北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年7月現在の「道の駅 ウトナイ湖」の車中泊情報をご紹介。
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
2023年3月にリニューアルオープンを果たした「道の駅 ウトナイ湖」は、苫小牧西港フェリーターミナルから一番近い道の駅。
「道の駅 ウトナイ湖」 DATA
道の駅 ウトナイ湖
〒059-1365
北海道苫小牧市植苗156-30
☎0144-58-4137
営業時間
3月~10月:9時~18時
11月~2月:9時~17時
年末年始(12月31日~1月2日)のみ休館
「道の駅 ウトナイ湖」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第32回
登録日/2009年7月31日
2023年3月 リニューアル
「道の駅 ウトナイ湖」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2012.08.01
2012.10.20
2013.07.03
2015.08.17
2016.09.11
2020.08.04
2022.08.10
※「道の駅 ウトナイ湖」での現地調査は2022年8月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年7月に更新しています。
道の駅 ウトナイ湖【目次】
「道の駅 ウトナイ湖」のロケーション
苫小牧市の郊外にある「道の駅 ウトナイ湖」は、本州からフェリーで苫小牧に入港したばかりの旅人にとっては、最寄りの道の駅になる。
「商船三井フェリー(さんふらわあ)」の深夜便が夜7時45分に着岸する「苫小牧西港(苫小牧FT)」からは、約10キロ・15分ほど、また「新日本海フェリー」の敦賀便が夜8時30分に着岸する「苫小牧東港(周文埠頭FT)」からでも、約20キロ・30分で到着できる。
「道の駅 ウトナイ湖」は日高自動車道の「沼ノ端西インター」に近く、翌日から札幌はもとより、道南・道東・道北方面に向かいたい中高年の旅行者には、ここでの車中泊が無難だろう。
フェリーは乗っているだけなので、肉体的には元気だが、若い人と違って中高年は、夜になると目が見えにくくなる(笑)。
まして北海道の道は照明が少なく、夜間の走行には若い人も気をつけた方がいい。
さて。
「道の駅 ウトナイ湖」がある苫小牧市は、道内有数の港湾産業拠点都市だけに、周辺には北海道らしさを感じられる観光スポットは数少ない。
中には苫小牧の見どころとして、道の駅から40キロ近く離れた、切り立った岩肌一面を苔が覆う、写真の「樽前ガロー」や
同じく「白老」にある、アイヌ文化の復興・創造・発展のための拠点として近年整備された、「ウポポイ」を紹介しているサイトもあるようだが、
翌日に登別温泉や室蘭に向かう人にはいいとしても、それ以外なら何度目かのリピート時に訪ねればいいところだと思う。
とはいえ…
せっかくなので、どこかに立ち寄りたいという旅人には、ホッキ貝(ウバガイ)の漁獲量日本一を誇る、苫小牧のグルメスポット「マルトマ食堂」を挙げておこう。
ただし昼時は平日でも行列ができる。
マルトマ食堂
〒053-0012
北海道苫小牧市汐見町1丁目1番13号
☎0144-36-2023
5時~14時
日曜・祝日定休
こちらは元祖「生ホッキ丼」。肉厚で甘みが強いのが特徴だが、ブームとなった「カレーラーメン」の影響からか、最近は「ホッキカレー」のほうが人気のようだ。
なお、もう少しマニアックなところを望むなら、下の航空写真にも出ている「道の駅ウトナイ湖」のすぐ近くに建つ「三星」がいいかもしれない。
ここは「紙の町」としても知られる苫小牧市の店らしく、パルプ材の年輪に見立てた「よいとまけ」で知られる製菓店だ。
「よいとまけ」は、アイヌの人が不老長寿の実として珍重したハスカップを、ジャムにして巻き込んだロールカステラのこと。
見た目は平凡だが、甘酢っぱさがうまさを引き立てる逸品だ。
「道の駅 ウトナイ湖」の施設
まず「道の駅 ウトナイ湖」の駐車場は、駅舎の正面に横長に広がっており、路面はフラットで車中泊に支障はない。
ただ信号から道の駅に入ってすぐに、大型車の駐車スペースがあるので、奥まで進んで駅舎の前に駐めるほうが静かに眠れる。
トイレは2023年のリニューアル前に、ウォシュレットに改修されていた。
「道の駅 ウトナイ湖」は、名前の通り「ウトナイ湖」の湖畔に建つ道の駅で、構内から湖の畔まで歩いて行くことができる。
この湖は動植物の宝庫・野鳥の楽園といわれ、250種を超える鳥類が確認されていることから、1982年に国指定鳥獣保護区に定められ、1991年には国内4番目のラムサール条約の登録湿地となっている。
ただ景観としてはいまひとつ(笑)。
双眼鏡やフィールドスコープを持っていない人は、期待して湖岸まで出向くより、敷地内にある無料の「ウトナイ湖野生鳥獣保護センター」で、渡り鳥の営みやウトナイ湖の四季の生態系を、映像で観るほうが楽しめる。
さて。
2023年3月17日にリニュアルオープンを果たした「道の駅 ウトナイ湖」の駅舎周りは、大きく様変わりしているが、筆者はまだ取材に行けていない。
館内は壁や床が一新され、マガンやハクチョウなどの野鳥が飛来するウトナイ湖を、屋内から見やすいようレイアウトを変更し、湖に面する窓際にはコンセント付きのカウンター席が設けられているようだ。
館内の詳細は、以下の動画でご確認を。
「道の駅 ウトナイ湖」の車中泊好適度
「道の駅 ウトナイ湖」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:館内にあり営業時間中に利用可
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機の横に設置
ただし写真は、2023年3月のリニューアル前のものなので、現在はあるかどうかわからない。
2016年までは野外に置かれていて、24時間利用できたのだが…
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 ウトナイ湖」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
大豊湯(銭湯)
道の駅から約5キロ
☎0144-55-2281
おとな480円
14時30分~23時(受付最終22時30分)
月曜定休
Pあり(20台)
シャワーやシャンプー類が揃ったスーパー銭湯はこちら。
なごみの湯
道の駅から約7キロ
☎0144-57-0753
おとな950円
日~木・祝:10時〜23時(最終受付 22時)
金・土・祝前日:10時〜24時(最終受付 24:00)
無休
コンビニ
ローソンまで約300メートル。
スーパーマーケット
約3.4キロのところに「マックスバリュ沼ノ端店」がある。
「道の駅 ウトナイ湖」のアクセスマップ