北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年7月現在の「道の駅 石狩 あいろーど厚田」の車中泊情報をご紹介。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
2018年に開業した「道の駅 石狩 あいろーど厚田」は、日本海オロロンラインの「増毛」に近い、夕陽が見られる道の駅
「道の駅 石狩 あいろーど厚田」 DATA
道の駅 石狩 あいろーど厚田
〒061-3601
北海道石狩市厚田区厚田98-2
☎0133-78-2300
営業時間
4月~5月:9時30分~18時
6月~8月:9時30分~19時
9月~10月:9時30分~18時
11月~3月:10時~16:00時
※飲食テナントは10時30から営業。
時期により変更あり、材料がなくなり次第終了。また2階の飲食店は4〜10月までの季節営業になる。
年末年始のみ休館
「道の駅 石狩 あいろーど厚田」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第48回
登録日/2017年11月17日
オープン日は2018年4月27日
「道の駅 石狩 あいろーど厚田」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2018.07.21
2022.08.08
※「道の駅 石狩 あいろーど厚田」での現地調査は2022年8月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年6月に更新しています。
道の駅 石狩 あいろーど厚田
「道の駅 石狩 あいろーど厚田」のロケーション
2018年に開業した「道の駅 石狩 あいろーど厚田」は、実質的に小樽から稚内に至る約380キロのシーサイド・ロード、「日本海オロロン・ライン」の国道231号線沿いにある、比較的新しい道の駅。
JR小樽駅から国道で約62キロ・1時間30分、JR札幌駅からは約45キロ・1時間10分のところにある。
稚内方面から南下してきて、日中に札幌を楽しみ、夜の小樽で食事をした後、運河の界隈、あるいは余市の道の駅まで移動して、車中泊をしようと思う人には、その「前泊地」に利用するのは悪くない。
逆に小樽・札幌から稚内を目指して北上する人には、「道の駅 石狩 あいろーど厚田」から約68キロ・1時間15分のところに、高倉健主演の映画「駅 STATION」の舞台となった「増毛(ましけ)」の町がある。
北海道でも指折りの酒蔵と呼ばれる「国稀酒造」がある「増毛」は、北海道遺産に選定されたレトロな建物が並ぶノスタルジックな町で、明治から大正、そして昭和初期に「ニシンの町」として栄華を極めた歴史を持つ。
いっぽう札幌市民にとって厚田は、
道の駅ができる以前から、1時間ほどで行ける海水浴スポットとして人気があり、写真の防波ブロックに囲まれた「厚田海浜プール」へは、「道の駅 石狩 あいろーど厚田」からも徒歩で行ける。
また4月から10月までは、「厚田漁港」で旬の魚介が並ぶ「朝市」が開かれる。
とはいえ…
本州から水着を持ってはいかない旅行者(笑)と、短い夏をビーチで謳歌したい北海道在住者では、ニーズが根本的に違うのは当たり前(笑)。
ゆえに「増毛」のような話がリンクしてこないと、本当の意味での車中泊旅行者に向けた「道の駅」紹介とは呼べない。
YoutubeやSNSで小銭が稼ぎたいバンライフさんたちと違って、ピュアに観光旅行を満喫したい中高年の車中泊旅行者には、どこにでも書いてある”ありきたりの情報”よりも、もっと重要視している情報がある。
たとえば、「旅の宿」の観点から見た「道の駅 石狩 あいろーど厚田」の難点は、入浴と食材の買い出しだ。
特に温泉は「道の駅 石狩 あいろーど厚田」まで来てしまうと、もう行く気がしなくなるので(笑)、下の情報を参考に、事前に入浴を済ませてから向かうようにしよう。
「道の駅 石狩 あいろーど厚田」の施設
「道の駅 石狩 あいろーど厚田」には第1から第3までの駐車場が用意されているが、車中泊に適しているのは、駅舎に隣接しているこの第1駐車場だ。
路面は平坦で、特に車中泊に支障はない。
24時間トイレは駅舎の右端にあり、中にはウォシュレットが完備している。
またトイレの近くには、キレイな流し台がある。筆者のようにトイレで歯磨きをするのが好きではない人にとって、これはちょっと嬉しい計らいだ。
ちなみに右側の自動販売では、日本で最初に缶詰工場が建てられた石狩に引っ掛けた、「イシカリー」と呼ばれるカレーの缶詰が売っている。
また可燃物用のゴミ箱は、館内入口と2階にも置かれており、営業時間中に利用することができる。
さて。
「道の駅 石狩 あいろーど厚田」の建物は3階建てになっている。
1階の「i-STORE」と呼ばれる地場産品販売コーナーの店内は土産品が中心。
野菜や気軽に食べられる食品類は、通路にワゴンを出して販売していたが、これは混雑を増長させるだけの愚策。
野菜も買いにくいし、本丸の売店にも行きづらく、結局お客を逃してしまう。
厚田産のそば粉を使った十割そばが名物という、そば処「一純」。
オススメはやはり、地元で水揚げされるニシンを載せた温かい「にしんそば」だ。
こちらは2階のテイクアウトショップ。
窓際には広い休憩スペースがあるので、買ったものはそこで食べられる。
休憩スペースの奥は、観光パンフレットや、サイクリング・まち歩きに便利なマップなどが置かれた「地域情報コーナー」になっている。
そしてこちらが「歴史・自然資料室」。
道の駅にこういう展示があると、旅行者の地域への関心は高まる。
3階は「展望ラウンジ」と「展望バルコニー」になっており、晴れた日には「石狩湾新港」や「手稲山」、さらには遠く積丹半島までが一望できるという。
総じて云うと、「道の駅 石狩 あいろーど厚田」は物販飲食を見直してテコ入れすれば、もっと人気が出ると感じた。
「道の駅 石狩 あいろーど厚田」の車中泊好適度
「道の駅 石狩 あいろーど厚田」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:館内にあり、営業時間中に利用可能
缶・ビン・ペットボトル:同上
可燃物を含むゴミ箱は1階と2階に用意されており、旅行ゴミも捨てやすい。
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 石狩 あいろーど厚田」の最寄りの温泉&周辺買い物施設
日帰り温泉は、札幌・増毛方面ともに近くにはないため、先に入浴を済ませてから道の駅に行かれることをお勧めする。
番屋の湯
※道の駅から札幌方面に約26キロ・クルマで30分
☎0133-62-5000
おとな750円
10時~24時
無休
浜益保養センター
※道の駅から増毛方面に約30キロ・クルマで30分
☎0133-79-3617
おとな500円
4月~10月:10時~21時
11月~3月:13時から20時
毎月1日定休(土・日・祝は翌日)、元日
※5月・8月は休まず営業
コンビニ
セイコーマートまで約800メートル。
スーパーマーケット
10キロ圏内に大きな食品スーパーは見当たらない。
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