北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年8月現在の地球岬の概要と観光&車中泊情報をご紹介。
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
室蘭観光の”一丁目一番地”とされている「地球岬」って、そんなにいいの?
地球岬 DATA
地球岬
〒051-0003
北海道室蘭市母恋南町4-77
☎現地なし
駐車場41台・無料
「地球岬」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2012.08.12
2021.04.22
※「地球岬」での現地調査は2021年4月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年8月に更新しています。
地球岬(チキウ岬)の概要と車中泊事情
地球岬のロケーション
「地球岬(チキウ岬)」が室蘭の絵鞆半島(えともはんとう)にあることは、グーグル検索からこの記事にお越しの皆様なら、既にご承知のことと思う。
確かに「地球岬」は、多くの室蘭観光情報サイトで、今も見どころのトップにランキングされているが、”北海道を旅慣れている人”は、これまでの経験をもとに、その評価を客観的に解読するほうがいい。
まず、”今の地球岬”を高く評価している世代は、こういうことがお好き。
ゆえに写真はインスタグラムに投稿するため、スクエアに撮影する(笑)。
あわせて、こういうのも好き(笑)。
俗に「幸せの鐘」と呼ばれるカップル向けのモニュメントだが、よく調べてみると、地球岬は本家本元である「恋人の聖地」の認定を受けてはいないらしい。
どうでもいいことだが(笑)、「恋人の聖地」プロジェクトというのは、こういうもののようだ。
いずれにしても…
”今の地球岬”は世俗的で、たとえば「神威岬」や「襟裳岬」のような、いかにも北海道らしい大自然が残る”岬”を知らない旅行者が、眼の前の大海原に感動し、SNSで大騒ぎしているだけのところに過ぎない。
だが”北海道を旅慣れている人”は、おそらく現地に行けばこの看板に気づき、0.7キロの移動を惜しまないと思う。
そしてそこで、本当に北海道らしい景観を目の当たりにするはずだ。
「地球岬」の概要と見どころ
昔は筆者も「地球岬」の語源は、「水平線が丸く見え、地球を感じることができるから」にあると思っていたが、今はiPhoneで写せば、”そんなはずはない”ことがわかる時代だ(笑)。
「地球岬(チキウ岬)」の名前は、アイヌ語で「断崖」を意味する「チケプ」に由来し、「チケプ」から「チキウ」、そして「地球岬」になったという。
「地球岬」の一帯は、海抜100メートル前後の断崖絶壁が、約14キロに渡って連なる景勝地だが、そのランドマークといえるのが白亜八角形の灯台だ。
1920年(大正9年)4月1日に点灯された「チキウ岬灯台」は、「日本の灯台50選」「土木学会選奨土木遺産」に選定されており、その光は約44キロの遠方まで届く。
現在は完全自動化されており、普段は立ち入り禁止になっているが、年に1・2回「海の日」などの祝日に、一般公開が行われているようだ。
とまあ、ここまでなら「時間あればどうぞ」というところなのだが、「地球岬」は朝日の名所で、毎年元旦には初日の出を拝みに、多くの人が訪れるという。
残念ながら、筆者はまだこの光景を見たことはないのだが、「地球岬」には車中泊ができる無料の駐車場があるので、あわせてここで紹介しておこう。
「地球岬」の車中泊事情
こちらが地球岬の無料駐車場で、白い屋根が公衆トイレで、青い屋根が食堂だ。
収容台数は41台、路面は平坦で車中泊に支障はない。
近くから見た公衆トイレの外観。
ウォシュレットまではないが、適度に清掃されていて不快感はなかった。
ありがたいことに、可燃物のゴミ箱まで置いてくれている。
さらに水場まで!(笑)。こうなると、もはや”至れり尽くせり”。
さすがに人の出入りが多いので、長期滞在者は見かけなかったが、車中泊には十分すぎるほどの駐車場だ。
なお、地球岬の売店・はづきの営業時間は9時~17時で無休。
ちなみに、最寄りの「道の駅 みたら室蘭」から地球岬までは、約8キロ・15分。
さすがに元旦は混み合うだろうが、普段はあえて地球岬の駐車場で車中泊をしなくても、十分間に合う距離だと思う。
「道の駅 みたら室蘭」は、車中泊環境が整ったいい道の駅だ。
地球岬のアクセスマップ