車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、桜の名所で知られる「蹴上インクライン」の概要と周辺の見どころ及び駐車場を詳しく紹介しています。
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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
蹴上インクラインは、2020年に「日本遺産」に選ばれた「琵琶湖疏水」のランドマーク・スポット
蹴上インクラインの概要と歴史
まず、耳慣れない「インクライン」というのは、”青い水が流れる筋”とかではなく、水運で使われた舟を、斜面に軌道を作って昇降運搬する装置のこと。
京都を代表する桜の名所となった今は、どちらかと云えば地名のような印象だが、
昭和の中頃までの京都では、水路を運行してきた舟が、落差の大きい「蹴上」に入ると、「インクライン」で水から引き上げられ、「南禅寺舟場」まで運搬されていた。
そしてその水路が、明治維新以降の荒廃した京都に、給水・灌漑(かんがい)・発電などを目的に、琵琶湖の水を人工的に引き込んだ「琵琶湖疏水」だ。
幕末の攘夷派と佐幕派の争いで荒廃した京都は、明治30年代になってもまだ上水道や満足な下水道がなかったため、飲料水が汚染され、伝染病が流行するなど、まちづくりの課題が急務だった。
そこで大規模な治水事業として、「琵琶湖疏水」が作られることになる。
京都の町に衛生を蘇らせただけでなく、水力発電によって大きく発展させる成果をもたらした、「琵琶湖疏水」建設のストーリーは、2020年6月に「京都と大津を繋ぐ希望の水路 琵琶湖疏水~舟に乗り、歩いて触れる明治のひととき」として日本遺産に認定されている。
そして当時の難関工事の記録は、近くにある無料の「琵琶湖湖水記念館」に行けば、映像と展示で見ることができる。
昭和23年に務めを終えた、全長582メートルに及ぶ世界最長の「インクライン」は、今は線路のみが残され、両脇には90本のソメイヨシノが植えられている。
アクセス&最寄りの駐車場
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出典:そうだ京都、行こう
公共交通機関を利用する「蹴上インクライン」へのアクセスは、京都市営地下鉄東西線の「蹴上駅」から徒歩3分。
筆者が京都市内観光のベスト車中泊スポットに挙げている「京阪パーキング三条駅前三条駅前」にクルマを置き、そこから地下鉄に乗れば2駅目になる。
ただ「インクライン」しか見ないのなら1時間もかからず、周辺観光を合わせても半日あれば収まりそうな岡崎へは、クルマで移動するほうがその後の行動を考えるといいかもしれない。
というわけで、最寄りの駐車場&車中泊情報を合わせて記そう。
まずは市営の岡崎公園駐車場だが、7時~22時は30分300円、22時~翌7時は30分100円、最大料金は平日が1200円で土日祝は1800円。
ただし残念ながら地下なので、車高2.3メートル以上の車両は入庫できない。
ハイルーフ車にお勧めなのは、平安神宮の神通道と仁王門通りの交差点近くにある、平面の「今昔・平安神宮前パーキング」になる。
トイレはないが、すぐそばに24時間営業のセブンイレブンがあり、ライトアップ後、車中泊することも可能だ。
料金は全日30分200円・平日日中最大料金1100円(土日祝の日中はなし)、夜間(20時~翌日8時)は曜日にかかわらず600円と良心的だ。
いっぽうこちらは、そのすぐ近くにある21台収容の「タイムズ平安神宮前」で、写真の左側にセブンイレブンがある。
料金は全日15分220円。24時までの最大料金は平日800円、土日祝1500円。
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周辺の見どころ
「琵琶湖疏水」絡みで見ておきたいのは、「蹴上インクライン」から約850メートル・徒歩10分ほどの「南禅寺」境内にある「水路閣」だろう。
1888年に造られたレンガと花崗岩造りの洋風建造物でありながら、純和風の景観に溶け込むような佇まいを見せており、インスタ映えする写真が撮れることで、国籍・老若男女を問わず人気がある。
石川五右衛門の”絶景かな、絶景かな”の舞台で有名な「南禅寺」は、境内の見学だけなら無料で済むのでお勧めだ。
以下にその歴史と見どころを詳しく紹介しているので、よろしければ参考に。
いっぽう、雑誌やポスターで時々見かけるこの光景は、「蹴上インクライン」から疎水沿いに続く仁王門通りから見える京都市動物園の桜。
「水路と京都近代化の先駆け」を基軸に掲げ、都市景観100 選に選ばれている岡崎地区は、古都京都のイメージとは異質の大きな建物が目立つ、広々とした空間で、クルマも走りやすい。
その景観を理解するうえで重要なのが「平安神宮」だ。
「桓武天皇」が唐の都・長安を参考に築いた「平安京」の姿が、実はこの地に再現されている。
平安京大内裏の正庁を模した応天門など、朱塗りの建築が映える「平安神宮」は、1895年(明治28年)の平安遷都1100年祭の時に建立され、「桓武」「孝明」の両天皇を祀っている。
また毎年10月22日に催される「時代祭」も「平安神宮」の行事になる。
境内は桜の木が少ないが、東、中、西、南の4苑に別れた池泉回遊式庭園の神苑(有料)には、池に映り込む美しい枝垂れ桜があり、毎年ライトアップとともに「平安神宮紅しだれコンサート」が開催される。
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