北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年7月現在の「道の駅 三笠」の車中泊情報をご紹介。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

日帰り温泉が隣接する「道の駅 三笠」は、札幌と富良野の中間に位置する利便性の高い「旅の宿」。
「道の駅 三笠」 DATA
道の駅 三笠
068-2165
北海道三笠市岡山1056-1
☎01267-2-5775
営業時間
観光協会:9時~17時
ファームセンター:8時30分~17時
飲食店:店舗によって異なる
休館日
毎週月曜日
「道の駅 三笠」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第1回
登録日/1993年4月22日
2017年に「食の蔵」をリニューアル。
「道の駅 三笠」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2015.08.16
2016.09.15
2018.07.21
2022.08.08
※「道の駅 三笠」での現地調査は2022年8月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年6月に更新しています。
道の駅 三笠【目次】
「道の駅 三笠」のロケーション
「道の駅 三笠」は、札幌市街と富良野を最短距離で結んでいる、国道12号のほぼ中間あたりに位置している。
周辺に目立つ観光地はないが、道央自動車道を使うにしても、2つの町を行き来しようとする旅人には、日帰り温泉とコンビニに歩いて行ける「道の駅 三笠」は、「車中泊地」の筆頭候補に挙がるだろう。
ただ…
1周間や10日程度で北海道を旅する人に、この道の駅は勧めない。
その利便性において、道内でも屈指の部類に入る「道の駅 三笠」は、道内在住者や北海道をひととおり周った人が、「旅の宿」として使うには悪くない。
しかしまだ北海道をそれほど知らないのであれば、貴重な1泊を、本州と大差のない町中の道の駅で過ごすよりは、富良野か美瑛周辺にできるだけ長く滞在するほうが、”はるばる北の大地にまで来た”という実感が得られるはずだ。
道の駅の評価というのは、使う人のキャリアや目的よって大きく変わる。
大事なのは、ネット上にあまた有る道の駅の評価を、その情報発信者のプロフィールまで確かめたうえで、”今の自分”に合うかどうかを測ってみることだ。
ちなみにこのサイトは、筆者と同じ”アラウンド「定年」世代”を強く意識している。
そのため、まだ若いVanLifeさんたちには、クラフトビールが如く濃厚でほろ苦く、それほど美味しいと思えるものではないかもしれない(笑)。
「道の駅 三笠」の施設
1993年(平成5年)4月22日の道の駅・第1回登録で認定された、全国103駅のひとつである「道の駅 三笠」は、1988年に地域の農業振興を目的に、三笠市の自然環境活用施設として建設された「サンファーム三笠」が前身だ。
つまりメインはこちら。
2017年にリニューアルされた現在の「食の蔵」は、地元農産物の直売店と飲食店の8店舗で構成された、プチなフードパークになっている。
ただし、営業時間は店舗によってマチマチ。飲食店は遅い店でも18時で閉店だ。
「みのる青果」には、隣のイオンも真っ青になりそうな迫力で野菜が並ぶ(笑)。
車中泊の旅人が喜びそうな店は、惣菜類を売っているこちらの「MAMO」。
名物のジャンボ茶碗蒸しは、なんとカップ麺よりもデカい!
さて。
航空写真で見るとよく分かるが、「道の駅 三笠」の駐車場は、建物を挟んで国道12号側のAと、裏手のBに別れている。
Aの駐車場は騒々しいだけでなく傾斜もあって、車中泊には適していない。
車中泊には、平坦なこちらのBの駐車場がお勧めだ。
24時間トイレは駅舎から少し離れた場所にあり、Bの駐車場からも行きやすい。
中はウォシュレットに改修されていた。
この建物が、ファームセンターと呼ばれる「道の駅 三笠」の駅舎。
向かって左側に、観光案内所と地域の土産物に特化した売店がある。
そして入口の反対側には、食事処の「ラーメンだるまや」がある。
さらに館内には、会議・催事などに使用できる研修室と、農産品加工用の加工室もあるようだ。
最後に。
唐突にも思える、玄関口に飾られたアンモナイトが気になった人もおられると思うが、これは昭和32年の桂沢ダム建設工事の際に、周辺から古代の化石が発見され、当時アンモナイトの化石のまちとして、世間から注目を集めたことの名残りらしい。
またそれより以前の三笠には、石炭と鉄道発祥の地として栄えた歴史がある。
道の駅から3キロほど離れたところには、今も石炭産業と盛衰を共にした「幌内線」の駅舎「萱野駅」が残されている。
「幌内線」は、石炭輸送のために1882年(明治15年)に、小樽~幌内間に敷設された、北海道最古の鉄道路線だ。
「萱野駅」は1913年(大正2年)に開設され、1987年(昭和62年)に「幌内線」の廃止と共に役目を終えた。
当時の北海道繁栄の足跡は、「空知の炭鉱跡」「室蘭の工場群」「小樽の港湾」、そしてこの「幌内線」を含む「道内各地の鉄道施設」に、見る者を熱くする産業景観として、今も多くが残されている。
日本遺産「炭鉄港(たんてつこう)」は、そんな北海道の近代化を支えた三都(空知・室蘭・小樽)を結ぶ物語だ。
”道の駅登録第1号”を謳うのなら、ホームページにこのくらいの説明はあってもいいんじゃないかな。
道の駅に来るのは、歴史を周知している地元の人ばかりじゃない。
「道の駅 三笠」の車中泊好適度
「道の駅 三笠」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:なし
このことからも、この道の駅の責任者は、近所の人しか目に写っていないことがよくわかる(笑)。
札幌と富良野には、本州から来る人だけでなく、同じ道内の稚内や釧路に住む人も、一度は足を運びたいと思っている。
500キロ近く離れたところから、よもや1泊2日で来るよしもない彼らが、本当にゴミを持ち帰れるのかどうか…
それを一番知っているのは、他ならぬ道民さんだと思うのだが。
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 三笠」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
太古の湯
☎01267-2-8700
おとな平日880円・土日祝980円
10時~22時(受付最終21時)
無休
コンビニ
セブンイレブンが敷地の中にある。
スーパーマーケット
「イオン三笠店が」が隣にある。
「道の駅 三笠」のアクセスマップ
道央の道の駅 カテゴリー別一覧
北海道車中泊旅行にお勧めの道の駅 TOP10


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クルマ旅のための車中泊入門サイト
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