この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、日本全国で1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、「車中泊ならではの歴史旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
細かく見るなら、ガイドツアーへの参加がお勧め
龍馬の脱藩に同行した沢村惣之丞(さわむら そうのじょう)の口述記録によると、正式な「坂本龍馬・脱藩の道」は、土佐の高知から梼原、伊予の大洲・長浜、そして長州の下関に至る道のりだ。
ゴールは、後に龍馬が妻のおりょうと短い至福の時間を過ごす、「自然堂」のあった白石正一郎邸になる。
もちろん当時は船で最短距離に近いルートを辿ったと思うが、国道優先でナビゲーションすると、その距離はなんと500キロ弱。それにしても、龍馬は本当によく歩く(笑)。
梼原に残る「脱藩の道」の見どころ
モデルルートは以下の通り。
千枚田―(徒歩30分:3km)→道の駅ゆすはら―(徒歩20分:2km)→那須俊平・信吾邸跡―(徒歩10分:1km)→六志士の墓―(徒歩10分:0.5km)→旧掛橋和泉邸―(徒歩10分:1km)→神幸橋(みゆきばし)―(徒歩20分:2km)→ 維新の門群像 ―(徒歩40分:4km)→宮野々番所跡―(徒歩2時間:8.5km)→茶や谷の茶堂―(徒歩15分:0.5km)→松ヶ峠番所跡―(徒歩2時間10分:6km)→韮ヶ峠(愛媛県境)
ただしこれを合計すると、片道28.5キロ、徒歩だと約7時間近くかかる計算になり、よほどの健脚でなければ完歩するのは難しい。
もちろん筆者はクルマで周った(笑)。
ただ肉体のしんどさよりも、「脱藩の道」の見どころは深い知識を要するため、自力ではなかなか理解しにくいと思う。
そこでお勧めしたいのが、梼原町役場が実施している「坂本龍馬脱藩の道 ウォーキング」と題したガイドツアーだ。
坂本龍馬脱藩の道 ウォーキング
梼原町内中心部にある、坂本龍馬等ゆかりの史跡を約1時間半から2時間かけてガイドが案内して回るウォーキングガイド。
希望があれば、野越え(脱藩の道 梼原町の入口)から韮が峠(県境)までの案内も可能(別途料金が必要)。
料金 :ガイド1名につき3千円 (ガイド1名につき10名程度受け入れ)
期間・時間 :申し込みに応じて随時
<問合せ先>
坂本龍馬脱藩の郷 ゆすはらであいの会
TEL:0889-65-1187
ガイドツアーで行けなかった場所は、後からクルマで周ればいい。ちなみにガイドブックでよく見る韮ヶ峠は、梼原総合庁舎からクルマでも30分はかかる。