車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、安曇野の見どころと車中泊事情を詳しくガイドしています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド

この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
安曇野は観光するより、暮らしてみたいと思う町

安曇野の筆者の歴訪記録
※記録が残る2002年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.07.26
2010.07.18
2013.04.27
2015.03.09
2014.04.26
2021.03.09
2022.11.27
2024.07.25
安曇野での現地調査は2024年7月が直近になります。
安曇野 車中泊旅行ガイド

安曇野のロケーション

山間とは思えない開けた土地に広がる里山や田園地帯、そして1枚の屏風のように連なる北アルプスの眺望…

安曇野は大町、白馬と続く「北アルプス山麓エリア」の一番南に位置しているが、町の景観は他のふたつの町とは違って優しく、イメージはネイチャーというよりはナチュラルだ。

古くは安曇平(あづみだいら)と呼ばれていたこの地は、北アルプスから湧き出た清流(梓川・黒沢川・烏川・中房川・乳川・穂高川・高瀬川等)によって生みだされた複合扇状地で、まるで平野部のように田園地帯が続いている。

また扇端部には伏流水が湧き出し、それを利用した「大王わさび農場」がある。

いっぽう市街地には、大きな公園と美術館や資料館・記念館などが点在しており、個性的な喫茶店や蕎麦屋、レストラン、宿なども多い。
長野県内有数の別荘地でもある安曇野には、定年を迎えるなどした都会に暮らす人々が、スローライフを求めて移住する動きも活発にみられるという。
安曇野観光の秘訣

結論は、旅行者も安曇野を観光地だとは思わないことだろう。
安曇野を訪ねたことがある人なら心当たりがあると思うが、この町は「口コミサイト」の上位に出てくるところを適当に選んでまわっていたのでは、雲を掴むみたいというか、なにか「空回り」をしている気分にさせられる。

「黒部ダム」や「八方尾根」のようなインパクトの強い象徴的なところがあるわけでもなく、昔から人里として発展してきた安曇野は、素通りしていくような人には簡単に素顔を見せてはくれない。
ゆえに、違ったアプローチが必要だ。
たとえば

「農場」や「直売所」には、今夜食べる素材を求めに行くが如く、「神社」には地元の氏神様にお参りに行くが如く、「美術館」には「常設展」ではなく「企画展」を観るために足を運ぶが如く…
それはまさしく、ロングステイの極意。
実際に長期滞在をしなくても、そういう目線で施設に足を運ぶことを重ねて行けば、安曇野の本当の良さが見えてくる。
公共交通機関でしか旅をしたことがない人には難しいかもしれないが、車中泊の旅人の中には、こういった境地を理解できる人は少なくあるまい。
安曇野のお勧めスポット

さて、ここからはそんな安曇野の”外さない見どころ”を、よりすぐって紹介しよう。
正直なところ、筆者も最初は軽薄な口コミサイトにずいぶん”空振り”をさせられたが、見方を変えて以降はそういうこともなくなった。
ゆえに他の紹介サイトとは、内容がかなり違うはずだ。
筆者が最初にお勧めするのは、安曇野の「佇まい」が感じられる展望所。
高台から安曇野を眺めると、なぜか故郷に帰ってきたような懐かしい気持ちになる。
あずみの池田クラフトパーク

お勧めの展望所は2ヶ所あるが、クルマでのアクセスがよく、駐車場も広くて車中泊もできるのが「あずみの池田クラフトパーク」だ。
長峰山展望台

「長峰山パノラマパーク」とも呼ばれている標高約934メートルの「長峰山」の山頂に設けられた展望台は、北アルプスをバックに梓川・穂高川・高瀬川が合流して犀川となるのが見渡せる、安曇野屈指の絶景スポットだ。
「あずみの池田クラフトパーク」より道は狭くてカーブも多いが、その分景観は素晴らしい。
大王わさび農場

ご存知の人も多い、北アルプスからの豊かな湧水を利用して作られた日本最大級のわさび農場で、すべての安曇野紹介ガイドに掲載されていると云っても過言ではない。
ただし筆者は、他者とは違う視線から、この「大王わさび農場」を評価している。
そば処 時遊庵 あさかわ

安曇野に限らず、信州はどこでもそばのレベルが高いのだが、せっかくなら「ご当地」と呼べるような、一味違うそばが食べてみたいもの。
実は安曇野には、別荘の多い穂高温泉の近くに、特産のわさびとの意外なコラボが楽しめる地元で人気のそば処がある。

かつては1982年(昭和57年)創業の「そば処 常念」でも、写真の「わさびそば」がいただけたのだが、コロナ禍最中の2020年6月に惜しまれつつ閉店。
現在はカフェとして営業しているようだ。
他に安曇野のグルメで注目するなら、やはり水の良さからくる「うなぎ」だろう。

歳を重ねると、旅の昼飯ひとつについても、いちいちウンチクが欲しくなるものだが、昔から北アルプスの湧水に恵まれる松本・安曇野エリアでは、鰻は名物とされていたようで有名店も多い。
筆者が訪ねたのは、江戸時代の1852年(嘉永五年)の創業以来、現在6代目となる、安曇野の老舗割烹「大黒屋」。
関東風に背開きした鰻を、関西風に蒸さずに直火で焼き上げ、素焼きした鰻をすぐタレに浸けてからませるという蒲焼きは、評判通り外はパリッとした歯応えで、中はふわっとした期待にそぐわぬ味わいだった。
安曇野ちひろ美術館

「安曇野アートライン」とは、「北アルプス山麓」に点在する美術館・博物館・公園など、19の施設を結ぶルートのことだが、
こう大々的にPRされると、芸術に興味がないからと無下に無視するのも大人気なく、せめてひとつくらいは観ておこうか…
庶民とはそういうものだ(笑)。
であれば、多くの人が選ぶのは、黒柳徹子の「窓ぎわのトットちゃん」の挿絵を担当した、絵本作家「いわさきちひろ」の美術館になるのは必然だろう。

動機はともあれ、
「安曇野ちひろ美術館」は広大な公園の中にあり、館内でも屋外でも1日のんびり時間を過ごすことができる、行って良かったと思える場所だった。
穂高温泉しゃなげ温泉公園

「温泉公園」あるいは「穂高温泉郷温泉公園」とも呼ばれる「穂高温泉しゃくなげ温泉公園」は、2016年にオープンした日帰り温泉「安曇野しゃくなげの湯」とともに整備された真新しい無料の公園だ。
敷地は広く、「八面大王足湯」と農産物直売所の「Vif穂高」が併設している。


ちなみに安曇野を代表する公園として「国営アルプスあづみの公園(堀金・穂高地区)」を挙げている紹介サイトは多いが、ここは野外教育の場としての性格が強く、観光客に適しているとは思わない。

このように、子どもと休日を過ごす地元の人達で賑わっている場所だ。

ただ、資料室には長野県の主だった観光地のパンフレットがすべて揃っている。
「北アルプス山麓」観光後の予定がまだという人は、ここでじっくり旅のプランを練るといい。
安曇野の里

山岳写真を展示する「田淵行男記念館」、吹きガラス体験ができる「あづみ野ガラス工房」のほかに、無料で北アルプスの天然水が汲める湧水場や、土産物を売る売店が揃った総合観光施設。

なんといっても、車中泊の旅人にお勧めなのはこの湧水場だろう。安曇野には湧水が豊かなわりに、それを汲める場所がなかなか見当たらない。

またここの売店には、信州らしさが感じられるウッドクラフトの雑貨が数多く並んでいるのも良かった。

なお安曇野のお土産探しは、「スイス村」のような団体様御用達の施設より、スーパーマーケットの「TSURUYA」のほうが、おもしろくて値頃なアイテムがたくさん揃っている。

とりわけワイン・ジャム・ドレッシングはお勧めだ。

こちらが今回の筆者のお買い物。
常念道祖神(堀金の道祖神)

安曇野をクルマで走っていると、時折目に飛び込んでくるのが「道祖神」だ。
安曇野市内に400以上あるという道祖神は、男神と女神が肩を抱き合い、手を握ったり酒器を持ったりしているめでたい姿が多く、見ていて心が和む。
ただ、クルマだと見つけても立ち止まることが難しく、なかなかゆっくり眺めることは難しい。
そこで、クルマが停めらやすい場所にある道祖神を紹介しておこう。
最後に。

筆者は他にも「穂高神社」を筆頭に、「早春賦」「大峯高原」「室山アグリパーク」「白鳥湖」「安曇野スイス村」といった、観光スポットと呼ばれる場所にはひと通り足を運んできたが、ここで大きく取り上げるほどのものでもないと判断し、省略させていただいた。
筆者の経験から云うと、有り余る情報は不必要に旅人を惑わすだけで、けしてプラスにはならない。
それよりは、根拠がしっかりしているフィルターによってセグメントされた情報こそが、実際の旅においては有効だ。
安曇野の車中泊事情

「安曇野」の町には、上のマップに赤線を施した6ヶ所と、堀金地区にあるRVパークを合わせた7つの車中泊スポットがあり、その数は十分に足りている。
加えて書くなら、「安曇野の里」と「碌山(ろくざん)公園」の駐車場でも車中泊は可能だが、さすがにそこまで必要になることはないだろう。
いずれにしても
ここでは長くなりすぎるので一度区切りをつけ、個々の詳細は以下の別記事にまとめさせていただいた。
こちらも見応えがあると思うので、ぜひ合わせて参考にしてみていただきたい。
安曇野 車中泊旅行ガイド



























































