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世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」 概要と観光の秘訣

世界遺産
大門坂
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
https://kurumatabi.net/2019/05/19/inagaki_book/

熊野古道は、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部

お膝元の近畿在住者でも、この世界遺産の正式名を知らない人は少なくない。

中辺路

それはマスコミや行政が、「世界遺産・高野山」あるいは「世界遺産・熊野古道」というように、観光案内を便宜上分かりやすくするため、「世界遺産の構成要素単位」に切り分けた表記を使っているためだ。

しかし、説明する側の立場になれば、それは「致し方のないこと」。なぜなら、それほどまでにこの世界遺産の範疇は広い。早い話が、欲張りすぎだ(笑)。

「熊野古道」は6本ある。

熊野古道マップ

世界遺産構成要素のひとつである「熊野古道」は、聖地「熊野本宮大社」を目指す道であることは確かだが、1本道ではない。むしろ「道」というより、「ルート」と考えたほうが分かりやすい。

正しい理解は、上のマップの通り、紀伊路・小辺路・中辺路・大辺路・伊勢路・大峯奥駈道の6つのルートの総称が「熊野古道」になるわけだ。

霊場は「点」、参詣道は「線」

新宮 速玉神社

この世界遺産の全容を理解する秘訣は、「点」=霊場と「線」=参詣道を分けて考えることにある。

熊野古道

そもそも「古道」という、車両では通れなさそうな言葉が先行していることで、クルマ旅をする人間には今ひとつ関心が薄く、ピンと来るものがないのかもしれない(笑)。

そこへもってきて、実際に和歌山県南部を走ってみると、いたるところに「熊野古道」と書かれた表示がでてくるため、混乱してイライラもする(笑)。

実はこれが「熊野古道」を、必要以上につかみどころがないように感じさせている要因であり、旅人を「食わず嫌い」にさせているのだ。

そこで頭の地図から古道を消してしまおう。

国道311号

そして霊場をクルマで走れる国道で結んでみる。そうするとクルマ旅版の「熊野新道」が浮かび上がるので、それでまずは各霊場に足を運ぶといい。その結果、興味が湧くようなら、今度は本格的に熊野古道ウォークを始めるわけだ。

単純に、昔は巡礼に「歩く以外の方法」がなかった。もしキャンピングカーが平安時代にあれば、そりゃ白河法皇も喜んで利用したに違いない(爆)。

話をまとめると、「熊野古道」は「霊場」に参拝するために作られた道であって、本来のプロセスは、まず「霊場」を知ることにある。この世界遺産は「入り方」を誤ると「本末転倒」、たぶん最後まで分からずじまいに終わるだろう。

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