この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「紋別ベイエリアオートサイト(紋別市ガリヤ地区港湾緑地)」は、長期滞在に適した道内屈指の車中泊スポット
※2022年から名称が「紋別ベイエリアオートサイト」から「紋別市ガリヤ地区港湾緑地」に変更されているが、当サイトでは新名称が定着するまで、多くの人が慣れ親しんできた旧称のまま紹介している。
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2011.07.11
2012.07.12
2013.07.09
2014.07.10
2015.07.22
2017.08.10
2018.07.11
2020.07.29
2021.07.10
2022.07.25
紋別ベイエリアオートサイト【目次】
紋別ベイエリアオートサイトのロケーション
かつての「紋別市海洋公園キャンプ場」こと、「紋別ベイエリアオートサイト」は、「道の駅 オホーツク紋別」からわずか1キロ足らずのところにあり、隣接する波止場からは、紋別のランドマークとも呼べる「オホーツクタワー」がよく見える。
またここからは、夏にニシン・カレイ・コマイなどがよく釣れる。
「紋別市海洋公園」は、人工海水浴場「オホーツク・ホワイトビーチ」や、アザラシと触れ合える「とっかりセンター・ごまちゃんランド」、さらには引退後に陸上展示されている「初代ガリンコ号」などが集約している一帯の総称。
そして、もともとそこにあったイベント広場に少し手を加えたのが、現在の「紋別ベイエリアオートサイト」だ。
紋別ベイエリアオートサイトの歴史と利用方法の変遷
「紋別ベイエリアオートサイト」の前身にあたる「紋別市海洋公園キャンプ場」は、2010年に車中泊施設としての本格的な実験運用を開始した。
以降、少しづつ利用システムの変更を重ねながら、2017年から「紋別ベイエリアオートサイト」に改称し、2022年には「紋別市ガリヤ地区港湾緑地」へと再び改称を重ねている。
そのため一度利用したことがあっても、リピーターのように毎年現地に足を運んでいない人は、当時とシステムやサイトが変わっていて面食らうかもしれない。
そこで昨年までの利用法と合わせて、2022年時点の正確な利用システムを詳しく紹介しよう。
2021年までの利用方法
受付がガチャポンなのは、オープン当初とかわらないが、今は「環境維持協力金」が500円になっている。
どっちでもいいことだが、オープン当時の名目は「清掃協力金」だった(笑)。
なお使えるのは100円玉のみ。両替機も置いていないので、コインを事前に用意していこう。
ただし、この「環境維持協力金」の支払いは、マストではない。
「環境維持協力金」を支払うと、この「ゴミ引取サービス」が5回まで受けられる。つまり500円はゴミの処分費であって、施設利用料とは違う。
よって地元住民のように、ゴミを「ここから持ち帰れる」人は、ゼロ円で「紋別ベイエリアオートサイト」を利用してもかまわない。
さらに温泉のある「道の駅 上湧別チューリップの湯」で車中泊をしても、この券を持っていれば、「紋別ベイエリアオートサイト」にくればゴミを引き取ってもらえる。
ゆえに筆者は「紋別市まきばの広場パークゴルフ場」でプレイした後、「道の駅 上湧別チューリップの湯」の温泉に浸かり、その日はそのままそこで車中泊をして、翌日またパークゴルフをして「紋別ベイエリアオートサイト」に戻ってくることもある。
というのは、近場の「紋太の湯」は既に源泉が枯渇し、今は「沸かし湯」になっているし、無料のシャワーは温度が低くて寒い日もあるからだ。
一時はゴミの引き取りが3泊4日までという時もあったが、泊まらなくてもゴミの回収指定時間に合わせ、立ち寄りでも利用できる今のルールのほうが、適度に移動したい旅行者にとっての利便性は高い。
ちなみにゴミの引き取り量に制限はなく、2家族で行って10回捨てるなんていうのは、ここでは「常識」だ(笑)。
「郷に入れば郷に従え」。
炊事棟で出会うであろう長期滞在のおじちゃん・おばちゃんと仲良くなれば、「この村」で暮らすために役立つ、いろいろなことが教えてもらえる。
2022年からの変更点
まず、トイレ棟に置かれていたガチャポンがなくなり、向かいに建つ写真の「みなとの迎賓館」で受付を行うようになった。
変更点は細かく多岐に渡っているが、もっとも大きいのはゴミの回収だろう。
料金は2021年までと同じで500円だが、今年からは1回500円となり、指定の3つのゴミ袋の利用が義務付けられた。
つまり上記で紹介してきた「裏ワザ」はもう使えない(笑)。
ただ車中泊料金は無料のままなので、連泊しても帰る日にまとめて捨てればそれでかまわないのだが、問題はゴミが全部袋に入るかどうかだ。常識的に見れば、上手にやって3日分というところでは…
またテント(シェルター)を立てると、ゴミ回収費用の500円はマストとなる。
以下に公式サイトをリンクしているが、車中泊料金の記載内容は間違っている。
正しくは車中泊は無料。ゴミ回収料金は1回につき500円だ。
続いての大きな変更点は、昨年まで縦列駐車で横付けできた場所に移動式住居「ゲル」が常設され、車中泊では利用できなくなっていること。
それと合わせて、広場でテントが自由に立てられる場所もきっちり制限された。
結論から云うと、道外から来る車中泊の旅人に加え、流行のゆるキャンやグランピングチックなスタイルを好む道内の客層を、もっと取り込めるようにしたいわけだ。
確かにこれまでは、「あまりにも車中泊というか、キャンピングカーへのエコひいき」が過ぎたと思う。
ありがたいのは山々だが、「これで本当にいいのかな」と感じた人もあっただろう。
ゆえにそれに不満を持つ道民からの圧力に耐えられなくなった…
実はそれが真相なのかもしれない(笑)。
とはいえ、毎日ゴミを500円で出しても、夫婦でクルマ1台1泊500円の利用料金と考えれば、「紋別市ガリヤ地区港湾緑地」が北海道でトップクラスの車中泊スポットであることに間違いはない。
「21世紀の森」に続いて、無料同然の長期滞在場所を失った人たちはガッカリするかもしれないが、まだまだ北海道には無料のキャンプサイトはたくさんある。
そういうサイトを見つけたい人は、この本代くらいは「投資」しよう(笑)。
最後になったが、「紋別ベイエリアオートサイト」はペットも同伴できる。
紋別ベイエリアオートサイトの設備
さて、ここからは「紋別ベイエリアオートサイト」の設備の話に進もう。
まず280台が収容できる駐車場は全体的にフラットで、車中泊に支障はない。
2022年の変更点
2022年から車中泊利用者が使える駐車場の位置が定められている。
こちらが現在の車中泊用スペース。これにより、実質的に車中泊に利用できるのは100台と公式サイトにも明記されている。
看板は変わったが、トイレと炊事場は従来通り。
トイレは洋式でウォシュレットを完備。またかつて屋根のなかった炊事棟も、リニューアルされて使いやすくなった。
ここから以下は2021年までの話で、前述したように2022年からはできない。
「紋別市海洋公園キャンプ場」当時から大きく変わっているのは、芝生のキャンプサイト周りに縦列式の駐車場が設けられ、オートキャンプの可能なエリアが拡張されている点だ。
かつてはこの一画でしかできなかったオートキャンプだけに、長期滞在者には嬉しい改修になったと思う。
ただし奥に行くと、トイレと炊事棟まではかなりの距離になるため、自転車があると重宝する。
それは、ゴミの廃棄やシャワーに行く時にも云える話だ。
2021年までの話(終わり)
紋別ベイエリアオートサイト 最寄りの温泉と周辺買い物施設
向かいの「オホーツク・ホワイトビーチ」に、無料の簡易シャワーがあるが、場所がわかりにくいので、トイレに地図が貼られている。
ここのシャワーは、張り紙に書かれているとおり、温いと云うよりは冷たいに近い日もあり、筆者は紋別市内にある「紋太の湯」を利用している。
2022年の変更点
この張り紙が受付にしてあり笑ってしまった。これも外圧なのかな~。
紋太の湯(沸かし湯)
☎0158-23-1555
おとな650円
13時 ~ 21時30分 (受付最終21時)・水曜定休
<サービス特典>
◎第1金曜日/健康シニアの日 65歳以上330円(~15:30までの入館)
◎第3金曜日/特別ペア割の日(夫婦、カップル、親子、なんでもOK) 2人で650円
◎毎月26日/ 風呂の日(定休日の場合は翌日)シニア、一般500円
コンビニ
徒歩3分の海洋交流館内にセイコーマート(8時~16時)がある。
ここにはさらに、軽食が食べられるフードコートと休憩スペースがある。
スーパーマーケット
約3キロのところに「DZマート紋別店」があるほか、市街地にはコインランドリーやホームセンターも揃っている。
紋別ベイエリアオートサイト アクセスマップ
オホーツク・ライン 車中泊旅行ガイド
道東 車中泊旅行ガイド


日本全国 車中泊旅行ガイド
クルマ旅のための車中泊入門サイト
この記事がよく読まれています。




