この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

ベストシーズンは11月初旬。石川県から岐阜県に通り抜けるのがお勧め!
白山白川郷ホワイトロード 紅葉ドライブガイド【目次】
かつては「白山スーパー林道」と呼ばれた、ワインディング・ロード
かつては「白山スーパー林道」と呼ばれたワインディング・ロード
石川県と岐阜県の県境をまたがって通る『白山白川郷ホワイトロード(正式名は「白山林道」)』は、1977年(昭和52年)に開通した観光道路で、ブナの原生林や高山植物に恵まれた、霊峰・白山の北側山岳地帯を縫うように走っている。
当初の愛称は「白山スーパー林道」だったのだが、「林道」が未舗装や運転が難しい道を連想させるとして、両県は新しい愛称を公募し、その結果2015年4月より、現在の「白山白川郷ホワイトロード」が使われるようになった。
驚いたことに「白山白川郷ホワイトロード」では、バイクは通行禁止だ。
ロケーションを見ればライダーには理不尽なルールだと同情するが、ハイエースのような亀さんは、後方によけいな気を使わずに済むのでありがたい(笑)。
北陸・東海屈指の紅葉ドライブスポット
「白山白川郷ホワイトロード」の魅力は、なんといっても紅葉の美しさだろう。
「同じ1700円を支払って走るのなら、この景観が見られる10月中旬から11月初旬に限る」という話には、筆者もまったく同感だ。
ちなみに「白山白川郷ホワイトロード」は、標高600メートルから1450メートルの間を走るため、全体の紅葉シーズンは長いと多くのガイドには書かれている。
たしかに33.3キロ(石川県側18.6キロ、岐阜県側14.7キロ)もの山道を走れば、どこかで必ず紅葉のピークにはぶつかる。
しかしいくら素晴らしい景色があっても、駐車スペースがなければ降りて写真を撮るのは至難の業。
多くの人がSNSに写真をアップする今の御時世において、それができるできないは「行く行かない」の判断に影響するほどの大きな要因になっている。
紅葉のベストフォトスポットは「蛇谷大橋」の周辺
その観点から導き出される「白山白川郷ホワイトロード」の紅葉ベストフォトスポットは、「蛇谷大橋」周辺だ。
「蛇谷大橋」の前後には滝が連続するため、駐車スペースが点在している。そのため写真が撮りたい人は、後続車を気にせず徐行しながら進もう。
仮に駐車スペースが満車でも、回転が早いので待つほうがいい。
なお「蛇谷大橋」は石川県側の中宮料金ゲートのすぐ近くにあり、標高が低いことから11月初旬に紅葉のピークを迎えるが、「白山白川郷ホワイトロード」が通行できるのは11月10日までになる。
クルマ旅には、石川県から岐阜県に通り抜けるほうがお勧め!
さて。当サイトの本論はここからだ。
車中泊の旅人は、「白山白川郷ホワイトロードの紅葉」だけを目的に出かけるわけではあるまい。
大半は石川か岐阜のどちらかの観光地と、「白山白川郷ホワイトロード」を抱き合わせた旅の計画を立てているはずだ。
であれば「どのタイミングで、どちら向きに走ればいいのか?」が気になるのは当たり前だ。
そこで筆者は、11月10日前の週末に、石川県側から入って岐阜県側に抜けるコースを推奨する。
さすがにこの時期は、金沢を含めても、北陸側の観光地で紅葉を迎えているところはなく、抱き合わせるなら、白川郷からアクセスがよくて冷え込みの厳しい高山が妥当だろう。
また白川郷と高山には、めぼしい紅葉スポットとドライブコースがないので、コンテンツもかぶらない。
進路は反対でもかまわないが、最初にインパクトのある壮大な紅葉と出逢うほうが、旅そのものが盛り上がる。
【モデル車中泊コースガイド】
石川県側「中宮料金所」の開門時間に間に合う場所で前泊
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白山白川郷ホワイトロード
白川郷観光
※合掌造り民家園が11月初旬までライトアップ
道の駅白川郷で車中泊
⇩
高山観光
最後に。
「白山白川郷ホワイトロード」は、そのまま走り切れば、1時間ほどで白川郷に到着でき、写真を撮りながらでも3時間まではかからない。
ゆえにできれば開門の8時をめどに中宮料金所を目指し、逆方面からの観光客が来ないうちに「蛇谷大橋」で写真を撮り終え、午前中には走り終えよう。
なお「白山白川郷ホワイトロード」は、岐阜県に入ると極端に見どころが減る。
気をつけたいのは、小高い丘の上に設けられた「白川郷展望台」。
秋の早い時間帯には、広いウッドデッキから雲海が見えることもあるらしい。

出典:白山白川郷ホワイトロード オフィシャルサイト
しかしここからは城山が妨げになり、白川郷の合掌集落はほとんど見えない。
誰が見たって、このネーミングは詐欺に近いやろ(笑)。
ただ岐阜県は、こういうことが平気でやれる県だということは覚えておいて損はない。岐阜県の観光行政は、日本一、観光客を舐めている(笑)。
白山白川郷ホワイトロード オフィシャルサイト