この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」は、2020年3月に「車中泊禁止」が解除された道の駅
「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第45回
登録日/2016年5月10日
開駅日/2017年3月30日
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2018.02.12
2022.05.02
道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢(おおぞう)【目次】
「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」の温泉&周辺の買い物施設
「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」のアクセスマップ
「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」のロケーション
「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」は、有馬温泉から下道で約13キロ・20分ほどのところにある。
有馬温泉といえば、白浜温泉(和歌山)・道後温泉(愛媛)とともに「日本三古湯」として、「日本書紀」にその名を連ねる「古湯の中の古湯」だ。
その「有馬のお湯」がいかに素晴らしいかは、以下のサイトをご覧いただければよくわかる。
そしてそれが、「有馬温泉」に京阪神在住者のみならず、全国から温泉好きの旅人が集まってくる一番の理由だ。
「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」は上のマップでも分かる通り、有馬温泉からは最寄りの道の駅にあたるため、その車中泊環境をネットで検索している人は多いと思う。
しかしここは、道の駅としてのデビュー早々につまづいた、ちょっと「おバカな道の駅」だ(笑)。
※ここからは、2018年の2月に取材した時点での内容になる。
なるほど、これが車中泊旅行者の間で「噂」の看板か(笑)。
だが、表記の意味がわからない。
「(道路利用者の)休憩施設だからこそ、安心して車中泊をしてもいい」というのが、既に「1000ヶ所を超える道の駅の常識」で、何より証拠に道の駅のほぼ100%が、長距離トラックの「車中泊」を容認している。
車中泊とオートキャンプの区別がつかないほどレベルの低い「道の駅の駅長」が未だにいるから、こういう愚行がいつになっても繰り返される。
2018年記事ここまで
2020年。
「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」の車中泊禁止が解除されたという話を耳にし、ネットを検索してみると、ひとりのYoutuberの動画が見つかった。
要は彼の交渉によって、「車中泊」が「宿泊目的での利用」という表現に置き換えられたという。
Youtuber曰く、「宿泊」とは宿に泊まる=トイレや休憩室などの建物に泊まることであって車中泊とは違う。
ただ筆者はこれも「禁止」でいいと思っている。
この写真は2022年5月に、先ほどの看板が立てられた「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」で撮影したものだが、よもや駐車場にテントを張って寝ている人がいるなんて、誰が思うだろう。
これで深夜に事故が起きたら、それこそ車中泊どころじゃない大問題になる。
解決策は「宿泊目的」などという曖昧な言葉を使わず、具体的に禁止したいことを書けばいいだけだ。
「敷地内でのテント設営禁止」と明記してあれば、車中泊をする・しない人にかかわらず、それが禁止行為であることが誰にでもよくわかり、通報してくれる可能性も高くなる。
「神戸フルーツ・フラワーパーク」は、1993年に開園した花と果実をテーマにする滞在型の都市公園で、ホテルと遊園地を併設している。
こちらが併設しているホテル「フルーツ・フラワー」。
館内には有馬温泉の「金の湯」と同じ泉質を持つ天然温泉「金仙花(きんせんか)の湯」があり、日帰りでも利用できる。
さらに敷地内には1500名が一度に楽しめるバーベキュー場、いちごを筆頭にフルーツの収穫が楽しめる果樹園 、プール 、遊園地、ゴーカート場、パターゴルフ場などもある。
その「神戸フルーツ・フラワーパーク」が道の駅に登録されたのは、2017年(平成29年)3月30日。
同時に駐車場の横に、新たな物販飲食の施設「FARM SIRCUS」がオープンした。
ただ当初は「お茶を濁しただけのような産直店」でしかなく、周辺の観光パンフレットも置いておらず、道路利用者や地域の方々のための「情報発信機能」という意識も見受けられなかったが、それから4年が経過した現在の様子は分からない。
というのは、2022年のGWに訪ねた時の開店時間は10時(笑)。いくら滞在型の道の駅とはいえ、さすがにそこまで待てる余裕はなかった。
いっぽうこちらは、広大な「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」の駐車場。路面はフラットで車中泊に支障はない。
ただ車中泊に適しているのは、トイレに近い駐車場の入口付近といえそうだ。
施設自体は古いものの、トイレはちゃんとウォシュレットに改修されている。
さらに可燃物用のゴミ箱も、自動販売機横に用意されていた。
しかし、夜が明けると案の定…(笑)。
それにしても…
千葉県の房総半島にある「道の駅保田小学校」のように、ちょっとしたDIYでゴミ箱にフタができるように工夫するだけで、散らかったゴミを掃除する手間がなくなるという発想や、9時前には続々とお客が集まっているというのに、10時まで店を開けることもない姿勢を見る限り、「神戸フルーツ・フラワーパーク」は過去から引きずる体質的な問題が、未だに解消できていないように思えた。
ちなみにオープン当初の「神戸フルーツ・フラワーパーク」は、神戸市の委託を受けて「株式会社神戸ワイン」がその運営を行っていたが、債務超過に陥り2014年7月1日に特別清算が開始された過去を持つ。
そのため1994年の4月から「一般財団法人神戸みのりの公社」が運営を担当しているのだが、結果的には何をやってもうまく行かず、不採算施設の活性化対策として「道の駅」にしがみついた印象は拭えない。
そもそも主要幹線から遠く離れた「道路利用者」が立ち寄るようなロケーションではなく、もしゼロから道の駅を作るとしたら100%ここにはならなかっただろう。
道路利用者が使えないような施設に、「国土交通省」の予算が使われること自体が「あってはならない」話では。
ちなみに、同じような経緯を持つ長崎のハウステンボスが、HISによって再生されたように、神戸フルーツ・フラワーパークを本気で再生したければ、大資本の民間企業に売却するのが正攻法。それなら誰も文句は云わない。
「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」の車中泊好適度
【プロの寸評】
これは京都の「道の駅 スプリングスひよし」の記事でも書いているのだが、少なくとも「フルーツフラワーパーク」のようなリクレーション色の濃い施設は、「道路休憩施設から逃れられない道の駅」とは別のコンセプトを持つ、半国営の別グループに分離してしまうといい。
巷で車中泊禁止の道の駅がどうのこうのと騒がれている時代に、長時間駐車が許される「フルーツフラワーパーク」のような例外的な道の駅が存在すれば、混乱する人が増えるのは当たり前。
同じ道の駅で、かたやは夕方遅めに来て朝には引き払えと云われ、こっちでは日中からドンと駐車場に居座っても構わないなんて、あってはならない矛盾だろう。
しいては、道の駅のマナーをなし崩しにする輩が出現する要因を、行政自らが作っているようなものだ。
道の駅と切り離せば、逆に長時間駐車場を利用するのだから、有料でその一画に電源が使えるRVパークやキャンプサイトがあっても、まったく不思議ではなくなる。
収益性と道理は表裏一体、それが世間の常識だ。
「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」の温泉&周辺の買い物施設
神戸大沢温泉 金仙花の湯
※公園内を直進して行くこともできるが、日が暮れると照明が消えるため、暗くなってから行くならクルマの方がいい。
☎078-954-1000
おとな1000円
14時~23時(受付最終22時30分)
コンビニ
ローソンまで約6キロ。
スーパーマーケット
約5キロのところに「スーパーマルハチ 鹿の子台店」がある。
「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」のアクセスマップ
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