この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
炊事場・ゴミステーション・ウォシュレットを完備している「明治公園」の無料駐車場は、花咲車石と納沙布岬観光の車中泊地に最適。
明治公園【目次】
「明治公園」のロケーション
根室の市街地からほど近い「明治公園」は、花咲の「根室車石」まで約7キロ・クルマで15分、根室半島の先端・納沙布（のさっぷ）岬までは、約21キロ・クルマで30分のところにある。
あまり馴染みがないかもしれないが、国の天然記念物に指定されている「根室車石」はユニークな自然の造形物で、岩礁地帯になっている周辺には遊歩道が整備されていてお勧めだ。
筆者が「明治公園」の存在を知ったのは2010年。
その年に開催された「根室かに祭り」の後、近くで車中泊ができそうなところを探しているうちに偶然見つけた。
当時はさすがに穴場感が強かったが、それから10年以上経過した今でも、根室半島には道の駅が「すわん44ねむろ」しかなく、キャンプ場もない状況が続いているため、必然的に車中泊旅行者の間に「明治公園」の情報が漏れ広がった。
「明治公園」の施設
シンボリックな赤レンガのサイロが残る「明治公園」は、明治8年に国が創設した「開拓使根室牧畜場」という、日本で二番目に古い国立牧畜場の跡地を整備した市民公園で、根室十景、日本の歴史公園百選に選ばれている。
ちなみに第一・第三サイロは昭和11年、第二サイロは昭和7年に建てられたもので、3基とも国の登録有形文化財と近代化産業遺産に認定されている。
ちなみに「明治公園」の名前は、明治時代に作られたからではなく、サイロが建てられた当時の所有者の「北海道練乳」、後の「明治乳業」に由来するそうだ。
さて、本題はここから。
「明治公園」には駐車場が２ヶ所用意されているが、車中泊という観点からすると、お勧めなのは「第1駐車場」になると思う。
奥に見えているのが、ウォシュレットを完備しているトイレだ。
そしてその横には、ステンレスシンクの付いたキレイな水場がある。
さらにトイレを挟んだ反対側の隣には、倉庫になったゴミステーションがある。しかも嬉しいことに鍵は開放してくれている。
加えてすぐそばには無料のBBQエリアがあるので、ここではカセットガス缶まで引き取ってくれる。野暮な張り紙がないのは、なおいいね！（笑）。
ちなみに根室は、「道の駅すわん44ねむろ」にも屋外に可燃物用を含む立派なゴミステーションが置かれており、ゴミの回収については先進的だ。
結論として、「明治公園」では大手を振って、この屋根付きのBBQコーナーで自炊して、ゴミを片付け、食器も洗って車中泊ができる。
まさに、「ここをベスト車中泊スポットと呼ばずして、どこをいう」という話だ（笑）。
ただ、ゆえに「明治公園」に長期滞在して避暑を決め込むのは、たぶん難しい。当たり前だが、それを許すほど周囲の住民たちも寛大ではない。
あなただって、県外ナンバーの生活臭丸出しのクルマが、ずっと近くの公園に居座れば気持ち悪く思うはずだ。
筆者は、そういう近隣住宅街の人々に感謝したい。きっと彼らのおかげで10年以上にわたって、「明治公園」が車中泊禁止にならずに済んでいるはずだ。
マスコミもくだらないマナー違反ばかり取り上げるのではなく、こういう素晴らしい事例を取り上げ、全国に波及させてくれるといいのだが。
最後は、サイロが見える「第2駐車場」について。
キャパが大きく、日帰りで遊びに来る人はこちらを利用すると思うが、ゴミステーションとBBQコーナーからは、散歩気分になれるほど離れている。
加えて、隣接するこちらのトイレにはウォシュレットがなかった。
明治公園
〒087-0003 北海道根室市明治町
現地☎なし
※ カーナビ設定時の目印は、睦の園幼稚園（☎ 0153-23-2027）
【駐車台数】合計100台
「明治公園」の最寄りの温泉＆周辺買物施設
みなと湯
大人450円
15時～ 22時（日祝は10時～）・月曜定休
コンビニ
セブンイレブンまで約200メートル
スーパーマーケット
「コープさっぽろ」まで約200メートル
「明治公園」のアクセスマップ
道東 車中泊旅行ガイド
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