「元乃隅神社」だけでなく、東に行けば萩、西に向かえば角島があるストライクゾーンの広い観光地だ。
秋吉台の車中泊スポット
車中泊旅行者に限って云うと、イチオシは温泉を併設している「道の駅おふく」だと思う。
ここからなら国道316号一本で、北長門の仙崎まで行くことができる。
また秋吉台の周辺には、秋芳洞第一駐車場から約5キロ、クルマなら5分ほどで到着できる「道の駅みとう」がある。
「道の駅みとう」は萩に近いだけでなく、「中国自動車道」へのアクセスに長けているので、下関への移動もしゃすい。
筆者は一度ここでも車中泊をしているが、10分程度の到着差なら、ミニバンの場合は現地の温泉館でゆっくり過ごせる「道の駅おふく」のほうがよさそうだ。
最後に。
秋吉台にこだわりたい人には、眺めが素晴らしいうえに、トイレと可燃物用のゴミ箱がある「秋吉台カルスト展望台」の無料駐車場がお勧めだ。
ただ「大自然の中で車中泊がしてみたい」という理由で秋吉台に来るのなら、電源があって野外料理もできる「秋吉台オートキャンプ場」のほうが適している。
ここならどれだけ車外で寛いだってかまわない。
秋吉台・秋芳洞 車中泊旅行ガイド


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