「下鴨神社」と「上賀茂神社」との違いと、その見どころ及び駐車場の紹介です。
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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
下鴨神社のオンリーワンは、縄文時代から原生林が残る「糺の森」と、神様の台所と呼ばれる「大炊殿」

下鴨神社 DATA
下鴨神社(賀茂御祖神社)
〒606-0807
京都市左京区下鴨泉川町59
☎075-781-0010
参拝時間
6時~17時
参拝料
境内は無料
大炊殿(おおいどの)500円
駐車場(西駐車場)
200円/30分
※正月・みたらし祭・五山の送り火の時期は1時間600円、以降30分毎に200円
下鴨神社の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2011.11.20
2018.03.18
※「下鴨神社」での現地調査は2018年3月が最新で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2024年6月に更新しています。
下鴨神社 目次
「上賀茂神社」と「下鴨神社」の関係

両社の起源はもともと別だが、平安京遷都直前に同格扱いとなり、合わせて「賀茂神社(賀茂社)」と呼ばれるようになった。
一番の違いは「祭神」だ。

「上賀茂神社」には「賀茂別雷大神(かもわけいかづちおおかみ)」が祀られており、「下鴨神社」は、その母の「玉依日売(たまよりひめ)」と祖父の「賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)」を祭神にしている。

詳しい創建の経緯は、以下の「上賀茂神社」の記事に詳しく記載しているので、ここでは割愛させていただくが、「上賀茂神社」は平安京が誕生するより100年以上も前の、678年(白鳳6年)創建と伝わる京都最古の神社で、「下鴨神社」の創建はそれより後なのは確かだが、正確な時期は不詳のようだ。
ところで。
名前に同じ「かも」がつくのに、なぜ漢字が違うのだろう?

実は京都の町を北から南へと流れる鴨川は、下鴨神社より上流を「賀茂川」と呼び、出町デルタ(鴨川デルタ)で高野川と合流した後は「鴨川」に名前が変わる。
写真は今出川通にある「賀茂大橋」の上から撮影しているが、学生時代はここが通学路だったので、毎日のようにこの光景を見ていたわけだが、そんなことはまったく知らなかった。
どこで暮らそうが、日常生活というのはそういうもんだね(笑)。

公式サイトによると、「賀茂川」と「高野川」が合流する場所に鎮座する「下鴨神社」は、賀茂川の下流にあり、古くから正式名の「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」を表す際には「鴨」の文字が使用されたことから、「下鴨神社」とも呼ばれるようになったそうだ。
下鴨神社の見どころ

ネットで「下鴨神社 見どころ」と検索すると、やれ「縁結び」だの「美容」だの「パワースポット」だのと、”お姫様言葉”をこれでもか!とばかりに羅列したサイトが、上からズラリと並ぶのには呆れる。
並べるGoogleにも節操がないと思うが(笑)、さすがに「世界遺産」としては軽すぎる”と云わざるを得ない。
これでは”未来のために残すべき”と、ユネスコが判断した日本の資産を、神をも恐れぬ不埒な輩が、よってたかって貶めているようなものだ。
そもそも縁結びのために、今どき神頼みをする女子など時代遅れも甚だしい。
令和の現代はマッチングアプリこそが、最強の縁結びの神様だ(笑)。
さしたる由緒や見どころのない神社が、それに頼るのはまだしもだが、正直云って、これでは他の史跡に「世界遺産」の冠を譲ったらどうだと云いたくもなる。
そう嘆きつつ、「下鴨神社」の「世界遺産」たる所以を探ってみた結果、3つの見どころが浮かび上がった。

最初の見どころは、「下鴨神社」の参道でもある「糺(ただす)の森」。
天然記念物に指定されている「糺の森」は、縄文時代から存在するブナの森林で、平安京以前の生態系を維持していることから、”都会の原生林”と呼ばれている。

立木の密度が極めて高く、新緑も美しいが、高木の落葉樹が葉を落としてから低木のカエデに陽が当たって紅葉が始まることから、京都でもっとも遅くまで紅葉が楽しめ、見頃は12月中頃まで続くという。

出典:毎日新聞
また例年5月3日に行われる、「流鏑馬(やぶさめ)神事」の舞台としても有名だ。

出典:ローム歳時記
2つ目は国宝の「本殿」と、それを取り巻く建造物になる。

まず「糺の森」から鳥居をくぐって直進すると、朱塗りの「楼門」が現れる。

さらに「楼門」をくぐると、正面に「舞殿」「中門」が続き、さらにその奥に「幣殿」に守られた「本殿」がある。
写真の「楼門」と「舞殿」は、ともに江戸時代の1628年に建て直されており、重要文化財に指定されている。

出典:文化遺産オンライン
そしてこちらが1863年に造り替えられた、国宝の「本殿」になる。
「楼門」「舞殿」よりも新しいにもかかわらず、国宝に指定されている理由は、21年に1度の「式年遷宮」で営々と建替えが行われてきたことにより、建物自体は新しくとも、古式を良く守っているからだという。
ただ現在の「式年遷宮」は、文化財保護法が制定されたことにより、建替えはせず、主に屋根の桧皮葺の吹き替えなどの補修のみが行われている。

なお「本殿」はそれを取り巻いている「幣殿」の外からでは、壁だけでなく御簾や柱などに阻まれ、全体像を見ることができないため、写真は「文化庁」からの借り物を載せている。
とはいえ、ここまでの見学は無料。
神社はそれがいいね。

そして最後は、見学が500円の有料になる「大炊殿(おおいどの)」だ。
「大炊殿」は”神様の台所”にあたる場所で、平安時代の「鴨社古図」にも登場する古い建造物だが、現存する建物はやはり1628年に造り替えられたもので、重要文化財に指定されている。

入り口の土間には竈(かまど)があり、中の間が台所になっていて、葵祭に供された特別な神饌(しんせん)をはじめ、古代より伝わるお供え物のレプリカや調理器具などが展示されている。

また西側の別棟「御車舎(おくるまや)」には、葵祭などで使用される儀装馬車や、蹴鞠の装束といった、貴族社会に古くから伝わるものが展示されている。

いっぽう「葵の庭」と名付けられた庭には、徳川家の家紋のモチーフにされたと云われるフタバアオイをはじめ、カリン・ヌルデ・クチナシ・カツラ・ヤマウコギなどの薬草が栽培されており、とりわけ古木が有名となったカリンにちなみ、「カリンの庭」とも呼ばれている。

最後に余興ということで、「糺の森」に「御手洗川(みたらしがわ)」の流れる、「下鴨神社」らしい「水みくじ」を紹介しておこう。

「水みくじ」は「御手洗池」の近くで1枚300円で販売しており、文字の書いていないおみくじを水面に浸すと、運勢がゆっくりと浮き出てくる。
筆者はお約束通りの大吉だったが、下鴨神社のおみくじには「凶」がないとか。
うんうん、それがいい。
お客様を喜ばせて返すのが、商売のセオリーというものだ(笑)。
下鴨神社のアクセスと駐車場事情

「下鴨神社」には、「西駐車場」と呼ばれる乗用車専用の有料駐車場があり、100台程度が停められる。
料金は200円/30分。
※正月・みたらし祭・五山の送りの時期は、1時間600円で以降30分毎に200円。

ただし車高は2.3メートルまで。
筆者のハイエースは2.38メートルで、ご覧の通りギリギリで入庫できたのだが、キャンピングカーはこれを目安に利用を検討していただきたい。
ちなみに「下鴨神社」から「上賀茂神社」までは約3キロ。アップダウンは少ないが、徒歩なら45分ほどはかかるだろう。

とはいえ、晴れた日の加茂川べりは心地が良く、春は途中の「京都府立植物園」の北側にある「半木の道」が桜で埋まる。
またこのあたりは「科捜研の女」など、京都で撮影されるドラマのロケ地にもよく使われている場所だ。
さすがに往復すれば、参拝を合わせて10キロ以上歩くことになると思うが、帰りは「上賀茂神社」に近い、市バスの「大宮総門口」バス停から1系統に乗れば、「下鴨神社」前まで戻って来られる。
午前中に見終えれば、午後からはクルマで「大原」に行くのがいいかもしれない。
「大原」からなら、滋賀県の「道の駅 琵琶湖大橋米プラザ」や「道の駅 妹子の郷」で車中泊ができる。
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