この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
正確に云うと、神の子池は摩周湖と同じ水が湧き出す神秘の泉
北海道の「青池」といえば、最近人気の美瑛白金地区にある「青い池」ではなく、この「神の子池」が元祖だ。
水温は年間を通して8℃と低く、重なり合うように沈んだ倒木が、腐敗することもなく水深5メートルの底に横たわる姿がはっきり見える。
そして、その隙間を縫うように数匹のオショロコマが泳ぐ光景は神秘的で、確かに太古の昔からずっと変わらぬ姿を、今も守り続けているかのようだ。
さて。カムイトー(神の湖)と呼ばれる摩周湖には、流れ込む川も、湖から流れ出す川もないことをご存知だろうか。
にもかかわらず年中水位が変わらないのは、湖の周辺に伏流水を湧き出させているからとされてきた。
「神の子池」は、長年その伏流水の泉といわれてきたのだが、Wikipediaには水質調査の結果、神の子池の水源は摩周湖本体ではなく、外輪山への降水が伏流水となって湧き出しているとの記述があった。
分かりやすく云うと、「神の子池」の水は「摩周湖の底」に端を発しているのではなく、外輪山から摩周湖を経由せずに、地下の水脈を通って湧き出しているということになる。
だがよく考えてみれば、流入してくる川がない以上、摩周湖の水だって元を辿れば外輪山への降水だ。
であれば大元は同じで、「ことさら」に違いをアピールする必要があるとは思えない。
学者じゃない我々にはどっちでもいいことだが、どうせなら昔話のままのほうが、ミステリアスでおもしろい(笑)。
マイカー・アクセス
「神の子池」は、道道摩周湖斜里線からハトイ林道に入り、2キロほど未舗装の道を進んだところにある。
林道の入口に「神の子池風景林」の看板が立っているし、今はたいていのカーナビにも登録されているので、迷うことはないと思う。
ただこういう看板も立っているので、人の少ない早朝に行くのは控えたほうがいいだろう。
池の手前には広い駐車場がある。