この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「道の駅 くるら戸田」は、西伊豆にある温泉併設の道の駅
「道の駅 くるら戸田」は、それまで伊豆半島の「道の駅・エアポケット」と云われた西伊豆に、2015年にオープンした待望の車中泊スポット。
筆者は偶然、オープン直前に前を通りかかったのだが、その時既に現在の混雑ぶりを予想していた。
「道の駅 くるら戸田」の難点は、駐車場のキャパシティーにある。
冒頭にも書いたように、西伊豆にはこの道の駅しかないうえに、海岸線を走る国道も県道も狭くてカーブが多いため、この地を旅する車中泊の旅行者は、必然的にここに集中する。
しかも安くていい温泉があるのだから、なおさらだ。
ということは… 繁忙期になると駐車場の有無で旅人と揉め事が起こる(笑)。
特にGWは駐車場の確保のため、昼間からずっと動かないキャンピングカーが多く、過去にも何度か住民から苦情が出ているらしい。
以前からこの地を知る旅人に云わせれば、「そうなるに決まってるやんか!」という最初の設計なのだが、今更云っても遅い話だ(笑)。
第二駐車場ができればいいが、当面はその事情を踏まえて利用するほうがいいだろう。

さて。「道の駅 くるら戸田」の施設は新しいだけあって、さすがにキレイだ。
休憩スペースも開放感があるので落ち着ける。
売店には沼津の特産品などが並び、品揃えは豊富。
ただし食堂は簡素でメニューも少ない。そもそも、ラストオーダーが5時半なので、夕食には向かないだろう。
なお、近隣にはヤマザキのコンビニが1キロほどのところにあるだけで、スーパーは約17キロ離れた土肥のAokiまで行かないとない。
しかも途中の道はかなりのワインディングで、筆者なら買い出しには行かない(笑)。ここで泊まるなら事前に夕食と朝食は持参していこう。
幸いなことに、可燃物のゴミ箱をちゃんと用意してくれている。
併設する「壱の湯」は、かつて戸田温泉の共同温泉が老朽化したため、移転して新たに作られたもの。ゆえに地元の人も毎日のようにやってくる。
壱の湯の泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉で、Ph値はなんと9.2。
アルカリ性の柔らかいお湯は、ついつい長湯がしたくなる。確かに住んでいれば、毎日でも来たくなるお湯のひとつだろう。
この写真は、かつての「壱の湯」。
戸田には道の駅以外にも無料の車中泊スポットがあり、昔から筆者は駿河湾越しの富士山を撮るため、西伊豆に来るとここを度々利用してきた。
最後にとっておきの情報を(笑)。
温泉の横で小さな「店」を構えている、高田さんのマッサージは「ピカイチ」。
普通のマッサージと違って、「骨」を動かすことで周辺の筋肉をほぐすちょっと変わった術法だが、効果は抜群。
終わるとドド~と背中に血が流れるのがわかる。
もちろん痛くなくて快感! ただし人気があるので「予約」が必要だ。夜は7時までなので、その前にぜひ。