この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

白川郷の城山展望台は、ライトアップの日以外はマイカーアクセスOK!
城山展望台以外にも、荻町城跡展望台、城山天守閣展望台など、幾つか呼び名があるうえに、各社のガイドブックでも記載が統一されていないため、最初は違うところではないのか?と戸惑うかもしれないが、白川郷の集落を見渡せる展望所は、唯一ここしかなく、すべて同じ場所を指している。
そして、白川郷の写真といえば、まずここから撮影されたものと云っても過言ではあるまい。
ちなみに荻町城は、約400年前、室町8代将軍足利義政の命令で信州松代から白川郷へ進出した、内ケ島為氏(うちがしまためうじ)の家臣、山下氏勝の居城であった。
さて、数多ある白川郷の資料を読めば読むほど、「よーわからん!」となるのが、この展望台に上がる方法だ。
要は「展望台へはクルマで行けるのか、行って良いのか悪いのか?」という素朴な疑問である。
答えはイエス。ライトアップの日以外は、マイカーで行ける。
「道の駅 白川郷」から国道156号で荻町方面に進み、「越中西街道」とも呼ばれる国道360号方向に曲がる(上の写真の表示が曲がり角にある。ただし道の駅方面からは「曲がらないと見えない」)。
城山展望台へ行く途中には民宿や食事処があり、一部対向できない場所もあるが、観光バスが通れるのでキャブコンでも心配は要らない。
注意すべきは駐車場だ。
手前のバスが泊まっているのは、私営施設「城山天守閣」の駐車場なので、利用者しか停められない。
しかし、その奥に「無料駐車場」がある。
ここだけが現存する白川郷内唯一の無料駐車場だ。
この情報を知る人はまずリピーターだろう。ただ、もし貴方が筆者と同じ疑問を抱き、検索サイトからこのページに辿り着いたのなら、それはラッキーというよりも、「下調べを頑張った貴方へ筆者が贈るご褒美」だ(笑)。
ただし、ここは「展望台専用の駐車場」として利用しよう。白川郷の観光に使うと長時間駐車になり、他の利用者の迷惑になる。
村営せせらぎ駐車場は、普通車なら1日500円。そのくらいのお金が落とせないなら、旅はしないほうがいい。
ここはあくまでも時間や体力のない人のためのスペースと考えるのが、オトナというものだ。
最後に、徒歩でのアクセスについて。
城山展望台への徒歩ルートは2つある。オーソドックスなのは、集落から展望台に通じる道で、舗装はしてあるが観光客の車両は通行禁止になっている。
写真を見るとわかりやすいと思うが、城山展望台下の左から右にかけて緩やかに下る道が、荻町集落に通じている。
もうひとつはちょっとしたハイキングコースになるのだが、国道156号から「越中西海道」(国道360号)に入ると、城山展望台と書かれた看板が見え、そこから、ほとんど山道に近い遊歩道が展望台まで通じている。
30分ほどの道のりなので、気候の良い日は歩いてみるのも悪くはあるまい。