とことん詳しい!マイカー&車中泊で行く「白川郷ライトアップ」ガイド 

白川郷ライトアップ 世界遺産
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
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2019年から、マイカー旅行者も「完全予約制」に。

白川郷ライトアップ

まずこの記事は、「白川郷のライトアップを一眼レフでばっちり切り取りたい…」という人向けに書いた、マニアック度の高い内容になっている。

道の駅白川郷

縮み上がるほどの寒さの中で、車中泊をしてまで白川郷のライトアップを見に行こうという人は、「そもそも普通じゃない」(笑)。

つまり、それなりにマニアックな話を期待してこのサイトに辿り着かれたと思っているのだが、いずれにしてもその人気ぶりは想像を絶するものがある。

そこで、まずはそれが分かる逸話と、現状を紹介することから始めよう。

マイカー&車中泊で行く「白川郷ライトアップ」ガイド【目次】 

白川郷ライトアップの歴史と変遷

2019年からライトアップの見学は、マイカーも事前予約が必要。また城山展望台へも、予約なしでは行けなくなった。

城山展望台からの撮影における留意点

ムーンライト

ライトアップ当日の「モデル・スケジュール」

車中泊の留意点

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白川郷ライトアップの歴史と変遷

白川郷

白川郷のライトアップは、閑散期の観光客を増やそうと、1987年(昭和62年)に行なわれた「冬の白川郷フォトコンテスト」に端を発する。

このイベントは2001年(平成13年)まで毎年開催され、初回は100人程度でしかなかった来訪者が、1991年(平成3年)に1,000人、1998年(平成10年)には18,000人、2000年(平成12年)には50,000人を超えるまでに至った。

しかし最後は、1回の開催に貸し切りバス250台余りが殺到し、集落の周辺道路は麻痺状態に陥る。

その結果、以降は貸し切りバスの事前予約制を導入し、1回のライトアップにつき予約を40台までに制限してきた。おかげで近年の来場者は、期間中で35,000人前後に落ち着いているようだ。

しかし最近は、インバウンドの増大とともに、レンタカーを含むマイカーでの来場者が激増し、新たな交通障害の火種となってきた。

2019年からライトアップの見学は、マイカーも事前予約が必要。また城山展望台へも、予約なしでは行けなくなった。

白川郷

そのため2019年からライトアップの見学は、すべて事前予約制になっている。

マイカーでも「駐車場利用予約の手続き」が必要となり、予約がなければ入村自体ができなくなるので注意が必要だ。

ちなみに、ライトアップ見学時の駐車場は、通常時に使われる「村営せせらぎ公園駐車場」ではなく、写真の約600台が収容できる「寺尾臨時駐車場」(駐車料金はA (1 – 8名) 3,000円 / B (9 – 12名) 5,000円)。なお、ペットは車外に出すことが禁止されている。

加えて、城山展望台に行くには、駐車料金プラス1000円の「展望台行きのシャトルバスチケット」が必要だ。

それがなければ、徒歩でも展望台には上がれないというから徹底している。混雑防止という名の「大幅値上げ」とも取れなくはない(笑)。

白川郷

「寺尾臨時駐車場」から荻町集落までは、従来と同じシャトルバスによるパーク&ライドになるが、こちらも2018年までとは大きくルールが変わる。

以下は2018年12月に、電話で白川郷観光協会に確認した内容
●「寺尾臨時駐車場」発着のシャトルバスは、「村営せせらぎ公園」間を往復する(以前は「白川診療所前」)。
●城山展望台行きのシャトルバスの発着場所は「和田家」前。
つまり見学の流れは以下の通りになる。
「寺尾臨時駐車場」
↓シャトルバス
「村営せせらぎ公園」
↓荻町集落の中を通って移動
「和田家」前
↓城山展望台行きシャトルバス(事前に予約チケットの購入が必要)
城山展望台
見学後は遊歩道を下って荻町集落へ
「村営せせらぎ公園」
↓シャトルバス
「寺尾臨時駐車場」
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以上を踏まえた上で、本論に進もう。

白川郷ライトアップ

とりあえず、合掌造りが冬空に浮かび上がる様子が見えればOKという人は、見学時間を1時間ほどで切り上げれば、「白川郷の湯」に入って「道の駅 白川郷」で車中泊をするのはたやすい。

だが、風景写真愛好家にコトの難度を高めているのは、1にも2にも午後5時半から7時半まで、わずか2時間しかライトアップが行われないことにある。

白川郷のライトアップ

白川郷のライトアップは約1ヶ月間にわたって週末に行われるため、後になるほど日没が遅くなり、実際のライトアップ撮影時間は「短くなる」。

ちなみに最終回は2月中旬で、岐阜県の日没時間は17時30分頃。

くっきりと闇夜に合掌造りが浮かび上がるまでには、まだゆうに15分以上はかかるはずだ。

つまり目一杯撮影時間が有効なのは、冬至に一番近い1月中旬の「初回」ということになるのだが、その時期はまだ雪が少ない。

城山展望台からの撮影における留意点

白川郷

白川郷の夜景といえば、ハンで押したように「城山展望台」からの光景を目にする。冒頭の夜景もここから撮影した。

しかし展望台の視界が開けた最前線には、せいぜい三脚が10台ほど出せる程度のスペースしかない。

そのためかつては昼過ぎから場所取りをしない限り、ライトアップ開始時にここから夜景を写すことは100%不可能だった。

それが、2016年2月に来てみると…

白川郷

展望台の「城山天守閣」前は凍結すると危険なため、柵まで行けないようロープが張られていた。

しかし雪の部分は傾斜があって地面も凸凹。こうなるともう三脚は使えない。安全面を考慮すると致し方ないのだろう。事実、以前は本当に危険だった。

加えて2017年から、ライトアップ時は「宿泊者専用のスペース」になっているため、日帰りの見学客は入場することができなくなった。

白川郷

現在日帰り客用に開放されているのは、転落防止用にオレンジのバリケードが立てられたこのスペース。「城山天守閣」の集落に向かって右側になる。

ただし2019年からは、ここに行くにも前述した「展望台行きのシャトルバスチケット」が必要。徒歩でも行くことができなくなった。

なお、人の左にある白い看板には、「三脚禁止」の文字が書かれている。この人はそれを無視していたが、夜は監視員が目を光らせているので、おそらく撤収させられると思う(笑)。ゆえに三脚での撮影は最初から諦めたほうが無難だ。

近年のカメラはISO感度を高くしてもさほど画像は荒れず、手持ちでも撮影は十分可能。逆に不安なら、スマホのほうがうまく撮れるかもしれない。

白川郷ライトアップ

こちらは荻町(おぎまち)集落と展望台を結ぶ遊歩道。かつてはここも視界が開けているところは、夕暮れまでにいっぱいになったものだが、2019年からライトアップ時は「下り専用」になっているため、集落からは登れない。

ムーンライト

白川郷ライトアップ ムーンライト

さて。ライトアップの写真をよく見ると、冒頭に載せたブラウン系のものと、このように青白いものの2種類があることに気づくはずだ。それは冬によくある気温の低さが影響したものではない。

白川郷では、ライトアップの終了30分前頃になると、「ムーンライト」と呼ばれるライティングに切り替えられる。

それはまもなく終了という合図なのだが、この時間に展望台の最前列にへばりついているカメラマンは、これを最初から狙っている。だが、このことを事前に知る人はほとんどいない。

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ライトアップ当日の「モデル・スケジュール」

五箇山

夕方までは五箇山を撮る

ライトアップにかかわらず、真昼に合掌づくりをキレイに撮りたい人は、白川郷ではなく富山県側にある五箇山に行くほうがいい。特に相倉集落は山に囲まれ、電線などの邪魔な人工物が少ない。 

相倉集落は白川郷からは国道で約40分ほど、高速を使えば20分ほどの距離にある。

なお、五箇山のライトアップ情報はこちらで。

白川郷

さて。白川郷には遅くても午後4時をめどに到着しよう。

入庫は午後12時からできるが、2時前から荻町集落の前は交通規制が始まり、せせらぎ駐車場にいたクルマは順次、寺尾臨時駐車場へ移動を始める。

2019年からはマイカーも予約制になっているので、満車で停められないことはないと思うが、遅くなれば、混雑することに変わりはないだろう。

なお、駐車場に到着したら車内で軽く腹ごしらえを。こういう時の食事は「食べられる時に摂る」もので、空腹時とは必ずしもリンクしない(笑)。

荻町集落の撮影ポイント

白川郷ライトアップ

集落の中で人気があるのは3ヶ所だ。

白川郷マップ

まずは「たんぼの水鏡に映える合掌造り」が撮れる撮影ポイントの④。場所は城山展望台とは逆サイドで、明善寺周辺、恵びすや民芸品店の角を山側に登ったところだ。ここは20ミリクラスの広角レンズがないと全景は撮れない。

白川郷ライトアップ

次は撮影ポイント③、喫茶「落人」の周辺だ。

店の前には除雪した雪の置き場があるので、足元は埋まっても雪の入らないスキー用の「スパッツ」とブーツがあるといい。

白川郷ライトアップ

最後は撮影ポイント②の和田家。展望台からも人だかりができているのがよく見えるが、③④に比べるとさほど良いアングルとは思えない。

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車中泊の留意点

道の駅白川郷

寺尾臨時駐車場の営業時間は、正午頃から午後9時まで(荻町集落発のシャトルバス最終便は午後8時30分)で、その後は完全閉鎖されるため、車中泊はできない。

そのため、ライトアップを見た後の車中泊地でいちばん無難なのは、「道の駅 白川郷」であることは明白だ。

ただ、さすがにこの時期に車中泊をする人は少ないようで、筆者が訪れた2009年、2010年、2016年のいずれも駐車場は空いていた。

大事なのは、「温泉」に入るタイミング

ありがたいことに、白川郷の町内には日帰り入浴ができる「白川郷の湯」があり、冷え切ったカラダを芯から温めることができる。

白川郷の湯

営業時間は9時30分まで(最終受付は9時)となっており、寺尾臨時駐車場行きのシャトルバス発着場所である「せせらぎ公園」に、最終便が出る8時30分までに戻ることができれば利用が可能だ。

「城山展望台」から「白川郷の湯」までは徒歩で15分ほど。先に集落を周り、それからシャトルバスで展望台に上がった後、7時になってムーンライトを見たら、すぐに「白川郷の湯」に向かおう。

「白川郷の湯」から「せせらぎ公園駐車場」までは歩いて15分ほど。余裕を見て8時に「白川郷の湯」出ればなんとか間に合う。

白川郷の湯

なお「白川郷の湯」の駐車場には、5.6台しか収容できない。

本来は先にクルマに戻って、マイカーで「白川郷の湯」に行っても、時間的には間に合いそうだが、その場合はこの駐車場にクルマが停められるかどうかわからない。

「白川郷の湯」オフィシャルサイト

桜ヶ池クアガーデン

 最後に念の為、もうひとつ入浴可能な車中泊スポットを紹介しておこう。

それは東海北陸自動車道を富山方面に20分ほど走った城端SAだ。このSAはハイウェイオアシスになっており、「桜ヶ池クアガーデン」という入浴施設を併設している。10時まで営業しているので、スムーズに移動できれば、最終受付の9時半には到着することができる。

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