この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

富士山の天然水が無料で汲める、御殿場に最寄りの道の駅
道の駅 ふじおやま【目次】
「道の駅 ふじおやま」のロケーション
「道の駅 ふじおやま」は、筆者が富士山撮影のメインスポットにしている山中湖と、箱根へのアクセスに優れた御殿場の近くに位置しており、冬場によく利用している。
というのは、より富士山に近い場所にある「道の駅富士吉田」と「道の駅なるさわ」は、早朝に道路が凍結するうえに、ドカ雪が積ることもあるため、冬の車中泊には危険を伴うことがあるからだ。
なお近くには東名高速道路の足柄サービスエリアがあり、東京方面へ向かう途中、あるいは東京から大阪に戻る道中では、高速道路上で温泉が利用できるそちらを利用している。
「道の駅 ふじおやま」の施設
「道の駅ふじおやま」は標高の低い市街地にあり、車中泊環境もよく整っている。
車中泊旅行者にとってありがたいのは、売店の前にある富士山の湧水の汲み場で、誰でもいつでも無料で利用できる。
長期の旅行者にとって、水場がない箱根や伊豆半島に行く前に、ここで飲料水を補給できるのはすこぶる嬉しい話だ。
給水場は売店の前以外に、トイレと反対側の端にも設けられている。こちらは分かりにくいので空いているようだ。
「道の駅ふじおやま」の売店と食堂は、道の駅にしては珍しく、20時まで営業しており、少々遅く到着しても利用することができる。
売店は野菜だけでなく、冷凍・冷蔵食品も豊富だ。
とりわけ嬉しいのが豊富な地ビールの品揃え(笑)。
山梨県の「道の駅 富士吉田」にブルワリがある、安くておいしい「ふじやまビール」もしっかりと置いてある。
さらに売店の中にある「イートイン・コーナー」には、電子レンジと電気ポットも用意されている。
こちらが食堂。
というよりフードコートに近い形態で、右のカウンターで料理を受け取り、セルフでテーブル席まで運ぶ。定食の多くは1000円前後だが、麺類はそれ以下で食べられる。
いっぽうこちらの休憩室は、なんと24時間利用でき、中で観光案内所の「金太郎ステーション」と通じている。
観光案内所の前にあるのはゴミ箱。ゴミ箱はさらにトイレの横にも置かれている。
ただし「いいところばかり」ではない。
この道の駅の難点は、まず入口。
前を走る国道246号には中央分離帯があり、東京方面から来るとこの入口からすんなり入ることができるが、逆に御殿場方面からだと直接入れる入口がない。
そのため、手前にある「道の駅 ふじおやま」の交差点で右折し、誘導路を通ってアクセスする。
幸いなことに、Googleナビはきちんとこの道を案内してくれる。
交差点に大きなサインがつけられているので昼間は注意していれば問題ないと思うが、夜はちょっとわかりづらい。想定していなければ、通り越して入口を探すハメになりかねないので注意しよう。
もうひとつは、トラックも多く車中泊をすることだ。
車中泊にはトイレが近いこの一画が便利で良いのだが、それはトラックの運ちゃんにも云える話。
とはいえアイドリングの大合唱は、さすがに勘弁してほしいものだ(笑)。
トイレにはウォシュレットが完備されているのだが、注目すべきはこのゴミ箱のほうだろう。
「道の駅ふじおやま」ではトラックの利用が多いことも相まって、平日でも朝はこんなふうにゴミ箱が溢れかえるのが日常になっているようだ。
これをどう捉えるか…
筆者はこれがニーズ、あるいは需要と思っている。
さすがに人目が多いこの道の駅に、家庭ゴミを持ち込む人は少ないと思うので、車中泊をひっくるめて道の駅ではこれだけのゴミが出るというのが、偽らざる現実だ。
午前9時。既にゴミはスタッフによって回収され、ゴミ箱は見違えるほどキレイになっていた。
たしかに、朝からこうして清掃してくれるスタッフのために、利用者はゴミの分別や減量に気を払う必要はあるだろう。
しかしそれは「常識」であって、駐車線からはみ出さずにクルマを停めろというのと何が違うの?
自らを常識人と思うなら、もうそろそろ、そんな幼稚くさい話から脱却して、眼の前で起きている真実を直視するほうがいい。
サービスエリアやコンビニと同様、道の駅も「道の駅ふじおやま」や「道の駅蔦木宿」のように、「旅行ゴミ」にきちんと対応することはもはや不可欠。
そして現実に、それを日々行ってくれている道の駅は、筆者が知っているだけでもこれだけあるわけで、いまさらできないとは云わせない(笑)。
そもそも…
根底にスーパーやコンビニの過剰包装があるのは明白で、出元とその回収場所にメスを入れないかぎり、ゴミ問題が大きく改善されるはずがないことなど、小学生にでも理解できる話。
それを未だに消費者にのみ求めること自体が馬鹿げているわけで、これは橋下徹君の大好きな「政治の責任」ってやつで解決するしかあるまい(笑)。
筆者は道の駅の認定条件である「24時間使える駐車場とトイレ」に、「ゴミ箱の設置」を追記してほしいとマジで思う。
それが無理なら「独立採算性の民営化」しかないが、そうすれば道の駅の半数近くはなくなってしまうかもしれない(笑)。
「道の駅 ふじおやま」の車中泊好適度チェック!
「道の駅 ふじおやま」 最寄りの温泉&買物施設
最寄りの温泉は5キロほどのところにある「あしがら温泉」。
あしがら温泉
☎0550-76-7000
大人500円(3時間まで)
10時~22時(最終受付21時)・火曜定休
なお御殿場市温泉会館は、2020年5月から休館している。
コンビニ
セブンイレブンまで約500メートル。
スーパーマーケット
「セルバ御殿場古沢店」が約2キロのところにある。
「道の駅 ふじおやま」のアクセスマップ
世界文化遺産「富士山」 車中泊旅行ガイド
車中泊でめぐる「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」をテーマにした、オリジナルのマイカー旅行ガイドです。
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