【2023年3月更新】
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、ホタルイカが捕れる「浜黒崎キャンプ場」の車中泊に関する記述です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
浜黒崎キャンプ場は、ホタルイカが”身投げ”する遠浅の海岸に面したリーズナブルなフリーサイト
浜黒崎キャンプ場 DATA
浜黒崎キャンプ場
〒931-8414
富山県富山市浜黒崎3385-1
☎076-438-5767(浜黒崎観光協会)
●入場料
1回100円(日帰りでも連泊でも100円)
●駐車料(1泊につき)
普通車 800円
大型車(定員11人以上)2,000円
●サイト料
車中泊 1000円
テント1張り 1人用 1,000円
2人用以上 2,000円
タープ1張り 1,000円
●ゴミ処分
1袋(最大45リットル)につき 100円。
ビン・缶・ペットボトル・燃えるゴミの4分別が必要
「浜黒崎キャンプ場」はフリーサイトのみで、サイトにはクルマ乗り入れ禁止だが、駐車場とキャンプサイトが隣接するエリアがあり、その場所が取れればオートキャンプに近い展開が可能だ。
このカタチで夫婦で1泊して支払った料金は
入場料200円+駐車料金800円+車中泊1000円=2000円
シェルター代は要求されなかった。
チェックイン:12時30分から
チェックアウト:10時まで
キャンプは予約不可の到着順。
浜黒崎キャンプ場の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2023.03.19
「浜黒崎キャンプ場」での現地調査は、2023年3月が最新です。
浜黒崎キャンプ場 目次
「浜黒崎キャンプ場」は、「ほたるいかミュージアム」を併設する「道の駅 ウェブパークなめりかわ」から、富山市方面に約6.5キロ・クルマで10分ほどのところにある。
上のマップに記された射水市の新湊から魚津市にかけては、魚介類の宝庫と呼ばれる富山湾の海の恵みが満喫できる、お勧めの旅先だ。
しかも車中泊旅行者の場合は、「道の駅 ウェブパークなめりかわ」以外にも、魚津の「海の駅 蜃気楼」や、上のマップには出ていないが、新湊の海王丸パークの近くにある「道の駅 カモンパーク新湊」あるいは「海老江海浜公園」など、無料で車中泊ができる場所が目白押し。
ゆえにテント泊で富山の旅を楽しむ人に比べれば、バリエーションに富んだ宿泊地の選択肢を持っているのは間違いない。
だが春先に限って云えは、「浜黒崎キャンプ場」は他の追随を許さない車中泊スポットだと断言できる。
その理由は、目の前の海でホタルイカと遭遇することができるからだ。
「浜黒崎キャンプ場」でのホタルイカ捕り
舞台となるのは、キャンプ場の目の前に広がる浜黒崎海水浴場だ。
ホタルイカは例年3月から5月にかけて、産卵のために深海から富山湾の浅瀬に移動してくるのだが、新月の前後は方向性を失い、波にさらわれて渚に打ち上げられてしまうことがある。
それを”ホタルイカの身投げ”と呼ぶのだが、タイミングが良ければ、このような幻想的な景色に巡り会えることもあるようだ。
筆者はこの光景が撮りたくて足を運んだが、残念にもチャンスを逸してしまった。
実は同じ浜黒崎海水浴場でも、ホタルイカが打ち上げられる場所は限られている。
その理由は、下の写真を見れば分かる。
この時期は日付が変わる頃になると、浜にホタルイカを捕る人が集結する。
そして海を泳ぐホタルイカを見つけては、黙々とタモですくい続けるのだが、
大漁の日に当たれば、名人ならこのくらいは捕れるというから驚く。「道の駅 ウェブパークなめりかわ」の売店価格で換算すれば、10万円はくだらない(笑)。
そして”漁”は夜明け前まで続けられる…
そりゃ~、これではいくらホタルイカがいたとしても残るまい(笑)。
だがそれは人が海に入れるところでの話。
渓流釣りをする人は知っていると思うが、実は胸までのゴム長(ウェダー)を来て転ぶと、中に水が入り、沈んだまま浮かびあがれなくなる危険がある。
つまりホタルイカが捕れる場所は、せいぜい腰までの深さが限界だ。
すなわち、人が入るには危険とされる場所に近づいてきたホタルイカは、捕らえられることなく浜に打ち上げられ、朝にはカラスやトンビの朝食になる。
初日にこの”素晴らしい発見”をした筆者は、連泊して翌日の夜明け前に、青く光る波打ち際を狙うことにした。
しかし、そのたくらみは不発に終わる。
なぜなら、翌朝はホタルイカが”身投げ”をしてはいなかった。
ホタルイカの”身投げ”については、未だ科学的な検証ができておらず、海岸に近づく日も、その数も事前に予測ができないのが実情とのこと。
つまり捕獲に来ても”坊主”はあり得る。
実際に前日はあれほど捕れたにも関わらず、この日は”漁”も芳しくはなかった。
それを思えば大漁に恵まれ、光を失っていたとは云え、”身投げ”の写真も撮れたのだから、運が良かったほうだと思う。
かくして、筆者の長~い「浜黒崎キャンプ場」での滞在は終わった。
そりゃ、夜中に起きては何度も浜まで様子を見に行くのだから、普段より起きている時間がはるかに多いのは当たり前(笑)。
ここでは寝不足に注意しよう。
最後に。
ホタルイカすくいに使うウェダーやタモは、キャンプ場でレンタルできる。
これは県外から行く人にはありがたいサービスだと思う。
またリピートする人は、地元の上州屋に行けば道具を一通り揃えることが可能だ。
なお、運良くホタルイカを捕ることができた人は、以下の記事を参考に地産地消の富山郷土料理「ホタルイカのしゃぶしゃぶ」を味わってみていただきたい。
余りはボイルして、辛子酢味噌で食べるといい酒の肴になる。
ボイルはスーパーでも買えるが、茹でたてアツアツは自前でないと食べられない。
他ではアヒージョという選択肢も。これもまた美味い!
こういうことができるのも、「浜黒崎キャンプ場」のいいところだ。
「浜黒崎キャンプ場」の施設
キャンプサイトは松林の中に設けられており、多少地面に木の根やアンジュレーションはあるものの、松の木が適度な障害になっている。
ただ冒頭で見せたような駐車場に近い場所は、全部で10張りできるかどうかしかないので、そこに入りたい場合は受付開始と同時に現地入りし、場所を確保してから観光や買い出しに出るほうがいいだろう。
またシェルターやサイドオーニングを出さない”完全車中泊”でいい人には、別の駐車スペースが用意されているが、料金は変わらない。また「浜黒崎キャンプ場」に電源設備はない。
さて。
こういうリーズナブルなキャンプ場で気になるのはトイレだが、「浜黒崎キャンプ場」のトイレの外観は、「もしかして?」と不安を覚える様相だった(笑)。
しかし中は洋式で水洗になっているので安心を。ウォシュレットまではないが、清掃もゆき届いていて想像以上のものだった。
ちなみに便座のシートは、傷んでハゲハゲになっているのではなく、最初からこういう柄だ。さすがにそのセンスにはちょっと驚いたけど、あるとないでは大違い(笑)。なおトイレは2ヶ所あるが、個室の数は少ない。
また場内にはほとんど灯りがないので、炊事棟とトイレに行く際にはヘッドライトがあると役立つ。
今は100均で、そこそこ明るいLEDのヘッドライトが手に入るので、行かれる方は事前に用意しておくといいだろう。
若干暗いが、ホタルイカ捕りにも使える。
「浜黒崎キャンプ場」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
水橋温泉ごくらくの湯
※道の駅から約2.6キロ・クルマで5分
☎076-479-1359
大人440円
9時30分~21時30分 (最終受付21時)
第3水曜定休
コンビニ
ローソンが約2キロのところにある。
スーパーマーケット
約2.6キロのところに「アルビス・ミューズ店」がある。