この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
一番のお勧め観光スポットは、やっぱり「新穂高ロープウェイ」
奥飛騨温泉郷の観光&グルメスポット【目次】
新穂高ロープウェイ(新穂高温泉)
奥飛騨温泉郷といえば「平湯温泉」が中心になるわけだが、マイカーで自由奔放に行動できる車中泊の旅人には、やはりダイナミックな北アルプスの景観が迫る新穂高温泉まで出向いてほしいものだ。
そして新穂高温泉のランドマークといえば、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に二つ星として掲載された「新穂高ロープウェイ」になる。
蒲田川
北アルプスに端を発して奥飛騨温泉郷を流れ、栃尾で高原川に合流するのが蒲田川(がまたがわ)だ。
「深山荘」や「槍見館」、さらには「新穂高の湯」のすぐ脇を流れる渓流といえば、分かる人も多いと思う。
とりわけ川底から温泉が湧き出す「深山荘」の前は、川自体がぬるま湯になっていて、「新穂高の湯」よりもワイルドでおもしろい。
蒲田川は温泉水が流入する影響で、真冬でも水温が10度近くあり、3月1日の解禁時には、雪景色の中でイワナやヤマメが盛期のようにライズするという。
また蒲田川が高原川と合流する「荒神の湯」付近は、ちょっとした河川敷公園になっている。
無料の駐車場横には足湯もあり、散歩を楽しんだり、のんびりと時間を過ごすには最適だ。ここからは道の駅も近い。
うな亭
長年にわたって人気を維持する新平湯温泉の老舗。
観光地にありながら、今でも驚くような値段でうなぎ丼を提供しているが、人気の秘訣は関西仕込みの料理法にあると思う。
福地温泉朝市
福地温泉は、平湯温泉から栃尾温泉に向かう国道471号から外れた「隠れ里」的な雰囲気を持つ温泉郷だ。
「福地温泉朝市」はその中の「昔ばなしの里」に隣接しているが、露天商が何軒も並ぶ「朝市」ではなく、1軒の土産屋の軒先に、朝採れの野菜・山菜・果物などが少しばかり並ぶだけ。
だが、その土産屋がおもしろい(笑)。
店内には懐かしい歌謡曲のレコードジャケットが飾られて、昭和チックな骨董品や雑貨が品揃えのメインになっている。
もちろん奥飛騨の土産品も置いており、筆者はここでバラ売りしている朴葉と味噌を買うことにしている。
理由は、セット売りの商品は味噌が途中で足りなくなるからだ。
またすぐ隣には、日帰り温泉とおいしい五平餅の店もある。
平湯大滝
平湯大滝は、厳冬期に「氷瀑」化することで有名な名瀑で、スキー場と隣接しており、一帯は公園整備されている。
山菜麺喰処よし本
平湯バスターミナルから徒歩1.2分ほどのところにある、落ち着いた外観を持つ民芸調の和食処。
人気メニューの大きな朴葉に盛られた「ざる山菜そば」は、冷たくて夏向き。中高年には十分なボリュームがあった。
乗鞍&上高地
さて。
奥飛騨温泉郷からは、乗鞍岳と乗鞍高原、さらに上高地へと足を伸ばす人が多い。
奥飛騨温泉郷のホテル・旅館に滞在している宿泊客は、直行バスで乗鞍岳の畳平と上高地に出かける人が大半だ。
だが、車中泊の旅人は平湯トンネルと安房トンネルを通れば、10分足らずで長野県に出られる。
乗鞍岳山頂部と上高地は通年マイカー規制になっているが、シャトルバスの乗り換え駐車場では車中泊が可能だ。
ゆえに奥飛騨で1泊、乗鞍高原で1泊、さらに上高地行きのバスターミナルがある沢渡(さわんど)で1泊と、宿泊地を変えながら周るほうが効率的だし、楽しいと思う。
20年前のエピソード
今でこそ笑い話で語れるが、安房峠にはちょっと信じ難い思い出がある。
1998年の長野オリンピック前は、今の安房トンネルができておらず、北アルプスを越えて岐阜県側の平湯と、長野県側の沢渡を結ぶ国道158号は、安房峠で大型車の対向に手間取り、観光客シーズンには通過に5時間以上、夏休みや紅葉期には8時間近くかかることも珍しくなかった。
筆者が「奥飛騨温泉郷オートキャンプ場」にテントを張り、上高地に初めて出かけたのはちょうどその頃だったが、帰りのバスが安房トンネルの大渋滞にはまり、サイトに戻ってこれたのは、なんと夜の9時過ぎ。
この時にテントキャンプ旅行の大変さを身を持って学んだ筆者は、2年後の北海道で本格的な車中泊によるクルマ旅のデビューを果たすのだが、その時苦労して訪ねた上高地が、現在の筆者の土台となっている。
奥飛騨温泉郷 車中泊旅行ガイド
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