この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 萩往還」は、併設している「松陰記念館」がおもしろい。
「道の駅 萩往還」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第1回
登録日/1993年4月22日
開駅日/1992年3月27日
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2020.10.11
2020.04.24
道の駅 萩往還【目次】
「道の駅 萩往還」のロケーション
萩城下町から約6キロのところにある「道の駅 萩往還」は、1993年に「道の駅 萩往還公園」として登録された、「103件ある日本で最初の道の駅」のひとつだ。
前を走る県道32号萩秋芳線は、当時は「萩有料道路」だったが、2010年に無料化され、その時に「道の駅 萩往還公園」は、物産販売施設やレストランの改修を受けてリニューアルオープンすると同時に、駅名を現在の「道の駅 萩往還」に改称している。
写真の「ようこそ萩へ」のゲートは、有料道路だった時代の名残で、それをそのまま現在に残している。
それにしても…
たったこれだけのことを調べるのに2時間近く費やしてしまったが、これで奇妙なこの道の駅のレイアウトの謎が解明された(笑)。「道の駅 萩往還」をご存知の方は、たぶん筆者と同じ疑問を抱かれたのではないだろうか?
萩往還とは
「萩往還」は江戸時代の参勤交代のために整備された「御成道(おなりみち)」で、日本海側の萩城(萩市)と瀬戸内海側の三田尻港(防府市)をほぼ直線で結ぶ全長約53キロの、いわゆる「古道」だ。
山陰と山陽を結ぶ「陰陽連絡道」として、幕末には維新の志士たちが往来し、歴史の上でも重要な役割を果たしてきた。
道の駅の近くにはその古道が残されており、そこを散歩してみたいのであれば、ここで車中泊をする意味があると思う。
「道の駅 萩往還」の施設
斯々然々の理由から、「道の駅 萩往還」は「歴史ファン向きの萩のエントランス」と呼ぶにふさわしい施設になっている。
その象徴が、長州藩が生んだ稀代の思想家「吉田松陰」の生き方をはじめ、人形を使った松下村塾の再現シーンや、手紙のレプリカなどを展示する「松陰記念館」だ。
「松陰記念館」は、NPO萩まちじゅう博物館が運営していることから、入場無料で写真撮影もOK。
これは吉田松陰フリークにとっては、まさに「ちむどんどん」(笑)、行かない理由が見つからない。
ただ吉田松陰という人物のことを知らなければ、興味も何も湧かないと思う。
自慢じゃないが、筆者はそれなりの松蔭バカ(笑)。
その足跡を辿って下田はもちろん、青森県の海辺にまで足を運んでいる。
さて。
こちらが「道の駅 萩往還」のメインになる下り線側(山口・美祢方面行き)の駐車場だが、傾斜があって車中泊にはあまり適していない。
江戸時代の宿場を意識した建物が並ぶ「道の駅 萩往還」は、前を走る県道32号が有料道路だった時代の名残で、駐車場は上下線別に設けられているのだが、駐車場・トイレ以外の施設は、すべて下り線側に集約されている。
ただしトイレにウォシュレットは設置されていない。
また山口県の道の駅にしては珍しく、可燃物のゴミ箱も見当たらなかった。
そこまで江戸時代にこだわらなくても、よろしいかと(笑)。
こちらが上り線の駐車場。
車中泊にはこちらのほうがまだ良さそうだが、そもそも道の駅が坂の途中にあるため、アクセルを吹かして通る車両が多く、騒々しさは否めない。
ちなみにかつては車両のUターンはできなかったが、現在は上り線側からも下り線側駐車場に進入できる。
なお上下線の駐車場間は地下道で繋がっており、歩行者の行き来は安全に行える。
勉強不足の筆者を驚かせたのは、レストランの「見蘭牛ダイニング玄」。
この行列を見れば、ここが「食べログ」でそこそこ評判のいい店であることは一目瞭然。なるほど、すぐに見つかった(笑)。
山口県萩市見島で飼育されてきた日本在来の見島牛の血統を受け継ぐ見蘭牛(前置き長すぎ!)が味わえる「見蘭牛ダイニング玄」は、地元の精肉専門店が直営しているレストランで、人気メニューは黒と赤の2種類の味が味わえるハンバーグとのこと。
確かにこのくらいの値段と行列なら、食べてもよかったところだったが、あいにく「松蔭博物館」を見たばかりの筆者は「胸がいっぱい」だった。
ちなみに「道の駅 萩往還」には、「うどん茶屋 橙々亭」という和食の店もある。
いっぽうこちらは2016年の春に農産物直売所を全面改装し、リニューアルオープンした「菜々色マルシェ」の店内。
特産の夏みかんを使ったデザートに加え、地酒・干物・蒲鉾といった萩の名産品が並んでいる。
また「野菜まぁと」には、今が旬の甘夏がたくさん売られていた。
最後に余談として、なぜ萩は夏みかんが有名なのか? という話をしておこう。
萩の夏みかんは、藩府の山口移転に伴う「明治維新」の置き土産
その歴史は維新で禄を失い、生活に困窮する士族救済の為に、藩の元官僚、小幡嵩政が苦肉の策として栽培したことに起因している。
確かに萩城下町を歩くと、立派な屋敷の庭に植わっている(笑)。
「道の駅 萩往還」の車中泊好適度チェック!
【プロの寸評】
純粋に車中泊環境を比べると、明らかに「道の駅 萩しーまーと」には劣る。前述したように古道を歩く人以外の旅行者には、ここでの車中泊は勧めない。
道の駅 萩往還 オフィシャルサイト
「道の駅 萩往還」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
萩阿武川温泉 ふれあい会館
道の駅から約10キロ・15分
☎0838-54-2619
おとな410円
10時~21時(受付最終20時30分)・火曜定休
コンビニ
セブンイレブンが約3.5キロのところにある。
スーパーマーケット
約3キロのところに「ザ・ビッグエクストラ 萩店」がある。
「道の駅 萩往還」のアクセスマップ
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萩 車中泊旅行ガイド