「クルマ旅のプロ」がお届けする、車中泊で訪ねた名湯レポート
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、独自の取材に基づき、全国の温泉地の車中泊事情や温泉情緒、観光、グルメにいたる魅力を再評価し、「車中泊旅行者の目線」から紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

~ここから本編が始まります。~
有馬温泉は行く価値ありの温泉地だが、車中泊地は別にするのが得策。

「有馬温泉」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2006年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.12.04
2014.12.02
2015.12.12
2016.11.25
2026.01.11
※有馬温泉での現地調査は2026年1月が最新です。
有馬温泉の概要と車中泊事情

有馬温泉のロケーション

出典:有馬温泉 角の坊
有名な温泉地だけに、遠方から来られる旅人のために、まずは大まかにそのロケーションを説明しよう。
『関西の奥座敷』と呼ばれ、六甲山の北側に位置する「有馬温泉」は、大阪市内からクルマで1時間足らずのところにある。
具体的なマイカーアクセスルートは、
❶大阪方面から
近畿道 → 中国道 → 西宮山口JCT → 阪神高速7号北神戸線 → 西宮山口南IC → 有馬温泉。
❷神戸・姫路方面から:
中国道 → 西宮北IC → 県道82号線、98号線を経由。または、阪神高速7号北神戸線 → 有馬口IC → 県道51号線を経由。
ここまではカーナビが案内してくれるのでいいとして、渋滞時(特に大型連休)は、芦屋から有馬へ抜ける「芦有ドライブウェイ(有料)」の利用がスムーズで、渋滞回避に有効だ。

ちなみに筆者は中国自動車道・吹田インターの近くに住んでいるが、うちから行く場合は、約30キロの道なりを、中央環状線と国道176号で「宝塚」に出て、そこから「有馬街道」を走っておよそ1時間で行くことができる。
なお高速道路を利用する場合、上記のルートだと高速料金が平日なら3000円(ETC割引だと1350円)になるが、中国自動車道の「西宮北インター」で下車すれば、曜日・時間帯にかかわらず1130円で済む。
10キロほど余計に走るが、平日の高速料金差が大きすぎるのでご注意を。
どうせ有馬温泉をガイドするなら、こういうことを書いてくれると、筆者なら信頼したくなるけどなぁ(笑)。
有馬温泉は何がいいの?

答えはこの「金の湯」だ。
正しくは茶褐色に濁った「金泉」のことで、その理由を知れば、誰もが「なるほど!」となるのは間違いない。
金泉の正体は、約600万年前の太平洋(南海トラフ付近)の海水
「有馬温泉」は、活断層である有馬高槻構造線の西端にあるため、地下深くまで岩盤が割れており、その割れ目を通って温泉水が噴出していることは早くから分かっていた。
つまり「有馬温泉」は、『火山性ではないのに、高温・高濃度の温泉が湧く、日本でも特異な温泉』のひとつだ。
だが近年、放射性同位体の成分分析により、金泉の起源は瀬戸内海ではなく、太平洋(南海トラフ付近)の海水であることがほぼ解明された。

研究によると、フィリピン海プレートが日本列島のあるユーラシアプレートに沈み込む際に海水が巻き込まれる。
その「太古の海水」に強い圧力が加わると、鉱物と結合し岩石の一部に変化する。
その岩石がマントルの熱で熱せられると水蒸気が分離し、実に600万年の時を経て、有馬の地表に出てくるという。
その「金泉」の正式名は「含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉」で、鉄分と塩分を豊富に含み、空気に触れると赤褐色(茶褐色)になる特徴がある。
海水よりも高濃度の塩分が、肌に膜を作ることで保湿を持続させ、鉄分が体を芯から温め、カルシウムイオンやメタケイ酸も豊富で、冷え性、関節痛、皮膚疾患、疲労回復などに効果が期待できるという。
つまり「有馬温泉」は、この特別なお湯を味わってみたい人にお勧めなわけで、極端に云えば『それも知らずに有馬温泉に行ってどうするの?』。
当サイトに足を運んでくれたおかげで、あなたはもう「その他大勢」ではなくなったわけだが(笑)、チコちゃんじゃないが、そんなことも知らず「有馬温泉」にありがたがって訪ねる日本人の多いこと!
『楽しく過ごせる温泉地』がご希望なら、同じ兵庫県にある「城崎温泉」のほうが筆者はいいと思う。
有馬温泉の歴史と概要を簡単に。

有馬温泉は、白浜温泉(和歌山)・道後温泉(愛媛)とともに「日本三古湯」として、「日本書紀」にその名を連ねる「古湯の中の古湯」。
その後も様々な人物が「三名泉」だの「三古泉」だのと書き残しているが、要は昔から有馬のお湯は、皇族・貴族・武士・文化人らに愛され続けてきた。
中でも、とりわけ愛着の深かった人物が「太閤殿下」の豊臣秀吉だが、話が長くなるので、その話は別途以下にまとめておいた。
折しも2026年は、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」が放送される。
大河ドラマで「豊臣秀吉」が大きく取り上げられるのは、1996年放送の「秀吉」以来だけに、有馬温泉も再び脚光を浴びそうだ。

さて。
有馬温泉は六甲山の北側斜面に開けた単一の温泉地で、神戸市営の日帰り温泉「金の湯」・「銀の湯」に浸かり、昼食を食べて、温泉街とその周辺の史跡や名勝をそぞろ歩きすれば、ちょうど半日が終わる。

つまりは、午後から来て温泉宿で1泊し、翌日の昼前に立ち去れば十分満足できる手頃な旅先だ。慰安旅行や卒業旅行、さらに京阪神からの日帰りバスツアーが多いのも頷ける。
ただ、筆者がショートステイを勧める理由はもうひとつある。
温泉地の概要
観光
到着したら、まずは太閤橋の角にある「有馬温泉・観光騒動案内所」に足を運ぶといい。

お目当てはウォーキングマップ。
下のマップには5つのハイキングコースが載っており、終日滞在するなら全部をまわることができる。

筆者のイチオシは、有馬温泉のランドマーク「金の湯」・「銀の湯」を通る「歴史コース」で、距離は約1.5キロ。
日帰りで有馬温泉を楽しみたい人にはちょうどいい。


グルメ・ショッピング


車中泊事情

有馬温泉街の界隈には、無料で車中泊のできる場所はない。そのため、ここでの車中泊は有料のコインパーキングが前提になる。

お勧めは、夕方から神戸(三宮)方面への移動

冒頭に書いたように、有馬温泉は日帰りでも十分に楽しめる温泉地で、車中泊はできるが、けして良好な環境といえるものではない。
湯治に行くのなら話は別だが、温泉旅の見地に立つなら、昼間に有馬温泉を堪能し、夕方には三宮に移動して「大人の夜遊び」を楽しむほうが洒落ている。
有馬温泉からは国道で1時間もかからない。


その「神戸の街」がいちばん華やかに見えるのは、「ルミナリエ」が開催される12月だろう。


また、グリーンシーズンにお勧めなのは淡路島だ。

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