この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

「天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場」は、車中泊にお誂え向きのスペースがワンシーズン3000円で利用できる、驚きの高規格オートキャンプ場。
天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場【目次】
天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場のロケーション
大ぶりなシジミの産地として有名な天塩町にある「天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場」は、北海道遺産に登録された、石狩川に次いで道内で2番目の長さを誇る天塩川の河口に位置し、敷地の中には天塩川の旧河道が孤立してできた「鏡沼」がある。
鏡沼の畔に立っているのは、松浦武四郎の銅像。
その理由は、幕末の1857年(安政4年)に行なわれた武四郎の天塩川流域調査の出発地にあたることに由来する。
今でも長い砂嘴が伸びる天塩川の河口は、当時から天然の良港だったが、道らしい道がなかったため、武四郎は二人乗りの丸太舟を活用し、往復で24日間を天塩川探査に要したという。
松浦武四郎は現在の「北海道」の名付け親として知られているが、アイヌの長老アエトモからヒントを得て、もともとは「北加伊道」を創案したと云われており、天塩町より遥かに内陸部にある音威子府(おといねっぷ)村を流れる天塩川の中流域に、「北海道命名之地」の碑がひっそりと立てられている。

出典:NHK
なお松浦武四郎の人生は、2019年に北海道150年記念として「永遠のニㇱパ 〜北海道と名付けた男 松浦武四郎〜」というタイトルでドラマ化されているので、ご覧になられた方も多いと思う。
ドラマで描かれていたとおり、松浦武四郎は松前藩に奴隷扱いされていたアイヌを開放した救世主として、今でも北海道で慕われ続けている。
さて。ずいぶん前置きが長くなったが、天気が良ければ「天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場」のサイトからは利尻山が見え、いかにも道北らしい景観が楽しめる。
すぐ近くに「道の駅 てしお」もあるが、ここでは500円を支払ってでも「天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場」での車中泊をお勧めしたい。
ちなみに500円はクルマ1台1泊の料金で、ひとり当たりではない。ゆえに特にカップルには、かなりの割得感があるはずだ。
天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場の設備
「天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場」には、車中泊ができる3つのサイトがある。
こちらは上の広大なフリーサイトの駐車場で、椅子やテーブルを出さなければ車中泊をしてもかまわない。
ただ、ここよりはもっといい場所があるので、実際に車中泊をする人は少ない。
「天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場」のベスト車中泊スポットは、「キャンピングカーサイト」と呼ばれているこの場所だ。混雑具合に応じて、多少ならサイドオーニングを広げられる。
この2つは、いずれも1台1泊500円で利用できて、チェックイン・アウトの時間制限もない。
加えて、ここにはなんと3,000円のシーズン券が用意されている。筆者の知人には、ここをベースに道北各地に遠征しては戻るというスタイルの旅人もいる。仮に10泊に分けて利用すれば、1泊あたり300円。
それでペットOK、ゴミも回収してくれる。
おまけに温泉は徒歩圏内で、中にはレストランもあるのだから、環境としては美深アイランドとほとんど変わらない。
トイレは洋式で、キャンピングガイドによるとウォシュレットもあるようだが、このトイレにあるかどうかまでは確認できていない。
炊事棟はやや老朽化しているものの、清掃はよく行き届いていている。
さらに「てしお温泉夕映」のすぐ近くには、区画電源サイト(3000円)も用意されている。ただし容量は10Aと少ないため、キャンピングカーが使うにはちょっと心もとないと思う。
なお、区画オートサイトには、チェックイン午後1時~午後9時、チェックアウト午前10時の時間制限がある。
天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場 最寄りの温泉&周辺買い物施設
てしお温泉夕映
区画オートサイトからすぐ。
☎01632-2-3111
おとな600円
平日:11時~22時(受付最終21時)
休日は10時~・無休
コンビニ
セイコーマートまで650メートル
スーパーマーケット
「中央スーパー天塩店」まで約2キロ
天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場 アクセスマップ
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道北 車中泊旅行ガイド



