車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年11月現在の「道の駅 てんきてんき丹後」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 てんきてんき丹後」は、車中泊で丹後半島外周の旅を満喫したい人にお勧めの”旅の宿”。
道の駅 てんきてんき丹後 DATA
道の駅てんきてんき丹後
〒627-0221
京都府京丹後市丹後町竹野313-1
☎0772-75-2525
3月~11月:9時~17時30分
12月~2月:9時~17時
第2・第4火曜定休
「道の駅 てんきてんき丹後」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回 /第10回
登録日/ 1996年4月16日
「道の駅 てんきてんき丹後」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.08.08
2010.02.20
2010.08.16
2010.11.13
2010.11.20
2010.12.27
2011.02.25
2011.03.12
2011.07.28
2013.05.06
2015.09.12
2018.09.17
2020.04.03
2022.05.07
2023.11.05
※「道の駅 てんきてんき丹後」での現地調査は、2023年11月が最新になります。
道の駅 てんきてんき丹後
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「道の駅 てんきてんき丹後」のロケーション
「道の駅てんきてんき丹後」は、丹後半島外周のぼぼ中間あたりに位置する、国道178号沿いに古くからある道の駅。
年々進む「京都縦貫道」の延伸とともに、京阪神からのアクセスは良くなっているものの、車中泊の旅人でいきなり「道の駅てんきてんき丹後」を目指す人は、そうはいまい。
この地を旅する人の大半は、日本三景に名を連ねる天橋立がある宮津から、舟屋で有名な伊根を経て、反時計回りに丹後半島を周遊するか、逆に兵庫県の城崎温泉あたりから日本海に出て、時計回りに同じルートをめぐるかだと思う。
ちなみにその間の距離は約110キロ。
寄り道をしなければ、2時間ほどで走り切れる道だが、丹後半島の日本海沿岸には見どころが多く、最低でも途中で1泊はしたいところだ。
理由は以下の記事をご覧いただけば、きっと納得いただける。
そうなると車中泊地は、位置からして「道の駅てんきてんき丹後」が最有力候補に挙がるわけだが、確かにこの道の駅は”旅の宿”に適している。
まず景観だが、海に面した「道の駅てんきてんき丹後」周辺の海岸には、美しい海岸美を誇る「山陰海岸ジオーパーク」のジオスポットが連続しており、写真の「立岩」までは、併設する「てんきてんき村オートキャンプ場」の中を歩いて通れば15分ほどで行くことができる。
いっぽう海の幸に目をやると、グルメ通には「間人(たいざ)」といえば、ピンと来るはずだ。
丹後半島はズワイガニの地域名である松葉蟹の一大産地だが、中でも「道の駅てんきてんき丹後」がある「間人(たいざ)」は港から漁場が近く、獲ったその日のうちにセリにかけられ、鮮度の高い蟹が京阪神の料亭などに届けられる。
宿で食べれば、今やひとり5万円は下らない高級食材だが、後述する通り「道の駅てんきてんき丹後」はオートキャンプ場を併設しており、松葉蟹の解禁シーズンにあたる12月1日~2月末は、電源付きサイトで2500円、電源なしのサイトは2000円 (1サイト1泊・税込み)で利用できる。
松葉蟹は夕日ヶ浦まで行けば、大きな店があるので簡単に手に入る。
もちろんけして安くはないものの、雰囲気を愉しむのなら、地元で「こっぺ」と呼ばれるメスを酒の肴にしてもいい。
そのような理由から「道の駅 てんきてんき丹後」は、できた当時から京阪神の人々によく知られ、車中泊スポットとして親しまれてきた。
そしてまた筆者が初めて車中泊をしたのも、「道の駅てんきてんき丹後」だった。
ただし冬は積雪することも珍しくないので注意が必要。
ゆえにタイヤチェーンかスタッドレスタイヤがないと危険だが、今はこういう着脱が簡単な滑り止めも販売されている。
さて。
「道の駅 てんきてんき丹後」の一風変わった駅名に、違和感を覚えた人はいないだろうか…
その由来は、冬が近づくと天候不順な日が多くなることから、収穫に感謝し、五穀豊穣を願って毎年10月に行われてきた、近くの竹野(たかの)神社の神事にある。
大元は神事が奉納される際に、晴れるようにと祈りをこめて「コエカケコエカケハジメヨウ。テンキテンキ、ヒヨリヨイサ」と囃し立てることにあるようだが、この”どうでも良さそうな話”が、歴史好きには極めて興味深いのだ。
実は「道の駅 てんきてんき丹後」は、竹野遺跡の発掘跡地に建っている。
さわりだけ紹介すると、古代の丹後半島には「ヤマト王権」とは別の渡来人が築いた強大なクニが存在し、その存在が現在の日本創生に多大なる影響を及ぼしていることが、考古学・歴史学から実証されている。
その舞台が、実は道の駅の付近になる。
この先は歴史に興味があればご覧いただきたいのだが、読めば宮津にある「元伊勢籠神社」の意味はもとより、伊勢神宮に「外宮」ができた理由までもが紐解ける。
「道の駅 てんきてんき丹後」の施設
少々前置きが長くなったが(笑)、
まず「道の駅てんきてんき丹後」の駐車場は、全体的にフラットで車中泊には支障がない。
駐車場の一画には利用上の注意の看板が立てられているが、クルマ旅の旅行者が”旅の宿”として利用するのは容認されている。
近年、外野がごちゃごちゃと道の駅での車中泊について語っているが、その可否に関わる現実を、もっともよくわきまえているのは、ベテランの車中泊旅行者をおいて他にはない。
そしてその件は、とうの昔に解決済みだ。
次に「道の駅てんきてんき丹後」の24時間トイレは、駅舎の写真の右端にある。
トイレにはウォシュレットが完備。
ただ2023年11月に再訪した時は、授乳室を設けるための工事が行われており、2024年2月末まで、仮設トイレしか使えない。
こちらは2023年11月現在の、「道の駅 てんきてんき丹後」の売店。
以前に比べると商品の数は少なくなったようだが、相変わらず土産物は豊富に並んでいる。ただしお菓子や加工品が大半で、野菜やすぐに食べられる食品類はほとんど置いていない。
こちらが現在の食事スペース。
「道の駅 てんきてんき丹後」では、もっとも紆余曲折を重ねてきた場所だが、よくやくこれで落ち着いた感じだ。
とはいえメニューはごくごく平凡で、どちらかといえば値段も高め。
食事では、1キロほど離れた「地産食堂ひさみ」が、地元では昔から有名だ。
筆者がお勧めする「道の駅 てんきてんき丹後」の見どころは、建物の一番左奥に設けられた「山陰海岸ジオパーク京丹後市情報センター」だ。
地元在住のスタッフが駐在しており、見どころのガイダンスが受けられるほか、パネルによる展示、詳しいマップの配布なども行っており、さらにここでは、琴引浜の鳴砂体験も無料でできる。
当初はここが食堂だったが、むしろ今の方が道の駅らしくていい。
てんきてんき村オートキャンプ場
合わせて、「てんきてんき村オートキャンプ場」についても紹介しておこう。
前述した通り、「てんきてんき村オートキャンプ場」は、3月1日から11月末までは通常料金の4000円だが、それ以外の期間はクルマ1台1泊2000円ポッキリで利用することができる、通年キャンパーにはありがたい施設だ。
「てんきてんき村オートキャンプ場」には全部で55の区画サイトがあり、そのうちの7つが20Aの電源サイトになっている。
ここで2500円払えば、充電はもちろん、水の排水・補給に、ゴミの処理までできるので、キャンピングカーにとっては、山陰海岸を旅する際のオアシスになる。
なおペット同伴の場合は専用サイトの利用となるので、チェックイン時にその旨を道の駅に伝えることが必要だ。
ちなみに…
「てんきてんき村オートキャンプ場」のオフィシャルサイトのこのページには、見覚えのある写真が出ている(笑)。
実はこのオートキャンプ場を夏季を除く期間、オフ料金で利用できるよう提案したのは他ならぬ筆者だった。
その関係で当時のHPも筆者が制作したが、その時の画像が現在も使われている。
ただ当時はクルマ1台1泊1000円だったが、現在は2000円に引き上げられ、期間も大幅に縮小されている。
これは車中泊より、近年のキャンプブームによる影響を受けてのことだろう。
「道の駅 てんきてんき丹後」の車中泊好適度
「道の駅 てんきてんき丹後」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機の横に設置。
トイレがウォシュレットになっても、可燃物のゴミ箱が相変わらずないのは残念。ただ「道の駅 舟屋の里 伊根」には置いてある。
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 てんきてんき丹後」の最寄りの温泉&周辺買物施設
はしうど荘
※徒歩圏内
☎0772-75-2212
大人600円
平日:16時~22時(受付最終21時30分)
土日祝:13時~22時(最終受付 21時30分)
コンビニ
ヤマザキYショップまで約1.3キロ。
スーパーマーケット
約2キロのところに「にしがた間人店」がある。
「道の駅 てんきてんき丹後」のアクセスマップ
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