この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

「野付半島」は、消滅の危機に瀕する国内最大の砂嘴

出典:別海町役場
野付半島 ネイチャーガイド【目次】
消滅の危機に瀕する国内最大の砂嘴
知床半島と根室半島の中間に位置する野付半島は、根室海峡に突き出た釣針状の砂嘴(さし)で、その長さは約28キロにも及び、日本最大を誇っている。
野付湾一帯は、風蓮湖春国岱とともに、水鳥の生息地として国際的に重要な湿地の保護を主眼とする、「ラムサール条約」に登録されており、夏でもタンチョウの姿を見ることができる。
ただ近年は砂の流出が激しいうえに、地球温暖化による海面上昇の影響を受けて、自慢の砂州が年々狭まりつつあるようだ。
現在はご覧のように道路近辺まで海面が押し寄せてきているため、低気圧・地震・高潮等の気象条件により、立ち入り禁止になることも多い。
近いうちに砂州および道路が海水により切断され、半島ではなく島となり、野付半島自体が消失するとの見方もある。
行くなら陸続きで行ける早いうちがいい。
景観・花・そして野生動物と、見どころ満載!
野付半島をドライブするなら7月初旬がお勧めだ。
天気が良ければ、左側には国後の島影が大きく見え、右側の原生花園にはハマナスやエジカンゾウなどの色鮮やかな花が咲く。
ネイチャーセンターまでの道はほぼ直線。しかし、ここではゆっくり周囲を見ながら走ろう。
湾内では、北海道遺産に指定されている「打瀬舟」の姿が見られることもある。
また野付半島は、絶滅危惧種Ⅱ類と国の天然記念物のどちらにも指定されているオジロワシの繁殖地で、電柱やテトラポットに留まっている姿をよく見かける。
知床半島でも観光船から見られるが、陸上ではここが断然見つけやすい。
路肩でカメラを構えている人を見たら要チェック。クルマを路肩に止めて、ターゲットを確かめるといい。
休憩スポット「ナラワラ」
「ナラワラ」は塩害で枯死したミズナラの林で、「トドワラ」に向う途中にあり、見学用の無料駐車スペースがある。
「トドワラ」の枯木群はほとんどが倒木で、まるで動物の白骨が散乱しているかのような景観だが、「ナラワラ」はまだ木の形を留めている。
立ち枯れした風景写真が撮りたい人には、こちらの方がお勧めだ。
殺伐としたトドワラの景観。
トドワラとセットで楽しむ、野付湾のアザラシウォッチング
尾岱沼(おだいとう)漁港から野付半島の先端にあるトドワラ桟橋までを往復する「別海町観光船」には、片道約35分の遊覧と、1時間ほどのトドワラ散策が楽しめるお勧めの観光コースがある。

特産品は、ビールによく合う「北海しまえび」

尾岱沼の漁港はカレイの激釣スポット
別海町観光船が発着する尾岱沼漁港の一画から、投げ釣りでカレイが釣れる。

釣った魚を食べるなら、尾岱沼ふれあいキャンプ場へ。
尾岱沼漁港の近くには、低料金で利用できる尾岱沼ふれあいキャンプ場があり、ここなら釣りたてのカレイを調理できる。

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