夏の北海道車中泊クルマ旅 憐れな子熊/2015.7❼

子供のヒグマ 忘備録
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、原稿作成のためのメモ代わりに書き残してきた「忘備録」をリライトしたものです。
クルマ旅専門家・稲垣朝則の主な著書
車中泊の第一人者と呼ばれる稲垣朝則が、これまで執筆してきた書籍・雑誌と出演したTV番組等の紹介です。

ヒグマ騒動の顛末

前話で詳しく記載した、母グマが近づきすぎた観光客のクルマにのしかかった事件から2週間近くが過ぎ、筆者は再び知床の岩尾別を訪ねた。

子熊

そこで発見したのが、この小熊たちだ。大きさといい、場所といい、確証はないが、おそらくあのテレビで放送された親子グマに違いないだろう。

近くにママ熊がいると危険なので、しばらく遠目から見ていたのだが、母親が現れるどころか、なんと右の子熊が視界から突然消えてしまった! 

どうやら足を滑らせ、コンクリートの崖から下に落ちてしまったようだ。

子熊

それから約30分、残された子熊の一部始終を追いかけたのだが、ジャージャー声をたてて泣きながら、親と兄弟を探してさまよう姿は痛々しく、まるで人の子供のようだった。

子熊

ついには車道まで上がって、対岸の土手を探し、最後は再びコンクリートの崖に降り、まるで疲れ果てて兄弟の後を追うようにいなくなった。

それで死ぬことはないと思うが、いずれにしても親を失った生後半年ほどの子熊が、無事に成獣になるまで生き残れるとは思えない。

若い母熊だったので、もしかすると小育てを放棄して別の雄熊と行動を共にしているのかもしれないが、あまりに人を恐れないため、駆除されてしまった可能性も否定はできない。

ヒグマ キャンプ場

実は2013年の夏、筆者はキャンプ場に出没した若い雄熊が猟友会の手にかかって命を落とす場面に遭遇している。

食べ物探しに夢中になった熊が、運悪く柵を越えてキャンプ場内に入り込み、逆に出口が分からなくなったのだろうという。

自力で敷地内から出てくれればいいのだが、このままではテントサイトに出てくる可能性が高いということから、最悪のシナリオになったわけだが、知床にはきっとこういう話がたくさんあると思う。

そういうことも含めて、世界自然遺産「知床半島」だ。

The End.

2015年7月北海道取材日記 目次

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