幌加内と並ぶ北海道の蕎麦処 新得そばの館(そばレストラン玄穣) 

道北の有名店

帯広と狩勝峠を結ぶ国道38号の途中に位置する新得町にさしかかると、あたり一面に広がる蕎麦畑が車窓に映る。一帯は「蕎麦ロード」と呼ばれ、特に純白の小さな花が咲き乱れる7月は、畑全体が鮮明なミントグリンの絨毯と化すため、その作付面積の大きさがよく分かる。

人参・玉葱・カボチャ・大根… 北海道には日本一の生産量を誇る農作物がたくさんあるが、実は蕎麦も2位の茨城県以下を圧倒的に引き離している。

北海道の蕎麦の産地は、幌加内を筆頭にした道北エリアが有名だが、新得町での栽培は明治時代にまで遡り、100有余年の歴史を誇っている。特にここでは乾蕎麦の製造販売が盛んで、朝晩の寒暖差が大きいという気候条件を生かし、地域をあげて蕎麦産業の育成に力を注いできたという。

事実、筆者は幌加内と新得の乾麺をまったく同条件で食べ比べたことがあるのだが、その時は明らかに「新得そば」のほうが勝っていた。

さて、「蕎麦ロード」沿いにポツンと建つのが、「そばの館」。手打ちそば体験道場・特産品販売コーナー、そしてレストラン「玄穣(げんじょう)」からなる一体施設である。

注文したのは、もっともポピュラーな「せいろ蕎麦」(700円)。席に座るとまず「蕎麦茶」が運ばれてきたのは嬉しい心遣いだった。ここでは地元の蕎麦を石臼で自家製粉し、挽きたて、打ちたて、ゆでたての「三たて」で食わしてくれるらしい。もっとも、それはどこの蕎麦処の看板にも書いてある(笑)。

麺は喉越し、硬さ、茹で具合ともにほど良く、つゆは辛すぎずさっぱりしていて旨かった。信州や東北に来ると、甘みのあるつゆに慣れ親しんだ関西人には、麺つゆの塩辛さが気になることが多いのだが、この店ではそれを感じることもなかった。

とはいえ、わざわざ帯広からこの店に行くほどではないと思う。狩勝峠超えで富良野方面と行き来する機会があれば、試しにどうぞ。

新得そばの館

所在地:新得基線102 
TEL:0156-64-5888 
営業時間:4月~10月11:00~19:00 11月~3月11:00~17:00 
定休日:なし
駐車場:有 

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