この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
世界遺産「白川郷・五箇山」は合わせて行くより、別々のほうがいい。
白川郷と五箇山 車中泊旅行ガイド【目次】
ライトアップは「完全予約制」。しっかりした事前情報収集なしでは見られない。
「白川郷・五箇山」の見どころは、大きく分けると2つある。
まず最初に、「世界遺産・白川郷」の正式名称をご存知だろうか?
正解は「白川郷・五箇山の合掌造り集落」。
つまりこの世界遺産には、日本が誇る伝統建築の「合掌造り」と、それが集まった暮らしの場である「集落」の2つの見どころが秘められている。
ちなみに「合掌造り集落」は、数ある中から「特色のある3つの集落」が選ばれたわけではなく、「合掌造りが保護・保存されてきたのが3つの集落だけしかなかった」というのが実態で、極論すればどこもさして変わらない。
つまり時間がなければ、3つの集落をめぐるより、1ヶ所に集中したほうがいいということだ。
そうなると、最初はやはり規模が大きく観光要素も揃った、白川郷がいいという結論に落ち着くのだろう。
ちなみに白川郷で「合掌造り」を見学して、展望台から全景を眺めたとしても、所要時間は3時間ほど。
それに食事時間を加味しても4時間あれば満足に至ると思う。
初めてなら、高山観光とのセットがお勧め。
以上の内容から、筆者が「初めて白川郷を訪れる人」にお勧めするのは、「高山観光」との抱合せだ。高山は小さな町で、やはり半日あれば楽しめる。
高山市内から白川郷までは約50キロ。高速道路を利用すれば、1時間まではかからない。食事処も白川郷より圧倒的に揃っているので、高山で早めの昼食にするほうがいいだろう。
ライトアップは「完全予約制」。しっかりした事前情報収集なしでは見られない。
誰もが一度はその目で見てみたいと思う情景が、この白川郷のライトアップだと思うが、地元ではあまりの混雑に耐えかね、2019年からマイカー旅行者も「完全予約制」になっている。
予約と装備を含めて…
このイベントに行くには、少なくても一度は白川郷に行ったことがあることと、入念な事前の情報収集が必要だと思う。
風景写真が好きな人には、五箇山がお勧め
まずは白川郷と五箇山の位置関係を確認しよう。
「合掌造り」が並ぶ岐阜県の「白川郷・荻町集落」と、富山県の「五箇山・相倉集落」間は、「飛越峡合掌ライン」と呼ばれる下道を走っても、わずか30キロほどしかなく、40分もあれば移動できる。
またその途中に「五箇山・菅沼集落」がある。
ということは、すべてを1日でまわることは難しくない。
ただし白川郷は観光条件が整っているだけに見学客の数も多く、「風景写真」が撮りたい人は、曜日と時間を選ばなければコトは簡単には運ばない。
その観点からすると、風景写真撮影には五箇山地区の、特に「相倉集落」がマッチする。
また冒頭では「極論すればどこもさして変わらない。」と書いたが、五箇山には「こきりこ節」のような白川郷にはない個性もある。
ただ、それでもこちらはリピーター向けだろう。
五箇山は白川郷より、富山の「雨晴海岸」や「散居村」、また蜃気楼が見られる「魚津」などを抱き合わせて行くほうが新鮮に見えておもしろい。
車中泊事情とお勧めスポット
白川郷
ここに泊まれる場合は、さして問題はないと思うが、満車の場合は温泉が隣接する以下の道の駅がいい。
この2つの道の駅でもあぶれそうな場合は、東海北陸自動車道の五箇山方面に少し走ったところに「飛騨白川PA」がある。
ただしレストランも売店もないので、入浴と食事を済ませてから行こう。
なおライトアップ時の課題は「入浴」。運良く「白川郷の湯」を利用できればいいが、そうできる保証はない。そのため代替えのスポットを紹介しておく。
五箇山
白川郷から近いのは「道の駅上平」。
ただし「相倉集落」に近いのはこちらだ。