車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年5月現在の「道の駅 道の駅 大栄」の車中泊に関する情報です。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。


名探偵コナンでお馴染みの「道の駅 大栄」は、鳥取県の国道9号線に残る”老舗”の道の駅だが、このままでは先細りの可能性が大きい。
「道の駅 大栄」 DATA
道の駅 大栄
〒689-2221
鳥取県東伯郡北栄町由良宿1458-10
☎0858-37-5451
営業時間
直売所 9時~17時
「道の駅 大栄」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第1回
登録日/1993年4月22日
2023年4月29日に食堂をリニューアル。
「道の駅 大栄」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.11.06
2016.03.21
2022.05.06
2023.05.06
※「道の駅 大栄」での現地調査は2022年5月が最新になります。
道の駅 大栄【目次】
「道の駅 大栄」のロケーション
「道の駅 大栄」は鳥取県の日本海沿岸を走る国道9号沿いにある、”日本で最初に登録された103件の道の駅”の中のひとつだ。
それから30年近く歳月が流れた2023年現在は、山陰道の延伸に伴って東西に続々と新しい道の駅ができたことで影が薄くなっているが、それまでは同じ1993年に登録された「道の駅 北条公園」とともに、山陰と近畿を行き交うドライバーの重要な休憩地の役割を果たしてきた。
しかし「道の駅 北条公園」も、山陰道の残る『「大栄東伯インター」~「はわいインター」』間の延伸及び、そこに北条倉吉道路(国道313号)を連結する「北条ジャンクション」の設置が決まったことにより、既にリニューアルに向けての工事が始まっている。
そのうえ、もっと困ったことに…
これまで「道の駅 大栄」の集客を担っていたのは、隣接して建つ「名探偵コナン」の聖地「青山剛昌ふるさと館」だったのだが、こちらも所蔵品の収蔵するスペースが不足していることなどから、現在の場所から750メートルほど離れた由良駅に近い「出会いの広場(鳥取県運転免許試験場跡地)」に移転することが決まった。
北栄町では、延べ床面積が現在のおよそ3倍となる3000平方メートルの新たな施設を2027年中に開館する予定だというが、今度は徒歩で10分ほどかかるため、クルマ客からは「道の駅 大栄」がスルーされる公算が高い。
そのためには、よほど観光客を引き付けるコンテンツが必要だが、これまで”おんぶに抱っこ”でやってきただけに、自力では難しいに違いない…
まさに”どうする家康”ならぬ、”どうする「道の駅 大栄」”。
こんな時こそ、コナン君のアイデアが必要では?(笑)。
「道の駅 大栄」の施設
まず、「道の駅 大栄」の駐車場は2ヶ所に分かれている。
こちらが駅舎の前のメインの駐車場で、普通車専用になっている。
路面はフラットで車中泊に支障はなく、収容台数もレイアウト図をみるかぎり、100台ほどはありそうだ。
いっぽうこちらは、大型車も利用するもうひとつの駐車場だが、トイレにも遠く車中泊にはあまり適していない。
続いて、「道の駅 大栄」の駅舎は大きく3つから構成されているが、24時間トイレは写真中央の情報交流施設の中にある。
中はこういう感じで、トイレとの関係上24時間利用が可能だ。
トイレは既に改修されて、ウォシュレットが完備している。
こちらは地元の登録農家が毎朝持ち込む、新鮮な野菜・果物・花などを販売している「お台場いちば」と呼ばれる直売所。
北栄町の特産品である、「大栄すいか」と「砂丘ながいも」が人気のようだが、土産物や弁当・惣菜類の品揃えは少なく、車中泊旅行者には物足りない。
そしてこちらが、2023年4月28日にリニューアルオープンしたばかりの「鳥取グルメパーク ど真ん中食堂」になる。
ちょうど1年前に訪ねた時は「休館中」だったのだが、おそらくコロナ禍で業者が退店して、なかなか後釜が決まらなかったのだろう。
こちらがオープン当初のメニュー。
正直、筆者はこれならクルマで10分ほど走って「道の駅 琴の浦」か「道の駅 ポート赤碕」に行く。
メニューには明らかに格差を感じるし、なにより「鳥取グルメパーク ど真ん中食堂」というたいそうな店名は、実態に比べてギャップが大きいように感じた。
食べてもいないのに?
観光客は全員、食堂に入る前は”食べていない”。すなわち、ビジュアルと口コミを頼りに入店するかどうかを決めている。
ただ道の駅サイドは、それも”織り込み済み”だと思う。
それは看板以外に、ほとんどお金をかけていないことを見れば一目瞭然だ。
ロケーションで書いたように、「道の駅 大栄」を取り巻く環境はかなり流動的で、ある程度の動向がつかめたところで、ここも本格的なリニューアルの計画が持ち上がるか、もしかするとすぐ近くで現在改修工事が進む、「道の駅 北条公園」に統合される可能性もある。
採算性を考えれば、民間ならよほどの大逆転が期待できるコンテンツが見いだせないかぎり、そうするのがセオリーだ。
ただ、その中でもやりようがあるのは、ゴミ対策だと思った。
「道の駅 大栄」の車中泊好適度
「道の駅 大栄」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機横に設置。
皆さんにはここで気がついて欲しいことがある。
この道の駅ではなぜ、こういう表示をしているのだろう?
それは利用者から「(可燃物の)ゴミ箱はどこにありますか?」とよく聞かれるからにほかなるまい。
あまりによく聞かれるので、すぐに分かるようにしてあるとも云える訳だが(笑)
裏返せばそれは、「持ち歩いているゴミを捨てさせて欲しい」というウォンツに下支えされた、「可燃物のゴミ箱」というニーズでもある。
かつてビジネスの世界では、それに対処することをCS(カスタマーズ・サティスファクション=顧客満足度)と呼んで持て囃したものだが、「道の駅 大栄」ではそのCSを、あらかさまに踏みにじっている。
しかも、わざわざお客様が答えを教えてくれているのに…だ。
企業はその答えを求めるために、専門のセクションを設け、日々莫大なる経費を投じている。
世間ではそれを「マーケティング・リサーチ」と呼ぶが、民間ではあり得ないチャンスロスを「道の駅 大栄」は犯している。
もしリニューアルするのなら、こういう感性しか持ち合わせていない責任者に任せていいのかどうか…
再検討するほうがいいかもしれない。
もっとも近隣の道の駅を見るかぎり、本当の黒幕は道の駅の駅長に指示命令ができる立場の人間のようにも思えるが(笑)。
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 大栄」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
ハワイゆ~たうん(はわい温泉)
道の駅から約16キロ・15分
☎0858-35-4919
おとな370円
9時~21時(受付最終20時30分)
第4木曜日 定休
※その他の木曜日は17時から営業
ただし、そこまで行くなら車中泊には「道の駅 燕趙園」のほうが近い。
コンビニ
ローソンが約1.3キロのところにある。
スーパーマーケット
「東宝ストア 由良店」まで約1.2キロ。
「道の駅 大栄」のアクセスマップ
鳥取県の道の駅
車中泊好適度チェック!


車中泊でクルマ旅 総合案内
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